23時のわすれもの #49


1日の終わりの時間、布団の中でごろごろしたり、帰宅中の電車だったり、友人と飲み交わしていたり。


そんな各々が好きに過ごす時間、わたしの、そのときどきの気分でおすすめの日用品や食べ物などをご紹介しようと思います。



流れてきたのは金の絹織物。

今日ふと、こんなツイートが目に留まりました。


「暮らしの中にきらりとひかる一品を」

”金襴”という、金糸を使い模様を織り出す職人の集団、西陣岡本。西陣織の良さを守りながら、新しいテキスタイルを提案しています。

じつはこの金糸、非常に手間がかかっています。まず和紙に漆を塗り、金箔を貼り、湿度を保たせて乾かします。文字で書くと一行ですが、この金箔をはる作業が気の遠くなるほど神経を使います。金箔の薄さはおよそ一万分の1~2mm。書いてて自分でもよくわからなくなっていますが、一万分の1mmなんです。だから少しでもずれると破れますし、しわが入ります。というかそれ以前に金箔一枚を掴むことすらままなりません。ひえ~。以前金箔を貼る職人さんに話を聞いたことがありますが、掴むだけでも数か月、貼る作業は何年もかけてようやく身につくのだとか。そう考えると、この作業だけでも何年もの月日をかけてようやく形になることが分かります。

次に、細く切り薄い糸にして一本一本織るときに引き入れて金の織物にします。細い絹糸に丁寧に金箔糸を巻きつけると金糸の出来上がりです。

文字だと分かりづらいため、気になる方は動画をご覧ください。


この金襴の織物、絹のあでやかさと金糸の美しさを特に感じられるのは、明るい昼ではなく暗がりの広がる夜の時間。ほの明かりを集めて輝く金襴の美しさは、確かに想像しただけでもきれいなのだろうと思います。例えるならば夜にみる蛍の美しさでしょうか。


デザインもクラシックで、着物にもドレスにも映えそう。きっと光の当たり方で表情もぐっと変わるんでしょうね。


こうした職人の技を見ると、日本人でよかったなあ…と感じます。実物をみたらその美しさにため息がでそうです。


中々日常でお目にかかる機会は少ないですが、こうした本物に触れる機会を自分でも作っていきたいなと、感じたツイートでした。



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