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「中学でいじめられた長女」である私が見る、バチェロレッテ2最後の決断(ネタバレあり)

「悩める長男長女へ」という本は腐るほどあるのに、
「悩める末っ子へ」という本は本当に少ない。

そんなことにブチギレたことがある長女こと、私です。 
 

 バチェロレッテ2、めちゃくちゃ盛り上がりましたね!
もし気持ちがそのまま出るTwitterとかあったら、トレンドはきっと「そっちかい」だったと思います。

全体的に見ると、1と同じく賛否両論。最終回のあの瞬間までずっと「長谷川さんといる時のミキティ素だな」「こりゃ勝ったな」という流れでしたが、選ばれたのはマクファー。
正直それまでの雰囲気故その決断には衝撃や反感がありましたが、最終回で見えたミキティの過去や家族との関係性、ちらっと露呈した長谷川さんの価値観などもあり納得されてる方も多かったですね。

うーん、この賛否両論こそバチェラーシリーズの醍醐味……!みんなの価値観がいっぱい出てきて面白いね。

私も普段はバチェラーや参加者陣の恋愛観、参加者が落ちた考察、エンタメとしての視線でバチェラーシリーズを見ていましたし、それを記事にも書いてました。


今回もずっとそうやって見てきたし、見るつもりでした。
でも、どうしても無視できない気になるものが出てきてしまった。

「中学の初めの頃、いじめられて。髪の毛が抜けちゃったの。円形脱毛症みたいな。お母さんがそれを発見したんだけど、その姿を見て家族がすごい悲しんでたの」
バチェロレッテ・ジャパン シーズン2 エピソード9

最終話、1番最後のマクファーとのデートでのこと。
今までそんなことを1ミリも匂わせなかったミキティの告白。

ミキティがずっと何に対してもケラケラ笑ってた理由も、マクファーを選び続けていた理由も、引き出しが少なかった理由も、私にとってはそこで全て繋がった感覚がしました。


長女であることと中学でいじめられることの重み


私は弟2人持ちの長女です。長女中の長女。小学校が一緒になるくらい近い歳の弟と、一回り歳の離れた弟がいます。
そして私も中学生時代、いじめられました。スクールカースト最下層に突き落とされ、この世の全てを憎んだ経験があります。
あんまりに嫌な記憶すぎて思い出したくないのですが……無視、陰口、公開処刑は序の口。喋ったこともない知らん男に蹴られたこともありますし、「あんたが〇〇さん?w」と知らん女が私を見に来たこともあります。


そんな私の大学生くらいまでのモットーは、「人に弱みを見せたら負け」でした。


弱みというのは、言い換えれば「自分の不器用なところ」。
いわば「個性という名の短所」です。

いじめられると、自分の価値観が強制的に歪められると私は思っています。

「いじわるしてくるアイツウザすぎ」
と考えていたものが「自分が悪いからいじめられるんだ」という考えになっていく。
そして「自分である自分」をこれでもかというくらい憎むようになる。
 
そうなると、「いじめられない人間になりたい、いじめられない『普通の』人間になりたい」と強く思うようになります。
だから、とにかく人間から嫌われない方法を自分で編み出すようになる。

 
・笑顔で好印象にしとこう。根暗はバカにされるから(しかしよく失敗してヘラヘラするようになる)

・大袈裟にリアクションしとこう。いじめられるなら道化の方が好かれやすいから。

・変な意見は言わないでおく。空気読むのが1番大事。

・とにかく肯定する。合わない人がいても笑顔でフェードアウト。ぶつかり合うなんて絶対にしない。



何故なら本来の自分だといじめられるから。

そう考えると、自分を押し込める鎧なんて被って当たり前じゃね?と思うんです。
そして環境が変わりいじめられなくなったとしても、その呪いはずっとずっと続きます。


 
また、いじめっていつされてもその後の人生に大きく影響を与えますが、私は中学〜高校のいじめが1番ヤバいんじゃないかなと思ってます。

中学は周りの人間や自分の在り方を意識する本当に多感な時期。中二病、なんて言葉も有名ですね。良い思い出があまりない人も多いんじゃないでしょうか。

個人的に私は最も人間が面倒になる時期だと(勝手に)思っていて、
・4割の人間はイキリに、
・もう4割の人間は拗らせ陰キャに、
・残りの1割はイキリ拗らせマンになるというのが自論です(残りの1割が変わらない貴重な人間)。

人と比べるようになり、承認欲求も生々しくなり、ストレスを受けやすくなる中学生時代にいじめられることは本当に残酷なんです。


ちなみに私は残り1割のイキリ拗らせマンという最悪の立ち位置でした!
それらはいじめられて自覚したので、今思うと3割くらいしょうがないよなって……思うけど許してませんよ


いじめられた人間はせめて「普通」になりたいのだ

ミキティが散々視聴者から言われていた「引き出しがない」「深みがない」は、「そりゃそう、ミキティはそれを敢えて避けてるんだから」と思いました。

さっき上げたような対応をするとそうなるんです。
萌子さんみたいに最初から自分の人間性をアピールし、相手の人間性も掘り出すなんてできない。
だって出すのが怖いので。
だから「相手が自分のことを好き」って分かったら、私も言おうかな、みたいな恋愛姿勢になる。
(だからめちゃくちゃ分かります)

これが結局、マクファーを選び続けた理由でもあると思います。
マクファーのお母様も、「この子は嘘がつけない」と本心らしい後押し。一回いじめられてちょい人間不信になると、どんなに「素」らしく振る舞えてもずっと本当かどうか疑っちゃいますからね。
ミキティも嬉しかったんじゃないかな。

そして「マクファーのアプローチ」に芯があったのも大きかったのでは


本当にね、いじめられている人間は普通になりたいんですよ!
「自分はいじめられる、普通じゃない」って思うことは本当に辛いです。

例え誰にやられたとしても、「大多数の中から選ばれるくらい、自分はいじめられるぐらい価値の低い人間なんだ」と思って過ごすのは本当にキツい。

これは「人に負けないための鎧」をつける理由には十分すぎるんですよ。
 
 

ミキティとお母さまを見て


幸いにも、私は母親との関係がそこまで悪くなかった。

まあ良くはなかったのですが……
ちょっと厳しくて理想が高く気分屋だった母は当時めちゃくちゃ苦手でしたが、大事な自分の決断を頭ごなしに否定されることは決してありませんでした。
今ではケンカもし仲直りもし1番の味方になりましたが。
 

けど、ミキティはどうでしょう。
子供を褒める人に対し「いやいやいやとんでもない」と言い、29で経営者にもなった娘に「未熟だから私が色々判断しないと」と考えるようなお母さまの元で育ったミキティ。

ミキティが円形脱毛症になるまでいじめられたことを言えず、更には「悲しい顔をさせてしまった」と言わせてしまった家族の対応はどんなものだったんでしょうね。

これは完全に想像ですが、7歳差、10歳差の弟妹がいるってことはミキティがいじめられた時弟たちは6歳と3歳ぐらい。
育児としてめちゃくちゃ大変な時期であることは間違いなく、もしかしたらミキティのことが二の次になっていた可能性もあります。
自分が辛い状況にあるにも関わらず、親は弟たちの世話で手一杯。
こうなると、親には頼りにくくなる。
私もいじめられたことは親に10年以上経ってからしか伝えられませんでした。

これには私にも心当たりがあり、あまりに構われなさすぎて親に「私っていらない子?」って吹っかけたこともあります。
(そんな訳ないのにね。怒られました)

ミキティが今までどれだけ苦労したか、どれだけ悩んできたのかは明確に語られてはいません。
でも、色々考えてしまう理由としてあのお母さまの言動は十分じゃないでしょうか。

ただでさえ武装しがちな長女なのに、人間不信になるようなことも起きて。29になる娘に「未熟な娘だから私が判断しないと」と言ってしまうお母さまの元で育って。
 
そんな育て方をされたら、自信なんて簡単に喪失します。

 




今回は「鎧」というテーマが番組的にも、ミキティの中でも主軸になっていましたね。

最初は「経営者である強い自分」の鎧だと思っていました。みんなそう思っていたんじゃないかな?だから友達のように素で楽しめる長谷川さんが選ばれると勝手に思っていた訳です。

だがしかし、本当の鎧は「長女かついじめられていたことによる対人関係の武装」
 友達のような居心地の良さではなく、全てを受け入れてくれる居心地の良さ故に最後の決断がされたんじゃないでしょうか。
 
ミキティと同じ境遇を経験した人間である私にとっては、最後の最後でバチェロレッテ2の本質が見えた気がするんです。

一応言っておくけど私はこんな美人じゃないしただの平社員です…………



 
 

萌子さんへの手のひらくるくる

バチェロレッテ1が終わった時のこと、覚えてますか?
賛否両論とはまさにこのことで、「萌子さんらしくてカッコイイ!」「頑固すぎんだろ!」という意見で二分されててマジで面白かった。
 
だからこそ、今回萌子さんのすばらしさを借りてミキティを落とす人の多さに割と驚きました。

「萌子さんだったらこの人選ばない!」
「萌子さんはちゃんと中身を見てた!」
「萌子さんだったら絶対人間性を掘り下げてたから面白かった!」とか。

確かに事実だしそうだとは思うけど、ミキティを落としたいからといってそんな過剰に持ち上げなくてもいいんじゃないか?と。

萌子さんにもミキティにも個性と言う名の人間性があって、最終回が終わって自分の「○○さんが選ばれて欲しい」という気持ちが裏切られたからと言って萌子さん絶対主義者になるのはどうなのか?

萌子さんだからこそ1は面白かったと思う。確かに2は物足りなさはあったよ!分かるよ!
でも、人間性で比較してミキティを落とすのは違うんじゃないかな。

あと、「2作連続で男が選ばれない」なんて起きたら番組が成立しないからね。


最後に

私も最終回までは「こんなもんかぁ」と思っていたバチェロレッテ2。
推しも落ちるわ、ミキティは分かりやすいわで、批判的に言われる理由も何となく理解してました。

でも、思えばバチェラー好きは結構波乱なシーズンをここ最近見てきました。

SNSで匂わせ、あゆ姉を選んだ後裏切っておめぐを選ぶという胸糞回のバチェラー3。
最後で誰も選ばず、トークスペシャルではギッスギスだったけど参加者の深みが凄かったバチェロレッテ1。
SNS匂わせで惑わされ、チューとお泊まりで心を乱され続けたバチェラー4。

ちょっと刺激物が多かったので、一旦バチェラー1のような王道を走る番組もここらで挟まないとね……


……と、最終回マクファーが選ばれる前まではそう思ってたんですよ。笑
今回はたまたまミキティに感じるものがあったので、私にとっては今までと違う見方ができてとても見応えがありました。

ミキティとマクファーが今後どうなるかは分からないけど、2人にとって素敵な結末になると良いな。

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