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飯田泰之先生と投資入門②ー小口個人投資家向けのパッシブ運用とアクティブ運用ー

ご好評シリーズ第二弾!ではさっそく本題へ。


いがらし:第2回目もよろしくお願いします!

飯田先生:よろしくお願いします!

いがらし:
第1回目で、ポートフォリオマネジメント、時間をどうかけたらいいのか、また機会費用という概念などについて教えていただきました。
第2回目は、アクティブ運用とパッシブ運用とはなんぞや、そして投資信託やインデックス投資の基礎知識について教えていただけたらなと思っております。

・アクティブ運用とパッシブ運用

飯田先生:投資をする時に、アクティブ運用するのかパッシブ運用するのか、端的に言うと個別株を買うのかインデックス、日経平均やTOPIXなどに連動する商品を買うのかというのは大きな選択です。
いがらしさんは今まで何を買ってました?

いがらし:大体2割ぐらいをインデックスにしたいと思って、それは毎月1万円ずつ、2つの投信、合計2万円分を毎月買ってます。まだ3ヶ月なので今の合計はまだ6万円分ですが、それをとりあえず1年ぐらい続けてみようと思っています(大体20数万円分程度)。
他には、3割程度を個別銘柄(東証の銘柄、マザーズ含む)、 3割程度を米国株の個別銘柄、残りの2割ぐらいはまだどうしようか迷ってしまって買えていない買えていないという感じです。

飯田先生:アクティブ運用、つまり個別銘柄を選んで買っていくというのは、リスクが大きい代わりにその会社の株価が大きく上がった時に得られるリターンも大きい、と一般的には解説されるんですが、いかんせん多くの個人投資家の場合は当初の投資金額が少ないので、思ったより儲からないというイメージを持つ人が多いと思います。
ビットコインなど何十倍にもなるということもまずないですしね。

いがらし:私もそう感じました。今まで数銘柄個別銘柄買ってみましたが、1銘柄数万円、多くて10万程度だったので、1.2倍になったー!って喜んだんですが、よく考えてみたらその収益ってせいぜい2万円。意外と少ないなぁと。

飯田先生:例えば1億円分買ってて、2割儲かれば2,000万円ってなるんですけどね(笑)。2割というリターンはすごいこと。だけど投資額が100万円で20万円、10万円だったら2万円にすぎない。このサイズ感は必ず意識しておかないといけないですね。

・ドルコスト平均法と注意点

飯田先生:それから日経平均とかTOPIXに連動するインデックス商品を地道に買っていると言っていましたが、毎月パッシブ型の商品を一定額買ことを、「ドルコスト平均法」といいます。実はこのドルコスト平均法は長期投資の一番の王道だっていう風に言われています。

いがらし:そう聞いたのでそれでその方法ではじめてみました。

飯田先生:ドルコスト平均法は何をやってるかっていうとーーーところで相場で初心者が絶対にやっちゃいけないと言われている「ナンピン」という投資方法を知っていますか?。

いがらし:ナンピン?聞いたことない単語です。

飯田先生:「難平」、これでナンピンと読みます。
ナンピンというのは、持ってる株が下がってきたらさらにその株を買い増す方法です。下がれば下がるほどたくさん買い増していけば、保有している1株の平均価格は下がっていきますよね。そうすれば少し上がったら回収できる、というわけです。

いがらし:理論的にはそうでしょうけどねぇ、、、そう簡単には。。。

飯田先生:まぁそううまくいくのなら株で損する人なんていない……

いがらし:下がってきたときがチャンスだからもっと買い増すべきだ、というのは株雑誌かなにかで見たことあります。

飯田先生:そういう買い方を「ナンピン」と呼びます。
「下手なナンピンすかんぴん」という有名な格言があって、
下がってる間もしょうがないから買い増しする、そうやって買い増し買い増ししているうちに手持ち資金が尽きてこれ以上買い増しできない状態になってしまって、結局底値で売る。

いがらし:それは最悪のパターンですよね〜

飯田先生:そういう最悪のパターンにハマりがちなので素人は絶対ナンピンしてはいけないのですが、実はドルコスト平均法とは、素人でもある程度節度を持ったナンピンをするための手段なんです。

いがらし:なるほど。

飯田先生:実際毎月10万円積み立てている場合(だいたいドルコスト平均法で積み立てるのはインデックスの場合が多いのですが)、インデックスが安い時にはややたくさん買う、逆に高い時、例えば今みたいに値上がりをしている時にはあまりたくさん買わない。つまり固定の額の中で安い時にたくさん買い、高い時はあんまり買わないというというスタイルです。

ただこの方法は一つ欠点があります。
ここのところ日本では株は上がったり下がったりと、いわゆる往来相場だったので、このドルコスト平均法は理にかなった方法でした。
ですが、普通の国は株価は上がり続けるものです。

いがらし:普通の国って例えばアメリカとか?

飯田先生:そうですね、アメリカもそうです。デフレが20年間も続いているのに金融緩和しない国以外は、普通は株価は上がり続けています。
そうするといつも一定額だとどんどん定期的に買う株の数が少なくなる。

いがらし:固定額だと買える分が減っていく一方ですね。

飯田先生:実際日本も安倍政権発足以降の経済政策がそれまでよりはだいぶマシになってるので、そのせいでドルコスト平均法をずっと続けると尻すぼみになってしまう。
今はある程度、それぞれのライフステージのタイミングなど、自分のタイミングで少しずつ毎月の掛け金を上げていくといった手法も組み合わせることが必要だと思います。

・アクティブ型インデックス/パッシブ型インデックス

飯田先生:アクティブ型インデックスというのは、ファンド/証券会社が儲かると思う株を厳選、それら中心に投資することによってパッシブ型インデックス以上のリターンを狙うというもの。これで儲かるファンドを組めるのが優秀なファンドマネージャーということになるわけですが。アクティブ型のインデックスってすごい手数料が高いものが多い。

いがらし:アクティブ型インデックスというのは、個別銘柄を買うよりはリスクは分散できて、だけどある程度高いリターンを得られますよという商品のこと?

飯田先生:そういう風に証券会社は説明するんですが、アクティブ型の投信は手数料が高い。だから証券会社行くと一番オススメされます。
営業の売り文句は、「何千とある銘柄の中から、何十、何百と選んで買います。小口の個人投資家が何千という個別銘柄の中からいちいち選んでポートフォリを作るのは無理ですよね。だけどこの投資信託では当社のアナリストが厳選した銘柄に絞って過去これだけのリターンを得ています。」というような説明をされます。
その代わり手数料が高い。なので実は、手数料を抜いたら全然リターンは普通のパッシブ型インデックスと変わらなかったとか、むしろパッシブ型インデックスよりも全然低いパフォーマンスだった、ということもよくあります。
だから正直僕は個人的にはアクティブ型の投資信託を買うんだったら、株主優待等別のベネフィットもあるので個別銘柄を買うべきだと思います。

一方でパッシブ型の投資信託は手数料はそんなに高くありません。
何の工夫もなく日経225だったら225種をウエイト別にそれと同じになるように買っているだけなので。こちらは手数料が安いのである程度は正当化できるのかなと思います。

・「くりっく365」& レバレッジとは

飯田先生:あとはですね、多少慣れてきてそれでもやっぱり手数料払いたくない、でもアクティブ型でやりたいと思ったら、例えば「くりっく365」という商品があります。これは日経平均先物に対して投資をする方法で、且つ少ない資金で大きな額を運用できる証拠金取引です。そういったもの並行して持っていくといいんじゃないかと思います。
「くりっく365」は昨年の秋にシステムが少し変わり、使い勝手が良くなったと思います。
パッシブ型インデックスの上場投信に慣れてきたら、証拠金型の取引の入門としてくりっく365は向くと思います。

いがらし:証拠金型というのはどういう意味ですか?

飯田先生:実際現物の株を取引するとしたら、100万円分の株を買うには100万円必要ですよね。一方で証拠金取引の場合は、例えば100万円の取引の場合、ある期日に100万円の株を買うという約束をするんですね。その証拠金として10万円納めます。約束の期日までにその株価が90万円に下がったら、100万円で買うって約束してるので100万円で買い、その時の価格である90万円で売ると10万円の損が出ますよね。その損を証拠金10万円で清算する。
逆に約束した期日に値上がりしていて110万円になったとしてたら、約束通りの値段100万円で買って110万円で売る。そうすると10万円利益が上がりますよね。
そうすると10万円しかお金がないのに、10万円儲かる。利回り100%じゃないですか。

いがらし:すごいですね。

飯田先生:こういうレバレッジを使える点が証拠金型の取引です。
少ない金額で大きな金額を動かせる、その分リスクをグンと上げています。リスクを上げる代わりに資金効率も良くしている。こういったものを適宜組み合わせるのも手だと思います。

例えば僕がリスクをとってもいいなと思うタイミングがあったとします。
最悪の場合無くなったら無くなったでしょうがないと思えるお金が入ってきた。例えば僕らの業界だと、思ったより本が売れた!とかね。
そういう時ある程度レバレッジをかけて取引をします。そうすると100万円だとしても1,000万円とか2,000万円の取引ができる。もちろん無くなっちゃうかもしれないですが、無くなってもいい覚悟でリスクを取ろうと思ったときは、レバレッジをかけてみる。

投資に慣れてくると、自分がこれ以上受けられないレバレッジもわかってくると思います。10万円で20万円分……つまりは2倍程度のレバレッジがよいというならばそれにあわせた調整も出来る。ちなみに投資信託でもダブルベア型とかダブルブル型が人気ですね。一方10倍くらいまでの先物取引レベルのレバレッジをかけたいという場合もあるでしょう。
どれが正解というのはありません。
このシリーズのテーマの一つですが、自分がかける時間やストレスで負担に感じない範囲なのはどのくらいなのかなっていうのは、なんとなく勘としてわかってくるんじゃないかと思います。

いがらし:私だったら、1割程度はリスクとってもいいかなーとか、そう思えた時にはチャレンジしてみようかな。

飯田先生:正直ハイレバレッジの商品に大幅にコストをかけるっていうのはよくないからね。相当なリスクを抱えることになってしまいますから。

今回はアクティブ運用とパッシブ運用や、インデックス投資についてお話ししました。

次は「日経平均とTOPIXの違い」「EPS」「PER」など、用語の解説をしていきたいと思います。

いがらし:ぜひお願いします!次回も楽しみにしています。


インデックス投資の王道、ドルコスト平均法も適宜積立額の見直しを。
アクティブ型インデックスの手数料には要注意。
アクティブ型インデックス以外にも、くりっく365などをでアクティブ型運用は可能。


次回は4月1日木曜日投稿予定です☺︎
飯田泰之先生のnoteでは、3/30火曜日動画アップ予定!

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