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ドラマチック千畳敷

秋は足早に過ぎ去って毎年毎年「この秋も千畳敷カールに行けなかった〜」と見頃を逃してきた。今年もそうなりそうだった。秋晴れの千畳敷カールで紅葉を愛でることがこんなに難しいなんて。

天気予報を睨み始めたのが9月末で、晴れマークがついていて予定がない日は10月4日火曜日のみ。翌日からは雨模様。絶景には目のない娘を誘うとなんとか有給を取れそうとのこと。朝5時起きで駒ヶ根を目指す。

中央道を走っているときは確かに晴れていて富士山も八ヶ岳もクリアにその勇姿を見せてくれていた。こんなに晴れて大丈夫?というくらいの好天。気持ちは高まるばかり。インスタなどでみていた千畳敷を思い浮かべて一路高速出口を目指した。

8時50分くらいに駐車場に着くとメインの駐車場は満車で近くの砂利の駐車場に案内された。そこからバスで30分、ロープウェイで7分ほどで憧れの千畳敷カールに着くはず。チケット売り場で二人分の8,800円を払うときは頂上の天気晴れと表示されていた。

何の疑いもなくバスに乗り込み二人でぐっすり眠って目を擦りながらロープウェイに移動。なんとなく雲が多くなってきたけど気のせい?

高低差950メートルは日本一ということでも観光客を集めるそのロープウェイは秋の行楽客で混み合い、関東からも名古屋方面や関西からも詰めかけた同志の方々と共に空中散歩を楽しむ…楽しむ…けどなんか雲行き怪しくないですか?

五里霧中という言葉はしばしば喩えに使われるけれどこのときは本当に霧だったのです、降りた途端。全然違う、予定と。思い描いていた景色と。

まあそのうち晴れるんじゃないかとカレーとホットドッグで遅めの朝ごはん。

食べ終わって外に出てみたけど足元しか見えない。

これ以上じっとしていても仕方ないので40分で歩ける遊歩道を進むことにした。

少し見えてこの程度。うーん残念。一周回ってソフトクリームを食べてまた霧が晴れるのを待つ。

粘ったけどもういいや。縁がなかったか。元気なら生きてるうちにまた来られるかもね〜と言いながらツアーで時間が切られている人たちの下りのロープウェイに乗る列に並ぶ。高速代、ガソリン代、ロープウェイ代を頭でそろばんを弾くと悔しい。

さあ乗り込もうとしたらどうも空が明るんで来た。え、もう一回戻る?

二人で列を離れて遊歩道の方へ踵を返すと徐々に徐々に霧が晴れていくではありませんか。
え、これ奇跡?

とうとう山の稜線が現れた時には周りの人たちもどよめきをあげていました。本当に戻ってよかったね!

日本中の絶景をGoProに収めて歩くのを趣味にしている娘もこんなにドラマチックだったのは初めて!有給とって良かった〜と感激。山のお天気というのは気まぐれです。

秋の景色をお届けできましたでしょうか。新しい一週間も元気で過ごせますように。

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