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Usuke 〜アメノウズメ〜日本神話

女神のパワーオラクルカードを神話から個人的見解で読む

口開き、笑い、ユーモアの女神

物事に行き詰まったとき
緊迫感の漂う空気の中

笑いは大きな力をもたらせてくれます。
笑いには人を感化する力がある。

気難しく構えて見える人も思わず笑い
そこから お喋りが生まれ
束の間の連帯がやってくる。


本来人は孤独な生き物なのだから
せめて大勢の中では笑ったり挨拶を交わしたり冗談を言ったりして束の間の楽しさを共有しましょう。


難しく考えず

所詮人は孤独なのです。
独りで生まれ そして独りで死んで行く
誰一人例外なく道連れはいない。


孤独であるならば
せめてひと時の共有する時間を笑いと
楽しさのエネルギーを交換し合いましょう。


誰もが口を切ってくれる人を待っている。


みんな器用にやっているようで
本当は寂しいのだ。

このカードを引いたあなたは
笑顔の火付け役です。



*神話的背景

時に慈しみ、時に躍動する【女神】/女神


日本神話の最高女神アマテラスが弟のスサノオウの乱暴のせいで岩屋に籠った時、アマテラスを外に引き出すために重要な役割を果たした。

衣をはだけて踊って、神々の間に「笑い」をもたらしたのだ。

ほかに、サルタビコという国津神の正体を問いただしたり、海の魚たちを天孫の食べ物として従えさせるなど、さまざまな働きをした。


アマテラスの岩屋籠りとアメノウズメの働き
アマテラスが岩屋に籠ると、太陽が隠れて世界中が暗くなり、邪(よこしま)な神々が跳梁するようになり神々を困らせた。そこで神々は相談して、祭りを行うことにした。この祭りの中で、アメノウズメは裏返しにした桶の上に立って、衣をはだけて踊った。すると神々は大笑いした。


それを聞いたアマテラスは、太陽神である自分が岩屋に籠って皆は困っているはずなのに、どうしてこのように笑っているのかと不審に思い、岩屋の戸を少し開けて外を見た。


そこに神々が鏡を差し出し、「あなた様より貴い神様がおられます」と言ってアマテラス自身が映るようにした。アマテラスはその鏡を見るために少しだけ岩屋から身を現わした。そこに控えていた力持ちの神、アメノタヂカラオがアマテラスの手を取って外に引き出した。こうして神々はアマテラスを岩屋から引き出すことに成功した。



ここでのアメノウズメの踊りは、アマテラスの岩屋を開けさせる働きをしたわけだが、その前にも、神々の口を開いて笑わせた、ということなので、この女神には「何かを開く」という機能があるものと思われる。


ほかに何を「開いた」のか
そのことは別の場面にも表われている。アマテラスの孫であるホノニニギが天から地上に降っていく時、輝く神が道をふさいでいた。誰が聞いても正体を明かそうとしない。そこでアメノウズメが遣わされて、その神に名を名乗らせた。神は「猿田彦(サルタビコ)という名で、天孫の先導をしにやって来たのだ」と言った。


ここでもアメノウズメは、猿田彦の閉ざされた口を開けさせ、名乗らせているので、口という開口部を開かせる役割をしている。


もう一つ例がある。天孫ホノニニギはアメノウズメに、先導の役をしたサルタビコをお送りしなさいと命じ、またサルタビコの名を負って、天つ神の御子にお仕えしなさいと命じた。それでアメノウズメを祖神とする猿女君(さるめのきみ)たちは、サルタビコ(猿田彦)の名を負っているのである。そのサルタビコは、阿耶訶(あざか)にいるときに、魚を取っていて、ひらぶ貝に手をはさまれて、海水に沈んで溺れて死んでしまった。


アメノウズメは、サルタビコを送って帰ってくると、ただちに大小のあらゆる魚を集めて、「おまえたちは、天つ神の御子の御膳(食べ物)としてお仕えするか」と問いただすと、多くの魚たちは「お仕えします」と答えたのに、ナマコだけは返事をしなかった。


アメノウズメはナマコに向かって、「この口は答えない口か」と言って、小刀でその口を裂いた。だから今でもナマコの口は裂けている。
アメノウズメは、ナマコの口を裂いて開ける、という「何かを開く」働きを、ここでもしているのだ。


ギリシア神話での類似点
アメノウズメのように、衣をはだけて笑いを誘発した話は、ギリシアに似た話がある。大地の女神デメテルが誘拐された娘のペルセポネを探して旅をしている途中、バウボという女性の家に招かれたが、デメテルはバウボのふるまった食べ物も飲み物も口にしなかった。するとバウボは衣をめくって陰部を見せた。女神は苦笑して、食事を口に運んだのだという。
アマテラスの一連の話と、ギリシアのデメテルに関する一連の話には、他にも似たところが多く見つかっており、何らかの系統的な関連が示唆されるところである。

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