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手洗いと消毒。 自分のこと好きですか?

はじめにお断りしますと、手洗いを否定するわけではありません。外出から帰った時、トイレの後、食事の前後。手洗いは(うがいも)普通にします。日本で生まれ育ちすっかり習慣づいていて、もはや無意識の領域。むしろ手を洗わない方が難しいです。その上で、今回は過剰な手洗いと消毒について思うところを。


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7歳息子の手、ガサガサ。

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11歳娘の手は今のところ綺麗だけど、お友だちで手荒れに困っている子は多いとのこと。


日常的に水仕事をしていない子どもの手指の荒れ・・・。
去年までなら考えられなかったこと・・・。


集団を守るために、弱い人を守るために、仕方のないことでしょうか?


「人にうつさないために」「大切な人を守るために」

そのために、私たちは日々手洗いをし、消毒をします。

つまり優しさ由来。


手はガサガサ。しみるどころか痛い。それでもシュっ!!



「大切な人を守るために」


ところで、
その大切にしたい人に、自分は含まれていますか?


では、
消毒できない人、消毒ではない方法で身を守りたい人、を大切にすることはできますか?

その背景を想像し、尊重することができますか?



適切な手洗い・消毒にはウィルスを減らす効果がありますよね。

適切であれば。


でも、私たちの手肌というのは最初から守られているんです。
常在菌や、肌本来のバリア機能によって。



では、過度であれば・・・?
私たちを守ってくれる常在菌は失われ、バリアはなくなり、体は守備陣のいない丸腰の状態で、戦うことになります。
その状況で勝てるのでしょうか?



その時には自分を守れたとしても、他のより深刻な病気になるリスクを招くこともあります。


そうなると、手洗い消毒の不足ではなく、過剰も、集団を危険にさらす可能性がある、と考えることはできませんか???

(集団を危険にさらす←うつすとかうつされたとかを、誰かのせいにする発想は好きではありませんが、今回はあえてこの表現を使います。)


その辺りはもう、大人は自分で考えて自分の信じる通りに行動するしかないけれど、子どものことは心配です。


過剰な手洗い 過剰な消毒
私はこの行為が、


あなたは汚いんだよ。だから消毒するんだよ。


と子どもたちの無意識に刷り込む行為に思えてなりません。


目に見えない菌もウィルスもそこらじゅううじゃうじゃ。
私たちは菌やウィルスの水槽を泳いでいるようなもの。


菌やウィルスが本当に悪いだけのものであるなら、私たちには元気な時などなくて、常に病気でもおかしくないはず。


菌やウィルスがうじゃうじゃいる中で、それでも元気なあなたってすごいんだよ!すごい力があるんだよ!



私は子どもたちにはこっちを伝えたい。


自分が汚い・・・そんな風に思ってしまったとしたら、その子は自分のことを好きになれるかな?


自分のせいで誰かを病気にさせてしまったかも・・・そんな罪悪感を植えつけられてしまったら、その子は自分のことを大切にできるかな?


人が生きていく上でしんどいのは、自分を好きになれないこと、自分を大切にできないこと、自分を責めてしまうこと(それが趣味の人もいるけど汗)。



誰かを大切にしたい人が、自分も大切にできますように。



悪いもの、怖いもの、の面ばかりが強調される菌・ウィルスですが、人が誕生するずーっとずーっと以前から存在する先輩で、生命の進化の歴史にも深く関わっています。




人と関わるということは菌を交換するということでもあります。



やみくもに恐れるのみではなく、その存在にどういう働きがあるかを少しでも理解しておくと、自分を傷つけすぎることなく、適切に身を守ることができるのではないかと思います。


最後に、行き過ぎた手洗いや消毒に対する警鐘をならす医師たちの意見を掲載した記事URLと抜粋を貼っておきます。




今回もお読みいただきありがとうございました。

(トップ画像は下の子が生まれた際に夫が撮ってくれた写真です。)


手洗い、消毒するということは、病気をおこす病原体を積極的に攻撃して排除して防ぐ効果がある一方、過度な石けんの使用や消毒は、皮膚に存在する常在菌にとっては大きなダメージにつながります。

つまり、感染予防やあらゆる健康にとって、通常の皮脂や常在菌がとても大切であるという点では、なるべく手洗いや消毒をしないほうが自分の防御力を上げるという考えになります。
身のまわりの微生物をなくすことは、自分のバリアを失うことであり、ちょっとした軽い感染や新規の感染症に対して免疫力、抵抗力を失ってしまうのです。
これが失われたことによる免疫系の機能異常が、新しい感染症の出現とその対応能力が低下している最大の理由──と私は考えています。

通常の日常生活ではなるべく不自然なことをせずに、粘膜や環境の防御が大切であると考えています。つまり、手洗いも消毒も必要最小限にとどめています。
(小児科医・ウイルス学研究者 本間真二郎 氏)


これまでの手指衛生の手段である手洗いやアルコール消毒の菌やウイルスの除去・不活化効果は、一過性のものであるのに対して、生来の手指のバリア機能は恒常的であることが特徴的です。


「新型コロナなど重症化の危険がある感染症への対策はもちろん必要です。しかし、あらゆる場面で除菌や消毒を徹底するのは逆効果です。日常生活では、過度に除菌するような清掃は必要ありませんし、手洗いは殺菌力の強いハンドソープではなく流水で行い、外出先から戻った時、調理や食事の前だけで十分です。うがい薬も頻繁に使わないほうがいい」
(東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏(感染免疫学))


病気を予防するために、体中の菌を殺菌することはできませんし、その必要もありません。むしろ、普段から存在している細菌が細菌叢という生態系を作ることで、病気を起こしやすい細菌が繁殖しにくくなっている面もあるのです。
逆に言えば、菌をすべて殺そうとすると、よい細菌もいなくなることで病原菌が繁殖しやすくなることがあります。このような細菌のバランスの変化と病気の関係について、詳しくわかってきているのが腸内細菌です。
(森田 麻里子 : 医師、小児睡眠コンサルタント)




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