見出し画像

心理カウンセリング|初めての傾聴ボラ

さてさて。

またまた、思い出してきましたよ~。
昔々の、お・は・な・し。

まだ、吉本風おもしろ心理学に出会っていなかった頃のおはなし。

通信で資格が取れる、心理カウンセラーの民間資格を、
短期間でパパッと取って、
とりあえず、自分もカウンセリングを開始していきたい、
と思った、今より "やや" 若き日の私。

(当時の本人は気付いていませんでしたが、)
ここでもアカンタレ精神が大いに発揮され、
独立する自信なんてまぁ~ったく無いですから。
先輩ボラにくっついて行ってできる傾聴ボランティアに参加しました。

伺ったのは、ある老人ホーム。

先輩ボラのおじさんは、
いつも担当しているおばあちゃんの所へ行ってしまい、
ボラ初参加で取り残された私のお話相手になってくださったのは、
身寄りの無いとても上品なおばあさんでした。

「こんにちは」
「はじめまして」
「今日はいい天気ですね」
「お花が沢山咲いていて良いところですね」

簡単に挨拶したあと、初対面の私たちは、
お互い何も話すことが無く、沈黙が続きます。

DVD視聴で粗い知識だけ詰め込んだ、ドドド素人です。
早々に、私は沈黙に耐えられなくなりました。

「いつも何をして過ごしておられるんですか?」
「食事は美味しいですか」
「おばあちゃん、ここに来られる前はどの辺りに住んでおられたのですか?」

吉本風おもしろ心理学の基礎コースで、初っ端から学ぶ、
『カウンセリングでやってはいけない魔の13の対応』
の一つ、「質問攻め・探る・尋問」を開始しました。

終いに、おばあちゃんは、質問には答えてくれなくなり、
一人語りをはじめました。

「私はこちらで、随分親切にしてもらっていてね…。
 私は、何もできないから。親切にしてもらっていてもね…。
 何もできないから。
 今朝は、施設の人に
 ”今日、ボランティアさんが来るから、
 誰か相手してあげて”って言われてね。
 いつも何もお返しできないから、
 私がやります、って、言ったのよ」

「あなたもね、今はこんな所でこんなことしているけど、
 しっかりね」

。oOo。.::.。oOo。.::.。oOo。.::.。oOo。.::.。oOo。.::.。oOo。.::.

もうね、今、思い出していても、
未熟さと、恥ずかしさと、
おばあちゃんへの申し訳なさと。

それでも感じるおばあちゃんの温かさと、
初対面の私にも肩と胸を貸してくれた、と思う感謝と。

年を重ねて来られた方への畏敬の念と。


今は、ありがとう、しか言えない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?