マガジンのカバー画像

マリエの走り書き

6
現実とフィクションが入り混ざった短い走り書きや、ちょっとしたエッセイなど。
運営しているクリエイター

#エッセイ

平成最後に見た夢の話。〜それじゃ、よい旅を〜

平成最後の朝は、二度にわたる夢を見た。 夢の中で見た夢と、夢の中で夢から覚めた夢。 私はいつも、似たような夢を見る。 だいたい決まって家族や吹奏楽など過去にまつわる夢か、 夢らしくないリアルな仕事の夢、 たまに心の底から憧れる人(ほぼミュージシャンだ)に会えてしまう夢。 でも今回見た夢は、あまりにも鮮明で珍しい夢だった。 ◆夢の中の夢 「ほらね、だから言ったじゃん。」 横たわった祖父の胸元が、かすかに動いている。 静かに動かなくなったはずの身体が、たしかに呼吸をして

触れるな、簡単に〜酒に酔った走り書きの話。〜

今の私は酒に酔っているから、話半分で聞いてほしい これはあくまでも酔った私が走り書きしたものだ 冷静になった自分がこれを見てどう思うかはわからない。 ◆ 真っ暗闇の中、言葉がぽつりぽつりと氾濫していく だんだんと形が見えてくる その空間は、大きくなっていく 壁?天井?そんなものは今、どこにもない 知らない誰かに手を引かれて、言葉でできた夢の中を彷徨う あ、たぶん、知っている これはきっと悪い夢だ 「まだいくの?」 「もう少しだけ」 「まだいくの?」 「もう少し、もう