33 天山遯（てんざんとん）

～　隠退、三十六計逃げるに如かず　～

−　退却の象　～　戦わずに身をかわす。逃れてこそ開ける道もある。　−

☆卦辞：　遯。亨。小利貞。（とんはとおる。しょうはただしきによろし）

☆彖伝：彖曰。遯亨。遯而亨也。剛當位而應。與時行也。小利貞。浸而長也。遯之時義大矣哉。（たんにいわく、とんはとおるとは、のがれてしかしてとおるなり。ごう、くらいにあたりておうじ、ときとともにおこなうなり。しょうはただしきによしとは、ようやくにしてちょうずればなり。とんのじぎおおいなるかな。）

☆大象伝：象曰。天下有山、遯。君子以遠小人不惡而嚴。（しょうにいわく。てんのしたにやまあるはとんなり。くんしもってしょうにんをとおざけ、にくまずしてげんにす。）

キーワード：
逃れる、亡命、逃避、正論通らぬ、トンズラ、隠遁、住居の苦労が多い、運動不足、十二消長卦、大巽の象、飛ぶ鳥跡を濁さず、新旧交替期、引き際の美学　など

☆序卦伝：「物は以って久しく其の所に居るべからず。故に之を受くるに遯を以ってす。遯とは退くなり。」
恒の卦の次に遯の卦があります。世の中の物事はいつまでも久しく止まっている事はできませんので、恒の卦の次に遯の卦があるのです。遯とは退くことで、ある場所から隠れ退くことになります。ある位地、ある場所から身を引いて隠退する道を説くのがこの卦なのです。

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