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#56、籠める・込める

[文]こ・む(下二)(古くは上二段にも活用)周りを固くかこんだ中に何かを入れて動かないようにする意。
①こもらせる。入れて置く。つめる。おさめる。伊勢「女おばまかでさせて、蔵にー・めてしをり給うければ」。源若葉「雀の子をいぬきが逃しつる、伏籠(ふせご)のうちにー・めたりつるものを」。日葡「カテヲシロニコムル」。「弾丸(たま)をー・める」
②表面にあらわさないようにする。包みかくす。秘する。万14「砂丘辺(すかへ)に立てる貌(かお)が花な咲き出てそねー・めて偲はむ」
③一つ所に集める。また、含ませる。今昔4「かくのごときの僧供ひくには、一房にー・めて止む事いまだなし」。風流志道軒伝「これはわが仙術の奥義をー・めし団扇なり」。「力をー・めて手を握る」「心をー・めて書く」「税をー・めて五万円」
④力でおさえつける。やりこめる。今鏡「殿の、弟にー・められさせ給ひて、藤氏の長者なども退かせ給ひたる」。日葡「カタナヲコムル、また、テゴメニスル」
⑤気体が満ちる。十六夜「霞ー・めたるながめの末いとどしく」

広辞苑第五版

このタイミングでのカバー変更、そしてこの説明の長さ。ここだけで1時間はかかりましたね(笑)

「こめる」については私は「手のひらにある大切なものをそこへ詰めるさま」のように思えます。魂、力、願い、祈り、愛、ほかにもきっとたくさんあるでしょう。

逆に悪い思いを込める場合もあります。
呪い、恨み、これくらいしか思い浮かばないけどもう十分ですよね。

どちらにせよ、思いを込める行為は並々ならぬ気持ちがそこにあって、それを誰かに託す前の橋渡しのためにしているのかな、と思いました。

通学路戦士パトーラさんという方に最近出会いました。ニュースで特集されていて、ヒーローの姿で交通事故を減らす活動をしておられます。

パトーラさんのInstagramはこちら

普段は2児のママ、スーツを着ればヒーロー!とてもかっこいいです。詳細はInstagramやYouTubeなどをご確認いただきたいですが、簡単に紹介だけ……。

京都府亀岡市で起きた、通学時の子供達と付き添いの妊婦さんを襲った暴走車の事故をご存知でしょうか。

この時に被害にあってしまわれたのが、パトーラさんの従姉妹にあたるかたで、妊娠7ヶ月だったそうです。お腹の赤ちゃんも従姉妹さんも死亡。当時大々的に報道されており、私もそのニュースを見ていました。
「亀岡」ではまだ気付かなかったのですが、「集団登校に車が暴走してきて妊婦が死亡」で気づきました。10年以上も前の事件ですが、あまりの痛ましさに私もつらかったです。

パトーラさんがヒーロースーツを着はじめたのは、Instagramを拝見すると2023年9月です。これまでにもさまざまに辛い思い、悲しいことがあったと思います。

10年の時を経て彼女がヒーローを志したのは、やはり大切な人を亡くした気持ちの恐ろしさを理解しているからだと思います。何者にも代え難い大切な家族。それを無惨な形で亡くしてしまって、さらにそのご家族の無念を思うといたたまれなくなりますし、応援したい気持ちが湧き上がります。

喉元過ぎれば熱さ忘れるとありますが、だからと言ってなんでも平気なわけはありません。
何十年経っても忘れられない、また会いたいと願うことしかできない家族。そんな思いを他の人にはしてもらいたくないという、パトーラさんの優しさがあふれています。

安全運転しましょうね。そして、安全に道を歩きましょうね。あなたも、目の前の人も、みんなたいせつ。

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