通信制大学に申し込みした_学歴コンプの混沌した日々。

 私のような底辺ヒラ社員でも、なんだかなぁと不条理を感じながら、会社生活は過ぎていった。誤解のないように言っておくが、いくら私でも、
高卒と大学卒との区別があるのは当然、という事くらいは理解できる。大学を出た人は受験勉強を経て4年間高等教育を受け、過酷な就職活動を経て企業に入ってきたのだ。
 そういった努力をして学位を持った人が、高卒と同じ扱いの訳がない。高卒と大卒で差があるのは当たり前で、レールがわかれているのも理解できる。

理解はしていても、どうしても”もやもや”してしまうのは、
 どんなに努力をしても、高卒のレールから大卒のレールに乗り換える事ができない、という現実だった。高卒は、”高卒枠”とい引かれたレールの上を歩いていくだけで、進路変更はできないという事だ。
 高卒で事務職で入社した女性は、何年働いても部下もつかず、出世もしない。仕事内容も職場が変わる事も殆どない。管理職になるための研修や試験を受ける事ができない。長く働いても、”お局さま”という、ありがたくない役職がつくだけだ。
 高卒の男性は、現場組の職員として会社人生が始まり、仕事を覚え、働き、現場組の職員として終わる。組としてのリーダーや職長になる人もいるが、会社人生は現場組として終わるのだ。

大学卒で入社した人は、同じ仕事をずーとやる、という事はない。一つの仕事が終わると、その次の仕事をするようになる。
 そのたびに、上司や先輩から仕事を教わり、研修なども会社が用意してくれて、会議やプレゼンで場数をふみ、知識も増えていく。仕事を通して学べる場が、たくさん用意されているのだ。それに伴って給料もあがっていく。そういうレールが大卒の前には用意されているのだ。
本人が望むと望まざると、そのレールを歩いていける。前さえ向いていれば、いいのだ。

 そのレールに高卒は乗れないだろうか。乗るチャンスを高卒に与えてはくれないだろうか。もやもやと混沌と、そんな事を思いながら、私の会社生活は過ぎていった。



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