水瀬真奈美

水瀬真奈美

最近の記事

電子音と雑音

氷ができると自動で製氷皿に移す、 何ら不思議ではない。 着信がなる。 鼓動が高くなる。 はやる気持ちを差し置いて また氷が製氷皿にが落ちる。 着信がなる。 いやこれは迷惑メールだ。 また氷が製氷皿にが落ちる。 着信がなる。 鼓動が高くなる。 また氷が製氷皿にが落ちる。 着信音はならない。 製氷皿に氷は落ちない。 なぜなら、水が切れたからだ。 彼女との縁は切らさないでおこう。

    • 小さな声

      俺なんてさ 蟻みたいに小さな声だから 彼女から声を聞いてもらうのに必死なんだ 必死でアピールして聞こえて貰えた時は やったと思う。 ただそれだれ ただたんにそれだけの為に時間を費やしている 自分は「何だ?」と問いかける。 答えはでない。 なにせ、ちっぽけな蟻だもの せつせと仕事をこなし 彼女からの着信を待つ これの繰り返し いつまでもいつまでも続く道を蟻は歩いた 彼女へ声を届けるために

      • 初めて人を本気で好きになったのは高校生の時でした

        先輩大好きです。でも言えません 「あのさぁ、ともちゃんもこれがファーストキス、だよね」 「…………」 「だったら、ごめんね。私、奪っちゃった」 私、この瞬間をずっと待っていたに違いない。 ──── 時は戻り、今の私は中学三年生。来年度入学する予定の高校の文化祭に、学校見学も兼ねて友達と来校した。文化祭は入学説明会で言っていた通り、華やかで、先輩たちはみんな生き生きとし、輝いて見える。 その様子を見ているだけでもワクワクしていた私達は、なんとなく覗いた体育館で公演して

        • 『睦月に想うあの顔と…』を読んで

          天邪鬼な作品だなあと感じました。 ■梅雨が始まった。 ■そして6月思い出すあの日 季語として梅雨を使用ているので、この6月はここはあえて5年前の母の死とアラビア数字でつなげたかったから続く6月が嫌いになった。部分につなげていきたいのだとわかりました。「梅雨」は冒頭の一回だけで、自然に流していったと感じます。 ■母が大嫌い。 ■この雨が大嫌い。 ■そんな私も大嫌い。 この3行が5年前の出来事と、今の心境を物語っていると感じました。 「涙は出たもののざまぁ」とあるので、この時

        電子音と雑音

          私と僕の間にあるもの

          『ユキナが選ぶ、おとふ賞2024お題イラスト』に参加するために書き下ろした作品になります。イラストには、「女の子は何か悲しいことがあり、堪えている」「犬は女の子をそっと慰めている」「猫たちは懐いているが、お構いなし 」が描かれております。 https://kakuyomu.jp/users/tuyo64/news/16818093073455537895 このイラストを基にして、12歳を対象とした小説を書くコンテストになります。 私はLGBTQの問題を題材として選び、多様性

          私と僕の間にあるもの