見出し画像

物理的なものづくりの周りには、目に見えないものづくりがある

これはroot Advent Calendar 2022のDay7記事です。

突然ですが、デザイナーをしていてアガる瞬間は何ですか?パッと思いつくものだと、「思い通りのデザインができた」「ユーザーに喜んでもらえた」など色々あるのかなと思います。私もこれについて考え、最近この答えに行きつきました。

私がアガる瞬間は、チームメンバーと課題を見つけ、その対応策を実行し、結果がどうであれその過程を経てチームになっていく瞬間に立ち会えたとき

なぜこの瞬間なのだろう?と考えたとき、「もしかして自分は物理的なものづくりの周りにある目に見えないものづくりに魅力を感じているのでは?」ということに気づきました。

そして、ここに魅力を感じる理由を探していると、ふと小学生の頃に鬼ごっこをしてた記憶が蘇りました。小学校のときにやっていた鬼ごっこで自分たちでルールを作った経験が原体験になっていそうです。

この記事では、鬼ごっこの原体験を振り返り、自分がデザイナーとしてアガる瞬間とどう繋がっているのかを考察してみたいと思います。自分のただのエモです。強いて言うなら、自分の今の感情と過去の経験のつながりを見つけたい方のヒントくらいにはなるかもしません。内容が気になる方は読み進めてみてください。

一般的なルールで鬼ごっこをやっていた

だいたい小学5,6年生のころ、秋が深まるころに5人くらい集まって小さな公園で鬼ごっこをしていました。ルールは至ってシンプルで、鬼じゃない人は鬼から逃げ、鬼は追いかける。鬼がタッチしたら交代。これを週7で3時間くらい平気でやってました。(よく飽きなかったな…)
場所は小さな公園の小さな遊具。ちょうどこんな感じ。

問題が起きたのでルールを作った

楽しく鬼ごっこをしていたのだが、ここで問題が起きます。鬼にタッチされた人がその瞬間にタッチし返し、タッチ合戦になって立ち往生してしまう出来事が。これじゃ鬼ごっこにならないよね、となり、ルールを付け加えました。これならタッチ合戦になることはなさそう。

ルール:鬼にタッチされたら必ず10秒数える。数え終わったら走り出すことができる。

また問題が起きたのでルールをアップデートした

ところが、これでも問題発生。10秒だと長かった。いや、正確には、10秒だと長すぎる場合がありました。

人はそれぞれ足の速さが違う。小学6年生であれば走るのが得意な子・そうでない子がやんわり分かれてくる頃。走るのが苦手な子が鬼になった時、10秒だと到底追いつくことができず、ずっとその子が鬼のままになってしまったのです。

そこで、ルールをアップデートすることにしました。

新ルール:鬼にタッチされたら「ドレミファソラシド」と言う。言い終わったら走り出すことができる。

「ドレミファソラシド」は8文字なので、10秒数えるより少ない。そして8秒までだとなんとも言えない中途半端な数なのでどうしても10まで数えたくなるのだが、「ドレミファソラシド」だとキリがいい。そして言いやすいので、実際にかかる秒数は7.5秒くらい。絶妙に良い秒数でした。

どうして「ドレミファソラシド」が出てきたのかは覚えていません。みんなで話しているうちにいろんなアイデアが出てきて、なんとなく行き着いた案だった気がします。

自分たちでルールを作ったことで結束力が得られた

この「ドレミファソラシド」ルールはなかなかフィット。鬼ごっこをみんなで楽しくすることができました。そして何よりも、自分たちがより楽しく遊ぶために自分たちでルールを作り、仲間で話しながら色々試し、最適な方法を見つけることができた、という成功体験を得られました。おまけに「ドレミファソラシド」という自分たち独自の合言葉的なものになり、より一段と結束力が高まった記憶があります。

結局鬼ごっこは中学生になったらやらなくなりましたが、小学校を卒業するまで続けたし、それまでずっと「ドレミファソラシド」ルールを取り入れ続けました。

作っていたものは何だったのか

この鬼ごっこ体験では、目に見える「ルール」に加え、目に見えない「結束力」も作っていたとも言えそうです。

これに気づいたとき、ものづくりは物理的な形を作るだけではない、と考えるようになりました。体験を作ったり、チーム・組織を作ったり、感情を作ったり。いわゆる目に見えないものを作るのもものづくりの1つだと思います。

物理的なものづくりによって、目に見えないものづくりもできる

私は今、デザイナーとして物事を可視化する・作る役割をメインに担っています。そしてこの役割は、目に見えないものを作る1つのピースなのかなと、最近思っています。

rootのようなクライアントワークはプロダクトを持ちません。決まったチームがあるわけではないので、アサイン変更でプロジェクトが変わればまた新しいメンバーと初めましての状態から取り組むことになる。メンバーが1人変わるだけでチームが変わります。

クライアント含めチームメンバーが、ユーザーが、デザインを必要としている。だから私は物事を可視化する・作る。もちろんこれも楽しいです。けど、それ以上に、自分はその先にある「チームになる」ことに最大の魅力を感じている気がしています。

ものづくりが好きな人も、ものづくりの経験がない人も、「物理的なものを作る」の周りに発生する目に見えないものに注目してみても良いかもしれません。

最後に

個人的エモい話を最後まで読んでくださりありがとうございます。こんな話大好きなので、誰かに話したいエモいエピソードがある方はぜひ一度お話ししましょう。私でよければ喜んで相手になります!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?