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自伝的小説へのご感想🌙

祖母は若かった頃の話をよく私に語っていたなあと、この年になり思い出します。

私は祖母が丁度50歳の時の孫でしたから、祖母にしては若く、私にとって母親のような存在でした。

祖母はよく、戦死した祖父の話をしてくれました。

とても優しく、温かく、強く、そして、祖母を心から深く愛していたとの事。

祖父は左胸に弾丸が貫通し、即死でした。

戦死の知らせを受けた祖母は、

「覚悟はしていたけど生きていて欲しかった。」

と酷く悲しみ、その場に泣き崩れたそう。

左胸ポケットに入っていた、弾丸が貫通し、穴が空き血塗れになった祖父の手帳をいつまでも大事にし、血が真っ黒く変色した手帳を何度も私に見せてくれました。手帳には祖母の写真が挟まれてましたが、穴が空き、縁だけになっていました。

祖母もまた祖父を心から尊敬し、深く愛していました。

戦争が憎い、と、何度も私に言っていました。

私は聞く事しかできなかったですが、祖母のやるせ無い思いを受け止め、涙ながらに話す祖母を「辛かったね、悲しかったね、だけど今は私がいるからね」と言いながら、抱きしめていました。

祖母によりますと、私は祖父に生き写しの顔なのだそうです。それ故、特に私の事が可愛くて仕方がなかったのかもしれません。

私も当時の祖母と同じくらいの年齢となりました。54歳。

この歳まで生きていると、祖母同様人生を振り返り、あの時こうだった、ああだったと色々と思い出に耽る事があります。
子供の頃や若かりし頃を思う事もあります。

人生人それぞれ、色々ありますが、私も漸く過去の出来事への気持ちの整理がついたのか、このところ丸で何かに取り憑かれたかのように、自伝的小説を書きました。誰の為でもない、自分の為に。カタルシスとなればと。
実際書いてみると、それは私にとって、心の浄化、癒しとなり、お陰様で心がスーッと軽くなりました。

ある一人の54歳の人間の自伝、誰も他人の人生など興味なんかないだろう、と思っておりましたが、有難い事に、読んでくださる方が多くいらっしゃり、温かなご感想をお寄せくださり、嬉しくて涙が溢れる思いでいます。

ネットという広い広い世界に埋もれている何だかわからない記事を偶々拾い、貴重なお時間を割いて読んでくださった方々、お一人お一人とのご縁に深く深く感謝致します。読んでくださるだけでも奇跡ですのに、その上ご感想まで頂けますと、その有り難さに嬉しくて胸がいっぱいになります。

先程もある方から、ブログに『緋色の三日月』の感想を書かせて頂いておりました、というご連絡をいただきました。
その方のご感想記事はこちらです。

尊敬している易占師の星マリアさんの物語
緋色の三日月を読む。
登場人物の様々な交錯する愛がひりひりと胸に迫ってくる。
憧憬のような淡い思慕、友情と愛情がせめぎあう思い、束縛という歪んだ愛。
そして、主人公の二人の愛。
共に求め合い、抱き(いだき)合い、癒し合い、与え合う愛に圧倒される。
読み終えて数日たってからも
最後の手紙のことを思うと、一つ一つの言葉は覚えていないのにも関わらず、
相手を包み込む愛情の暖かさ、輝かしさが胸に迫り、自然と涙が出る。
生きる、ということは、時間の長さではない。
自分の人生を振り返る。
私はこれまで、誰かに何かを与えてきただろうか。
心の水面に、静かに小さな石が放り込まれ、波紋が広がってゆくようだ。

私の拙い自伝を貴重なお時間を割いてここまでしっかり読み込んでくださった上、更にご感想を頂けます事、大変光栄で有り難く嬉しく、涙ぐんでしまいます。

『緋色の三日月』の「感想」という記事の中でもご紹介しておりますが、嬉しかったのは、官能的な文章とは全く無縁な、おそらく性描写など苦手であろう、とてもエレガントで上品な心友がすぐに読んでくださり(『新月の雫』では、謎の弓名人として登場する方です)

性描写は確かに過激ではありましたが不思議な事に其々の心情、葛藤、そして、心底からの愛の育みの凄さ、愛の形、偉大さは過激な性描写を私の頭の中で霞ませてしまいました。2人に関わる人々の心情や行動も凄すぎて性描写に負けていないように思いました。

というご感想を頂けた事でした。もう、嬉しく有り難く、感謝ばかりです。

『星マリアのイーチンオラクルカード』の作成がいよいよ終盤となり、大変神経を使う校閲作業に入りましたので、現在進行形の自伝的小説『新月の雫』は、あと1話追加でひと段落になると思います。此方のお話も沢山の方に読んで頂きご感想を頂きまして、大変嬉しく有り難く、深く感謝しております。この事を機に、随分昔に書きました『南十字星』も加筆訂正致しました。お陰様で3つの自伝的小説は、私にとって宝物となりました。

Yukieさん、ゆり葉さんにも自伝的小説のご感想記事を書いていただきました。
凄く凄く嬉しく有り難く思いました😭💕✨

そして本日は何と!水月レイラさんが『新月の雫』のご感想を記事にしてくださいました😂💕✨レイラさん、ありがとうございます❣️ええ、前作、『緋色の三日月』はあまりにも苦しいお話でしたし、『南十字星』もまた、苦しかったですから、『新月の雫』くらいはドタバタ劇場ではありますけれど、ホッとするようなお話にと思いました☺️✨

そしてりりちゃんからも❣️❣️❣️ 1ヶ月以上前に書いていてくださっていたなんて😭😭😭 こんな素敵なラブレター💌 今頃気づく私の馬鹿❗️

このように、読んで頂きました上、ご感想まで頂けます事は、何より嬉しく、そして何よりの癒しとなり、励みとなります。

私の拙い自伝的小説を読んでくださり、何かを感じ取ってくださって、温かなご感想を頂きました皆様へ、心より深く御礼申し上げます✨

最後に・・・ 私はこの曲を聴きながら『緋色の三日月』を書いていました。

Hotel California  私の勝手な訳

On a dark desert highway, cool wind in my hair
Warm smell of colitis, rising up through the air
Up ahead in the distance, I saw a shimmering light
My head grew heavy and my sight grew dim
I had to stop for the night.

暗い砂漠のハイウェイ、冷たい風が僕の髪を撫でる
コリタスの心地良い匂いが立ち込め
僕の頭は怠く、視界もぼんやりしたまま
夜に包まれていた
遠くに見える、かすかな灯りに導かれるように
この場所に辿り着いた

There she stood in the doorway,
I heard the mission bell
And I was thinking to myself
‘This could be heaven or this could be Hell’

入り口に立つ彼女は、教会でもないのに鐘の音と共に僕を出迎える
僕はふと思った
"ここは天国なのか、地獄なのか"

Then she lit up a candle and she showed me the way
There were voices down the corridor
I thought I heard them say

Welcome to the Hotel California
Such a lovely place (such a lovely place)
Such a lovely face.

そのような中、彼女はキャンドルを手に持ち僕の道案内をする
狭い通路を抜けると騒めきが聞こえる
ホテル・カリフォルニアへようこそ
愛すべき場所
素敵な外観

Plenty of room at the Hotel California
Any time of year (any time of year) you can find it here

ここには沢山の部屋があるの
あなたはいつまでもここに居られるのよ

Her mind is Tiffany-twisted, she got the Mercedes bends
She got a lot of pretty, pretty boys, that she calls friends
How they dance in the courtyard, sweet summer sweat
Some dance to remember, some dance to forget

彼女はメルセデスのようにゴージャスでティファニーが良く似合う
そして若いイケメンボーイフレンドが沢山いる
汗ばむ甘い夏に中庭でどれ程踊ったことか
何かを思い出す為に踊り、何かを忘れる為に踊り

So I called up the Captain
‘please bring me my wine’
He said, ‘we haven’t had that spirit here since nineteen sixty-nine’

そして僕はボーイ長を呼んだ
"あのワインをください"
すると彼は言った "ここには1969年からあのお酒(魂)はありません"

And still those voices are calling from far away,
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say

そしてまだ遠くから声が聞こえる
真夜中も起きていてね
そう聞こえた

Welcome to the Hotel California
Such a lovely place (such a lovely place)
Such a lovely face

They livin’ it up at the Hotel California
What a nice surprise ( What a nice surprise),bring your alibis

ホテル・カリフォルニアへようこそ
愛すべき場所
愛すべき外観
皆、ここで人生を楽しんでるの
吃驚でしょ
口実を作ってここへ来るのよ
アリバイを持って来てね

Mirrors on the celling,
The pink champagne on ice
And she said, ‘we are all just prisoner here, of our own device’

鏡張りの天井
氷の入ったピンクのシャンパン
そして彼女は言った "私達は自分が作った罠の中の囚われ身なのよ"

And in the master’s chambers,
They gathered for the feast
They stab it with their steely Knives,
But they just can’t kill the beast

それから彼らは宴に集まり
鉄のナイフで禍根を刺した
けれどその魑魅魍魎を消すことはできなかった

Last thing I remember, I was
Running for the door
I had to find the passage back to the place I was before
‘Relax’ said the night man,
‘We are programmed to receive.

最後に覚えていることは…
僕が前にいた場所に戻る通路を探さなきゃと
通路を見つけてドアへ向かい走って行くと
夜勤の人が話かけてきた、
"落ち着いて、ゆっくりなさってくださいね
"ご要望は何でも承ります

You can check out any time you like,
But you can never leave!‘

“いつでも自由にここをチェックアウトできるけど
あなたはもうここ(私)の虜、離れられなくなってしまったでしょ
あなたの場合、自ら人生を終わらせる以外は
ここから出ることはできないのよ!”

************************

彼が辿り着いた場所

ホテルの入り口の前で「天国」か「地獄」かの分かれ道があり

そこに立つ女性はきっと私だった。

二度と後戻り出来ない道へ、私は彼を案内してしまった。

彼と泊まったホテルで偶々流れたこの曲を聴きながら、20歳の私はぼんやりそう思っていた。彼は何故か好んでこの曲を聴いていた。英語が堪能な彼ならこの歌詞の意味がわかる筈なのに。彼はどんな思いでこの曲を聴いていたのだろう。私とは全く違った解釈をしていたのだろうか。今となっては訊ねる術もない。

彼の部屋では最期にこの曲が延々流れていた。

"私達は自分が作った罠の中の囚われ身なのよ"

"アリバイを持って来てね"

そう、薄々気付いていた。これは私の心の声なんだと。

これは私と彼の行く末を予言するような曲なのだと。

その2年後、偶々男友達二人と池袋を歩いていたら

外国人ストリートミュージシャンがホテルカリフォルニアを歌っていた。

記憶の凄まじさに驚いた。

突然強烈なフラッシュバックが起き、体がガクガク震え出し

動悸、息切れ、目眩、吐き気、呼吸困難を起こし、私はその場に倒れ込んだ。

私を心配し、慌てた友人二人は救急車を呼ぼうとした。

「フラッシュバックから来るパニック発作だから呼ばなくていい、兎に角ここから離れたい、あの忌まわしい曲から離れたい」と、耳を塞ぎながら彼らを止めた。
耳を塞ぎ震えながら倒れ込んだ私を友人Yが抱え、友人Tは私のバッグとサンダルを持ち、人混みを掻き分け走り、曲が聞こえなくなる静かな公園まで私を連れて行ってくれた。 
私は激しく取り乱し、落ち着くまで随分時間がかかった。
二人は私が落ち着くまでそばで静かに宥め見守ってくれていた。
喉がカラカラで水が欲しいという私に、Yは急いで公園の水飲み場へ行き水を口に含み、私に口移しで飲ませてくれた。Tも続いて同じ事をしてくれた。
「生温いけど楽になった。ありがとう。贅沢言えば冷たいのがいいんだけどね。」
私に漸く微笑む余裕が出て、二人はホッとした。
その二人は『新月の雫』に今も登場する人物。といえば、『新月の雫』を既に読んでくださっている方は容易に誰かわかる筈。

漸く心の整理がついた54歳になった今、冷静にホテルカリフォルニアを聴きながら、取り乱す事もなく、この文章を書いている。

あの頃を思い出しながら。

彼を思い出しながら。

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