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内閣府「防災情報のページ」を読む〜南海トラフ地震〜

※役に立つ情報だけ手っ取り早く知りたいよ、という方は、一番下に内閣府制作の動画を貼り付けたので、そちらをご覧ください。

『地球 ダイナミックな惑星』(丸善出版)を読んで、小学生の頃に地震博士だったことを思い出した私は、再び地震に関する関心が目覚め、今度はこちらの本を読んでみました。

南海トラフ地震は、私が子供の頃には、東海・東南海・南海地震と呼ばれていたものです。これは日本の歴史上、周期的に発生している大地震で、現代でも「30年以内の発生確率70~80%」と言われています。(ちなみに私が子供の頃のおよそ20年前も、同じようなことが言われていました。)

この本自体は、地震のメカニズムの科学的解説や、主に静岡以西の各県の被害想定、地震予知の現状について詳しく書いています。地震への備えについては、一番下の動画を見てもらってもいいと思いますが、とにかく言われているのは、「水・食料は最低三日分、できれば一週間分」ということです。電力の復旧までは三日が予想されるそうです。

で。ここで書きたいのはそれではなくて。
この本の終わりに、「政府の地震調査研究推進本部や内閣府防災担当、気象庁、関係自治体では、(略)報告書や被害想定がまとめられている。(略)オリジナルの文献などは、それらの報告書を参照してほしい。いずれもインターネット経由でダウンロードできる。」とあったので、私は、よし!それを見てみよう!と思ったんですよね。で、内閣府のページを開いたら、驚愕したんですよ。

な…なんだこの、「あ~なんか数年前にそんなの作ったね~」みたいなPDFが、とりあえずぶち込ちまれているだけみたいなカオスは…!

…ということで、私の目標は、よし!これを全部見て、どこに何が書いてあるのか整理するぞ!というものにすり替わりました。はい。本記事はそのまとめです。

内閣府ホームページについて

まずはこちらがホームです。

ホームから先ほどの南海トラフ地震のページへ行くには、「内閣府の政策」を選択します。この政策というのが、さすが、色々あるんですよね。これは見てるだけで人が足りない(ことが分かる)。大変だ。

宇宙が気になる

で、この中から、「防災」を選びます。よく分からないけどもう一回「防災」をクリックして、その後は「防災情報のページ」>「防災対策」>「地震・津波対策」>「南海トラフ地震対策」で、最初のページにたどり着きます。

ここからは、このページの中を、見出しごとにまとめていきます。

推進地域・特別強化地域

重要ファイル👉
・「地図」:PDF4ページ。

南海トラフ地震に対して、特に対策が必要な地域が挙げられています。条件は、「震度6弱以上または津波高3m以上が予想される」地域。この地図は見やすいし、役に立ちそうなので載せておきます。

内閣府の資料はフリーだよ

推進基本計画

重要ファイル👉
・推進基本計画の「__本文」:PDF74ページ。
・「推進計画作成例等(消防庁HP)」:PDF72ページ。

どうやら、防災のために、行政として具体的にこういうことをしたいよね、という目標がかなり細かくあって(たとえば、耐震化された家の割合をいついつまでに〇%にするとか)、それが推進基本計画と呼ばれているようです。で、その中身が書かれているのが、「__本文」です。(なんだこのタイトルは。馬鹿にしてるのか。)さらにそれを、こういう風に決めたからこうやってね~、と、各自治体の消防本部(?)に伝えるのが、「推進計画作成例等(消防庁HP)」です。見ると分かりますけど、すさまじいお役所の文書。これを、読んだり書いたりしてる人がいるんだと思うと震える。

推進基本計画等のフォローアップ

重要ファイル👉
特になし

推進基本計画が各自治体でどれくらい実行されているか、後日進捗状況を確認したもの。ちゃんと確認しててえらい。PDCAサイクル。

南海トラフ地震臨時情報に係る防災対応

重要ファイル👉
・南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン【第1版】(令和3年5月一部改定)の「本文」:PDF140ページ。
・「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」:リンク。

このセクションが一番のメインですね。「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン【第1版】」は、南海トラフ地震の起こり方を何パターンか想定して、対策を検討したものです。図やグラフも豊富で、これが一番総合的で良い資料な気がします。中身はとても見きれないですが。個人であらかじめできるとしたら、ここぐらいですかね。

家族との安否確認手段ね。昔はね、本当に「公衆電話で171」が生命線だった気がしますけど、今はいつでも誰とでも繋がってる感覚が当たり前ですからね。どうなんでしょう。でも、最低限家族の電話番号が分かってないと、いざというとき困ったりするのかな。あと、「避難所の運営は、避難者が自ら行うことが基本である」って書いてありました。へえ、そうなんだ。

南海トラフ地震臨時情報の方は、このページで唯一"New!"マークが付いています。これは地震が来る前に気象庁から出される警報のことです。私はこれを、なぜか完全な予知ベースの情報だと勘違いしていたのですが、実際には「南海トラフ沿いでM6.8以上の地震等の異常な現象を観測した後、5~30分後に発表される」アラートみたいですね。要は、東海・東南海・南海のいずれかで地震が来たから、残りの地域にも連動する可能性があるよ、という。対象地域の人は事前避難が必要だそうです。2分程度の解説動画がありました。机の下にもぐるのって有効なんだね。

南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画

重要ファイル👉
・「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 (全体)」:PDF183ページ。

ここは自分たち(国)向けの資料ですね。自分たち向けなだけあって、細かいところまでかなり力が入っています。実際に地震が発生した場合に、国がどう行動するかということの、具体的な計画です。…うーん、ここまで細かく考えてくれてるんだったら、国はもっとその仕上げ(?)として、国民一人一人に「最低限自分のことは自分でやれよ」って言っていいと思いますけどね(あ、経済じゃなく災害対策の話ですよ)。そう言った方が、結果的にみんなの防災意識が上がって、自分たち(国)の負担も小さくなるのでは。何というか、うまく言えないですけど、自分たちの行動だけをめっちゃ細かく決めて、それで終わっているのがもったいない。

震度分布、津波高等及び被害想定について

ここから先は補足的な話が多いのでファイル名は割愛します。被害想定の資料がまとめて置いてあります。

長周期地震動について

長周期地震動は一往復の時間が長い、ゆっくりとした揺れのことですね。これによって、都会の高層ビルなどでは揺れが増幅して大きくなります。スーパーコンピュータ「京」によるアニメーションもありますが、これはビルの揺れのシミュレーションではありませんでした。なんか、白地図上にカラーの波が伝播してました。

南海トラフ巨大地震の検討体制(協議会、検討会、ワーキンググループ等)

各部会やワーキンググループの名前が並んでいて、クリックするとそれぞれのリンク先に飛びます。冒頭の本の著者が参加するようなやつですね。本当はこの辺が見たかったんだけど、とてもじゃないけど無理でした。本の中に「一般の人が見るには骨が折れる」みたいなことが書いてあったんですが、本当にそうでした。

「南海トラフ地震に関連する情報」が発表された際の政府の対応について(令和元年5月廃止)

これと次のセクションには古い情報が置いてあります。これは「南海トラフ地震臨時情報」の前身についてでしょうか。廃止されたのでいいでしょう。

東海地震、東南海・南海地震対策の現状

南海トラフ地震が、東海・東南海・南海地震と呼ばれていた頃の資料を貼り付けたものと思われます。中は見てないので分かりません。

南海トラフ地震、首都直下地震の被害と対策に係る映像資料

最後に映像を見ましょう。結局映像が一番楽だ🐪。

こわい。けど、準備が大事だねって結論。結局これを一本見ておけば、文書に書いてあるようなこともまとめられているので、必要なことは全て済むと思います。

こっちはドラマ版。お役立ち度は上の動画の方が高いかな。お父さんが南海トラフ地震に詳しすぎる。むしろちょっと待ってた感まである。


以上、長々とまとめてみました。こういうのまじめに読んだことなかったので(普通そうだ)、はぁー国ってこういう風に仕事してるんだなー、ってのが分かってちょっと勉強になりました。
あと動画を見ると分かると思いますけど、暗い話ですみません🙆。でもまあ、何かの役に立つかもしれないと思ったのと、誰かが「来る来る」言ってるうちは来ないような気もしたので。そういう意味も込めて上げました。


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