見出し画像

こんな言葉にも訳語がある


いま講座のテキスト作成中に、英文文献にあたっていて、Melodic Leapという言葉で止まった。こんな用語、翻訳されてないだろと思って、自力で考えていて、Leapは普通に「飛ぶ、飛躍」ぐらいしか浮かばなかったんだけど、もしやと調べたらちゃんとあった。

この中のOctave Leapが「オクターブ跳躍」となっている。ああ、そういえば、確かにありましたわ。そういう用語が。音が大きく移動するとき、特に上方に行くとかなりドラマチックな効果がある。たいていはダイナミクス(強弱)がそこについてくる。「あーあー果ってしないーー」である。(いまの若い人にはわからんか)

だから飛躍ってふんわり昇る軽さより、バネがある「跳躍」って言葉がイメージしっくりくる。ちょっと力が加わる。声ならベルティングという「張り」である。だからこの場合は「メロディの跳躍」だ。

「オクターブ跳躍」という用語の日本語の方の字面だけ見ていたときにはピンとこなかったから、まったく印象に残ってなかったんだけど、専門用語はこうやって外国語の表現にあたると急に理解が進んだりする。そしてイメージが急に鮮やかになる。モノクロがカラーになる。パズルのピースがぱしっとはまったこの瞬間が実に心地いい。

と、同時に昔の日本人、なかなかやるなあ。もちろん時々適切でない訳語もあったりするけど、あまたある言葉の中から、肌感覚にぴったりくるものを探してあてはめるのはかなりハードモードのパズルじゃないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?