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ダブル

全然前情報なく見たドラマ。
ただちばくんが主演だということで見たドラマ。
こんなにハマってしまうとは、正直思っていなかったです。
Twitterでいろいろ書いてたことを交えながら、ここではちばくんが演じた宝田多家良と、永山絢斗くんが演じた鴨島友仁についても触れながら、わたしがこの「ダブル」というドラマをどんな風に観たのかをまとめようと思います。

ちばくんの演技にビビる

いや、これまでも「ちばくんって上手いなぁ✨」と素人丸出しな感想を持っていたわたしではあったのですが。多家良を演じたちばくんには仰け反るくらいビビりました。
なんていうか、そこには宝田多家良以外の人物はいなかったからです。

このドラマの撮影期間がどれくらいだったのかは知らないけど、この間のちばくんには多家良を生きていない時間があったことが信じられないくらい、多家良でしかなかったなと思います。
そして、ちばくんの演技のすごさはその先にもあるなと今回つくづく思ったのがこれ。

これは、衝撃だった8話のあとのわたしのツイです。
もうここに来て、ちばくんが演じている多家良が自分の中にも入り込んできたことをハッキリ書いています。
いや、「入り込んできた」というより、多家良の「着ぐるみ」をすっぽりかぶった状態になってしまいました。(ここ、あとで触れます。)

毎週ちば多家良に会うたびに、少しずつ少しずつ自分と多家良の区別がつかなくなってきたんです。(いや、怖いよアンタ😅)
だから、8話では多家良の気持ちが痛すぎるくらいわかってしまって、本当に苦しかった。
そして一視聴者をそんな気持ちにさせた、ちばくんの演技。
なんていうか、じわじわとここまで浸透してきた、その演技にわたしはめっちゃビビってしまいました。
千葉雄大まじすげぇ✨

絢斗くんにもビビっています

永山絢斗くんは、クドカンファミリーというか、気づけばクド作品に割と頻繁に登場してるなっていう俳優さんでした。

直近では、「俺の家の話」の観山家の末っ子、踊介役が記憶に新しいです。

ここでわたし、踊介のことを「この子こんなにバカだったんだな」って書いてます笑
いや、ホントに踊介は観山家イチの愛すべきバカでした。

「愛すべきバカ 観山踊介」

これは「俺の家の話」のスタンプです☺︎
これを見て、友仁と同じ人だなんて、すぐには思えないよねw

そんな絢斗くんですが、彼もまた、そこにいるのは友仁でしかなかった。

4話で多家良を送り出した時の友仁さんの笑顔と、その裏に秘めた思い。
わたしはこのツイで「多家良に対する別の思い」と書いていたけど、実際はそんなもんじゃなかった。

5話の後に書いた、このツイ。
ここでこんな風に書いているわたしだけど、実はこんな陳腐な(と今なら思う)二面性ではなかった。
友仁の思いはただの嫉妬だけではなかったし、多家良の思いはそんな友仁の嫉妬をも包み込むものだった。
この時点でもうすでにふたりはお互いのことを取り返しのつかない存在として膨れ上がらせていたし、その膨らんだ思いをお互いに隠すことで自分を形作っていた。

そんなものすごく複雑な思いを、多家良を送り出した朝の、あの友仁さんの表情のまだその裏に秘めていたなんて、絢斗くん!あなたもまたとんでもない役者です!
踊介のことを「ただのバカ」って言ってまじごめん🙇‍♀️w

そして、この辺り(6話)でわたしは一度友仁さんの方に感情移入しているの。
だって、多家良の心がわからなかったから。
でも、ここからダブル主演の本当のすごさが始まるということに、わたしはまだ気づいていなかった。

7話後のこのツイ。
わたしはこの時、多家良の叫喚の本当の意味や、イマジナリー友仁の存在に気づいてなかった。
だから、この時点では多家良の着ぐるみをかぶることはできていなかった。
そりゃそうだ。全然多家良を理解してないんだもん。
この時のわたしは、多家良は友仁から解き放たれようとしていたんだと思っていたのよね。

だけど実際は、その真逆でした。
多家良は、自分の中に理想とする友仁を飼っていたのよね。
「独り立ちしたと思い込んでいる」んじゃなくて、イマジナリー友仁(ところで、このネーミングした人、天才です🎊)に頼り切っていただけだったの。

あとからこの回を見直すと、ところどころでちばくん多家良は細かく微笑んでいる。
ここほんとすごいと思います。
微妙な表情筋を使うこの演技(しかも、8話でこの微笑みが全部回収される❗️)役者千葉雄大、ここにありです✨

驚きと叫喚と歓喜と絶望と慟哭の8話

衝撃の8話。
黒津監督に幸せそうに「友仁さんが好きなんだ」と告白する多家良の破壊力よ。
この黒津邸のシーンは、全編において多家良の夢見る夢子ちゃんぷりが光っている。
だいたい、ずーっと監督にタメ口だしね。
ここでみんな違和感あったはずなの。
いくら多家良でも、こんなふんわりしてるのおかしくね?って。
これねー、この演技がね、ちばくんって人はほんとにもー!だと思うのよ、まじで。

続けます。
それでもってね、うちに帰って友仁さんが居て、「風呂入ってこい」の後の多家良のこの一言よ。

ここで心臓撃ち抜かれたのは友仁さんのみならず、全スタッフ、全視聴者であったとわたしは言い切れる!
ここなのよ!
このね、黒津邸からお風呂までの多家良をね、これを演じたちばくんって人ですよみなさん。
どれだけ人を懐柔させる天才なんだろうと思うわけです。

さっきわたしは「6話で友仁さんの方に感情移入した」って書いたけど、この「でたー」のひと言で、一気に多家良の着ぐるみをスポーンと頭からかぶっちまいましたね。
あのぽんやりとした多家良でじわじわときて、最後の「てたー」でスポーンなんですよ。

「着ぐるみをかぶる」という表現、実はわたしは仕事で時々使うんですが、この精神的行為をここまで自然に発動させるのは、千葉雄大という人の役者としてのもんのすっっごいスキルだなと思うわけです。
もうここから先のわたしは、頭からつま先まで多家良でしかないし、多家良にしかなりえなかった。

多家良の着ぐるみをかぶって、多家良になったもんだから、わたしは一気に多家良の行動の不可解だったところを理解した。
そしたら、今度はそれを俯瞰で見ていた別のわたしが、友仁の思いにも気がついてしまった。

だから、もうここの、8話の例のセリフについては、わたしの解釈はひとつしかなかった。

衝撃の8話の後、ここまでの分を1話から見直して、わたしは友仁の周到さに驚いた。
多家良は良くも悪くも素直で、まんまと友仁さんの策略に乗っていっていた。(でもここ、最後にちょっとくつがえります。)
大切で大切で、今まで一度も手を出せないくらい(だってそうでないと「俺にはお前しかいなかった」なんて言えないよね。)大切にしていた多家良なのに、キスしてしまったのは多家良を本当の意味での「役者」にするため。
この友仁の辛すぎるキスは、多家良を目覚めさせるためだったんじゃないかなって思いました。

友仁がこれまで多家良への思いを秘めていたのは、「多家良を世界一の役者に」という決まり文句のためだったけど、実はそれは、あのキスで多家良を傷つけないと本当には目指せないものだった。
「男の誠実」とはそのことで、「踏みつけにされた女の気持ち」とは、多家良の純粋で真っ直ぐな恋心であったと、やっぱりわたしは思っています。

ダブル主演の意味

これ、いつ終わるんだろうと思いながら書いてますが、もうこのへんでまとめにかかりたい。
ごめんなさい、長文で…🙈

9話で多家良が混乱して、どうしようもなくなってしまったのに連動して、多家良の着ぐるみをかぶったままのわたしも同じように混乱していました。
でも、いつもは物語の内容に触れたコメントを出す監督も、この回の後は「芝居をやってる」演技を演出する難しさのことだけを書いていたんですよね。
これはもう、じっと待つしかないなって。

そして9話ラストの、多家良の下に駆けつけた友仁。
あそこ、友仁が靴を履いてるの、9話のラストでは見えてないのね。
だけど、後から見直すと、足音では靴を履いてるのはわかる。
うまいなぁ〜、監督。すごいなぁ〜。(当たり前)

そして迎えた最終回。
わたしの思いは、このツイに全部書きました。
だから丸投げしますw

もう、このスレに全部書いた。

最終回を見て、最後にこれまでの自分の解釈が違ったと分かったのは、さっき8話のところに書いた「多家良は良くも悪くも素直で、まんまと友仁さんの策略に乗っていっていた。」というところ。
これは、まんまと乗っていたのではなくて、多家良もまた「自分が作った幻影に乗せられたことにしていた」ってことだったんだって。

そして、このnoteのいちばん初めに書いた、「ダブル主演の真骨頂」はここだったんです。

多家良が友仁に出逢って声を取り戻したのは、友仁に生まれ直させてもらったから。
これはもう雛の刷り込みと同じで、端から友仁への愛情しかなかった。
(だから、ドラマ版で多家良と愛姫とのいろいろを全部カットした物語にしたのは大正解だったとわたしは思ってる。)

友仁は、そんな多家良を自分の理想とする役者に作り上げようとして、そのうち自分なのか多家良なのか分からなくなっていった。
でも、多家良は役者として、友仁を壊して外に飛び出そうとするから、そこを抑えられなくて苦しんでいることにしていたけど、本当はそれさえも自分のシナリオ通りだった。

待って待って待って!
こんな複雑なキャラクターを、お互いが同じ熱量で演じるなんて、そんなアクロバティックなこと、よくできたわね‼️
役者さんのメンタルってマジどーなってんの⁉️

「主演」ってこーいうことを言うのね‼️
ちばくんも絢斗くんも、天才としか表現できない。
こんなに長くダラダラ書いてるのに、結局行き着いた言葉が「天才」ってどうかと思う語彙力だけど、そうとしか表現できないですわたし。

そして始まるふたりの物語

最終回のラストのふたりの表情。
1話で出逢ったあの時の多家良と友仁が、客席で初級を観ながら同じタイミングで笑顔を消す、あのシーン。
わたしはこんなふうに解釈しました。

笑顔を消したんじゃなくて、舞台に立つふたりに、覚悟を見たのかなって。
あの日のふたりがお互いに出逢ったことを誇りに思った瞬間だったんじゃないかなって。
ふたりは「どこで間違った」わけでもなかった。
最初からこれでよかったし、苦しんだ多家良もそこに辿り着いたものね。

だからわたしは、ここからふたりの本当の物語が始まるんだって、ちば多家良と絢斗友仁からそんな思いを受け取りました。

ちなみに、1話を見たすぐ後、こんなことを書いていました。

「最後のたからくんの表情」。
これは、初めて友仁さんの芝居を見たときの多家良の表情のことです。(原作でいうと手刀のところw)
この顔、これは本当に感動した。

「心の眼が開く」

わたしもこのドラマで、多家良と友仁に出逢って、心の眼が開きました。
ちばくん、絢斗くん、素晴らしい作品をありがとう☺︎

(ここまでお読みくださった方もありがとうございました!)

追記

ちばくんのブログが更新されました。

ちばくんたら、天才と言われる人を演じることの難しさには触れているくせに、多家良という人の感情の有りようについては触れてないのね😳
素人(わたし)からすると、そっちの方がよっぽど難しいんじゃないかと思うんだけど…

やっぱり「天才」役者というのは計り知れないものなのね✨

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