見出し画像

「占いどうですか~♪」

駅ビルのエスカレーターを上っていると「占いどうですか~♪」という声が聞こえる。

”ずいぶん必死にやってるね” コロナでお客が来ないんじゃないか?と思うかもしれない。

5年ほど前。ぼくらは売上の95%を失う事件に巻き込まれた。主力事業であるアプリサービスの協業先が裏切り、占い師の報酬と雇用を守る側に立ったぼくらが切られることになった。

会社の生命線となるその事業の喪失。
そうした最悪の事態に直結するリスクがよぎったものの、これまで事業を一緒にやってきた仲間を裏切ることはできなかった。

そして、すべてを失った。
取引先への圧力、デマの拡散など、大人のいじめがしばらく続く。

”正義の先にあったもの”

6か月で資金はショートする。

自分の判断は正しかったのか?
社員や家族を路頭に迷わせることになるのに、なぜ選択したのか?
自分が何を守ろうとしていたのか?
そこまでの価値があるのか?

正直わからない・・・。

余命宣告後の世界から。

300名いた占い師はみんないなくなった。
そして主力事業に変わるものがない・・・。

余命宣告が告げられた後に残る厳しい現実。そのありのままの姿、半年後には会社がない可能性をスタッフに告げる。

こんな状況なのに、スタッフは誰も辞めようとしない。
一緒に残った占い師は、
「〇〇さんらしい、そこがいいとこじゃないですか。会社は何とかなるって出てるから大丈夫!」という。

独りじゃないから、立ち上がれた。

状況が状況だけにいろんなことが頭によぎっていた当時のぼく。余命宣告を受け、現実から目を背けたい自分がいる。考えれば考えるほど、よくわからなくなるし、最後にはいつも変な考えが頭に浮かんでいた。

ぼくと同じく最悪な考えが頭によぎった人もたまに占いにやってくる。当時の僕がそうだったように、本来そこにあるもの、その姿が映らず、本人には届かない。

けれども、声は届く。

想いを言葉に乗せた声。これは必要とする人のみに届く。

必要のない人には「占いだった 笑」「うるせーなー」としか思えないだろう。それでもうちを認識したことには変わらず、いつか使ってくれる時が来るかもしれない。

ぼくらは、黒を白には変えられないけども、自分にとっては青が大切なんだと気づかせることはできる。そして、壊れるまえなら、壊さないようにすることができる。

だから、ぼくらはこの場所で誰かにとって大切なものが壊れないように、まずは知ってもらうことから始める。

チャット占いUranow(ウラナーウ)、電話とチャットでウラナッテの占い師管理、マリーシェル占い館の運営を行っています。