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結婚式でプランナーが評価されることがずっと疑問だった。

以前勤めていた会社で、年に一度
その結婚式の内容でプランナーが表彰される制度があった。

その日壇上に上がるために、
それをモチベーションにしているプランナーもいた。

わたしはそれにずっと懐疑的だった。

売上や成約率で評価されるのはまだわかる。
それは会社が評価すべきポイントだから。

だけど結婚式はお客様のもの。
その内容でプランナーが評価される?
なんで?

その結婚式がどうだったかを、
なんで第3者が評価するの?

評価するのはお客様でしょう??

その表彰式のためにプレゼンの特訓を受けたり
「そんな時間があるなら、お客様のために使えばいいのに」
そう思っていた。


ある年、上司であり先輩であり
友達であり姉のような存在のプランナーが
特別枠でその式典にでることになった。

わたしは初めて、大阪から千葉まで、
自費でその予選を見に行くことにした。

その上司の発表はともかく。

本選に出るために
たくさん準備をしてきて壇上に上がった
若きプランナー達はみんなとてもキラキラしていた。

30代後半を迎え、
自分のプランナー人生について
考える年齢になっていたわたしは、
彼ら彼女らのまぶしい姿に、涙が止まらなかった。

別に会社に評価されたくて頑張っているわけではない。

もちろん全力でお客様に向き合っているし、
何より結婚式の力を信じている。

そのことが胸が締め付けられるほどに伝わってきた。

どんな結婚式だったか。
どんな風におふたりと向き合ったか。

おふたりのどんな思いを
汲み取ってプランニングし、
どんな時間を、
どれだけの人と共有したか。

ウェディングプランナーは黒子だ。
世間一般的には
華やかなイメージが
もしかしたらあるかもしれないが、
その実、とってもとっても地味だ。

毎日まいにち、
大量の事務処理に追われ、
自動化できない
お客様とのやり取りに追われ、

たったひとりの肩に
何百万という責任がのしかかる。

100-1は99じゃない。
一瞬で0になってしまう緊張感と常に隣り合わせだ。

だからこそ。

売上や成約率という目に見えるものでしか
会社から評価されない
ウェディングプランナーが、
お客様と共有した結婚式そのもので
きちんと評価されることは必要なことだと感じた。

正しいかどうかはわからない。

やっぱりその結婚式を
評価するのはお金を払ったお客様本人だから。

でも、必要なことだと思った。
評価されてしかるべきだと思った。

そのことがまちがいなく、
またお客様へ向かうモチベーションになるはずだから。

表彰式しかみたことがなかった。
ステージで泣きながらスピーチをする
プランナーのことを、どこか斜に構えてみてしまっていた。

だけど、
予選を見る機会をいただけたことで、
見る目が変わった。

彼らは「お客様のために」
その結婚式が正しく評価されたいと必死だった。

社内のそうそうたるメンツの前で、
震えながらお客様のために戦う
彼らの表情を見た時、それまでのじぶんを恥じた。

そして、
心からうらやましいなあとステージを眺めていた。

その年の本選、
ステージ上で涙を流すプランナーを見て、
わたしも涙を抑えることができなかった。

本当にうらやましかった。

そんな風に、自慢できる結婚式があることが。

わたしが担当したお客様もみんな、
じぶんの結婚式の事、誇りに思っていてくれたらいいな。


今日はTwitterのタイムラインが
GWAの話題で持ちきりだったから、
あの日のことを思い出していた。


わたしは頑張っている
全ウェディングプランナーの味方でありたい。

深夜に「心が折れそう」とDMをくれるあの子も、
どうか心穏やかに眠れますように。

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