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久しぶりにモヤっとした話

こんにちは、カナダ生活2年目のMariです。(YouTubeはこちら

今月から、記事は月の前半と後半に分けて2回更新の予定でしたが、早速『号外』を書きたくなるような出来事があったので執筆していきます。モヤっとした出来事は記事の終わりの方に出てきますので、順を追って読んでみてください。

前回の記事はこちら

1.さそり座期からいて座期へ

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本題に入るまでに、この1ヶ月の基本的な雰囲気を話したい。風の時代に入って、目に見えないこと(宇宙やスピリチュアルなこと)が前より当たり前になってきたのを感じている人も少なくないだろう。

私は専門家ではないが、12星座の基本的な知識は知っている。隣り合う星座同士は相反する性質をもつのだが、いて座の私にとってさそり座の季節(10月下旬~11月下旬)はとても過ごしにくかった。本日11月21日(日本時間22日)は、約1ヶ月さそり座に滞在していた太陽が、いて座に移る日。私が普段読んでいるメルマガによると、

太陽が射手座へ移動。ディープな変容の季節からおおらかでアクティブな季節へのバトンタッチですね。

なんだそう。そう、さそり座というサインは「生と死」だったり、「前世」だったり、その意味が深くてちょっとやそっとじゃ理解しがたいものだ。(少なくとも私にとっては)私が今まで出会った太陽星座さそり座の人も、どこか侵しがたい雰囲気のある人が多く、ミステリアスな人が多かった。

そんなここ1ヶ月は、私も「自己を見つめなおす」ような時間を過ごした。詳しくは前回の記事を参照いただきたいが、自分の深い部分に気づくような、また修行のような時間であった。


2.深い話ができた午後

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(写真はイメージ)

バンクーバーの憂鬱な空と日照時間の短さがたたって、winter blue(いわゆる季節うつ)になる日が続いた。ハロウィンを境に体調を崩していたのもあり、ここ2週間ほどは友達からの誘いも断って、週末は人と会わずに静かに過ごした。今思うと、あれは必要な時間だった。休みの日には10時間以上寝たし、今の気持ちを書き出してみたり、静かに映画を観たり、魂に栄養をあげるような時間。太陽さそり座期最終日だった昨日、以前一度お茶をしたインド人女性と会う事になった。彼女もアメリカ、シンガポール、日本とあちこちで暮らしてきた同世代の女性である。カナダへはPRをとる夫に帯同して来たんだとか。

そんな彼女とは公園で待ち合わせ。曇り空の中を30分ほど歩いた。彼女と会うのは1ヶ月ぶりくらいだろうか。冒頭10分ほど質問攻め(笑)。最近英語で長時間話していなかった私は、頭をフル回転させながら彼女の質問に答えた。

「最近どうしていた?」「仕事は順調?」「ホリデーの予定は?」「カナダ永住権は申請するの?」などなどだ。こんなにもポンポン質問が湧いてくるのは彼女の才能かなとすら思う。

しばらく話しているとディープな話へ。いわゆる、「人生観」みたいなものだろうか。

彼女「インドで育ってきて、いつも親の期待にそって生きようとしてきた。大学で勉強したことと違うことがやりたくなって、でもそのやりたいこともどんどん変わっていって、自分でダメだなって責めることが多かった。でも、ある時思った。それでいいじゃん」って

「本当そうだよね。私もここ1ヶ月は自分で静かに内面を見るような時間だったの。季節うつみたいな症状もあってね。それで思ったの。本当にカナダ(バンクーバー)に住みたいのかなって。誰かにとってはいい場所でも、それが私に当てはまるとは限らない。だけど、無意識でせっかくここまでやってきたのに、って他人軸で考えてしまってたみたい。それに気づけて、どっちに転んだっていいじゃんって思えるようになった」

彼女「そうだね。私たちの文化ってどうしても周りの目を気にして判断しているようなところがあるよね」

「そうそう。でもさ、"Who cares?"(誰が気にするの?)なんだよね。だって私たちの人生だからさ。20代の頃の思考パターンと今はそういう意味ではだいぶ変わってきたかな。」

2人ともスピリチュアルなのもあって、とても深い会話ができた。これもなんだか蠍座っぽいなぁって後から思ったり。


3.視点を変えれば、見える世界は変わる

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(写真はイメージ)

その後、彼女が旦那と住むコンドミニアム(高層マンション)に移動してケーキとお茶をいただきながらお互いの価値観について更に話した。2人で東京の都心に1年ほど住んでいたこともあるらしく、旦那さんとも初対面ながら気軽に話すことができた。30階を超えるコンドからの景色はとても素敵だった。特に日が落ちたあとキラキラした遠くの光を一望できるのには感動した。7月くらいから出会った人の家に招いていただくことが何度かあったか、皆素敵なタウンハウスやコンドに住んでいて、私もベースメントからの引越しに夢が膨らむのであった。やはり、普段どんな景色を見ているかは自分の潜在意識を発揮できるかにもつながると思う。

フローリングの床には髪の毛1本も落ちてなく、「なんでこんなキレイなの?」と聞くと、「私かなりキレイ好きなの。ちょっとクレージーかも」という彼女。それもそのはず、彼女Virgo(乙女座)だもの。乙女座はキレイ好きで几帳面なことで知られている。

3つの部屋のうち1つはメインベッドルーム、1つはゲストルーム、もう1つはオフィスとして使っていた。家賃を聞いてビックリしたけど、日本で都心のタワマンにも住んでいた2人からは「こんなもんだよ」とのことだった。旦那さんからは、「MariもITに興味があったらやってみたら?学位がなくてもかなりいい給料がもらえるよ」と。私は、「右脳人間だからコード書く、とかときめかないんだよね。確かに魅力的な金額だけど・・・」と。お金は大事だけど、お金のためだけに働く人生にはときめかないのだ。

楽しい時間はあっという間に過ぎた。「今度は泊まりに来てね」と言ってくれた。素敵なお家に住んでいる二人は、マインドリッチでもあった。


4.久しぶりのワークショップ

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(写真はイメージ)

ここ数ヶ月、ワークショップになんて参加してなかったのだが、以前から興味のあったSound bath(サウンドバス)というものに参加することにした。

こちらのウェブサイトによると、

サウンド・バスとは、のめり込むように全身で音を聞く体験のこと。心と身体のバランスを整えるため、音を使って、自身を穏やかでパワフルな“治療”と“回復”プロセスへと導くのです。

なんだそう。「音浴」「音による瞑想」といえば分かりやすいだろうか。

90分間、用意されたヨガマットに横になって、色々な音が奏でられていくのを目をつむり、リラックスして聴いた。中には眠りについていびきをかく人も(笑)割とあるようで、講師の人が初めに「もし隣の人がいびきをかいたら、"gentle nudge"(軽く触れて)で起こしてあげてね」なんて言っていた。

音は、10種類以上あっただろうか。この日の私は脳内の思考が忙しくて、眠るほどリラックスはしていなかった。チャイムを鳴らす音、波の音、ちょっと心地の悪い低温、リコーダーのような笛の音など。目を用意された布で隠していたので何が行われていたかの一部始終は分からないが、体感としては「体の全細胞が共鳴して動き出している」といった感じ。途中、満腹でも空腹でもないのに胃腸が活発になって音を出したり、熱くないのに鼓動が早くなっていくのを感じだ。1時間のヨガをした後の瞑想のように完全にリラックスしている、というよりは、聴覚が常に刺激されているので、いつもと違った世界観に浸る、という感じだろうか。

もう一度やりたいかどうかは分からないが、経験としてやってみる分には面白かった。奏でる楽器の種類やその日の心のコンディションによっても感想は異なるかもしれない。


5.モヤっとした話【カウチサーフィン】

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旅慣れた人なら聞いたことがあるだろう、カウチサーフィン。私も今から4年ほど前に友人から教えてもらい、過去何度か使ったことがある。誤解を恐れずにいれば、「見ず知らずの人の家のカウチ(ソファ)に泊めてもらう」という、9割の日本人が「ありえない」というようなサービスだ。

実際に私も教えてもらい、自分で体験するまではそう思っていた。
過去にオーストラリアで2件、イギリスで2件使ったことがあった。基本的にはAirBnBやホステルに宿泊することが多いので、行きたいエリアに目ぼしい宿泊施設がなかったり、あとは現地に住む人との異文化交流の目的で使ったりした。もちろん、他人に泊めてもらうわけだからリスクは伴う。一人暮らしの男性の家に年ごろの女性が一人で泊まって性的暴行を受けたり、または女性に限らず金品を盗まれた話もある。だから、私は誰にでも勧めるつもりはない。これはデーティングアプリを使うリスクと同様、個人の裁量に任される。

そんな中、サウンドバスのワークショップを予約した時に、「どうせなら数年ぶりにカウチサーフィンを利用して、現地の人と交流したいな」と思ったのだ。基本的にはサイトでホストを絞りだし、彼らのレファレンス(過去の利用者からのコメント)を読んでリクエストを送る。4人くらいにリクエストを送り、そのうち2人からは1週間以内にOKの返信があった。最初にOKを出したホストの家に泊まらせてもらうことにした。

始めてにいうが、性的暴行や金銭被害にあったわけじゃない。あくまで「モヤっとした経験」として記しておく。結論からいうと、彼の家には泊まらずに自分の家に帰ってきた。その理由は「ここにいたいと思わなかったから」だ。理由は以下の通り。

1.連絡のやりとりが雑

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連絡のリスポンスは早いものの、連絡していて「おや?」と思うことがあった。「〇時に着くけど、遅くない?」に対して、「夕方まで〇〇と一緒にいるから、遅い方がいい」とか、体調崩していたしお酒はあまり飲まないと何度か伝えているのに、当日に「友達と飲みに行くんだけど、一緒に来る?まだはっきりしないけど」とか言ってくる。フレキシブルで社交的といえば聞こえがいいのかもしれないが、「結構適当だな、この人」という印象を受けた。文面からフレンドリーさがないというか、「要件だけ伝えてくる人」って印象だった。

実際に家に着く前に連絡すると、「ドアロックしてないから、自由に入ってきて」と。「着いたら電話しようか?」と聞くと、「勝手に入ってきていいよ」と。ホテルでもエアビーでもないから、もてなしてとは言わないけど、かなりの放置プレイ。この辺りから黄色信号に。

2.居心地の悪い空間

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実際に家にお邪魔すると、既に2人先客が。全員20代から30代で、カナダ人男性2人、子供の頃に家族と移住してきたという女性一人。ホストは紹介してくれるでも、「ようこそ」でも、「ジャケットはここにかけてね。トイレはここ」と気を配るでもなく(少なくても過去のホストはもっとアコモデートしてくれた)、先にいた金髪の女の子とイチャイチャしている。先客2人は色々と質問をしてきたが、ホストは我々の会話に入るでもなく、金髪の女の子にお酒を用意したり、スマホをずっといじっている。滞在した1時間の間、私には水すらオファーされず。「トイレを借りていい?」というも一緒にいた女の子が「ごめんね、紙切れてるからこれを使って」とキッチンペーパーを差し出してきた。「あ、うん。でもこれ流せないよね?」というと、「そうね。ゴミ箱に・・・」と。いや、それは100歩譲ってよしとしても、なんだこの空気感。すでに居心地が悪い。

戻ってきて、女の子から色々と質問。「今日は何したの?」「カナダに来てどれくらい?」など。この子は割と話しやすかった。隣にいた男性は、ホストのルームメイトを訪ねて遊びに来ているんだというが、話している間にも何を考えているのか分からない。会話もちょっと怪しい。ファームに住んでいるらしく、あまり社交的ではないのかな?って感じ。その女の子の母国(南アメリカ)がどんなに危険かって話とか、ファーム男性がカナダでの狩猟の話とかして、全体的に明るい会話ではない。この間、ホストの男性はほぼ会話に参加せず。大人しいというよりは、私たちの話に興味がないといった感じ。

3.もてなす気ゼロ

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途中から、一人でカードをテーブルに並べ始める。カードゲームが始まるようだ。一通りルールを説明し終えた時には、私は既に帰りたかった。「スマホ充電していい?」というと、「あちこちにプラグあるから、好きなとこ選べば」とそつがない。むしろRude。別に気にさわるようなことはしてないから、彼の元々の気性なのだろう。ちょっと変わった人だ。ゲームに関して、「ルールがよく分からないから、私は最初のラウンドは見ているわ」というと、「え、これ4人いないとできないから、参加して」と。え?これ強制なわけ?この1時間が既に3時間くらいに感じているわけだけど、ここへ来て「あ、ここには泊まるべきじゃない」って直感的に思った。

ただで泊めてくれるからと言って、義理を感じていたくない人とやりたくないことをする必要なんてない。

すぐさまスマホで帰りの交通手段があることを確認して、適当に言い訳をした。「ごめん、ちょっと用事ができたから帰るね」ホストは何も言わず。残りの2人が1時間の会話から「仕事上手くいくといいね」「カナダには後どれくらいいるの?」などと足早に聞いてきたからサクッと答えたけど、私はこの居心地の悪い空間から1秒でも早く出たかった。帰りの電車の中でもモヤモヤしたけど、それは泊まらないことを決めたモヤモヤではなくて、「あの人、なんであんなに横柄だった(に見えた)んだろう」というモヤモヤだ。そんなの考えたところで分からない。彼の問題を私が解決する必要はない。

一緒にいて心地よくない

これだけで、その場を離れるには十分だった。サウンドバスの後で早く眠りたかったし、自分がどこに泊まるかも分からない中で無駄で楽しくないと分かっている時間を過ごしたくなかった。普通のホストだったら自分から聞くけど、そこには質問しがたい雰囲気があった。何より、そこにいたくなかった。この辺りは言いずらいかもしれないが、過去5年で色々な経験をしているので、自分の直感に従うことの大切さを知っているからだ。誰に気を遣って自分を後々傷つけるよりも、今の感覚を大切にして一瞬気まずい方が後悔しなくて済む。それを経験上知っている。

深夜12時すぎに家に着いて、モヤモヤしてしばらくは眠れなかった。だけど、朝起きて思った。「あぁ、本当に帰ってきてよかった」と。身の危険は感じなかったけど、好奇心でそのままいたら何が起こっていたか分かったもんじゃない。

カウチサーフィンを使って初めてビミョウな体験をしたのだった。人生にはリスクが伴う。リスクをとったから今まで知らなかった素晴らしい景気が見れたり体験ができるのは間違いない。だが、リスクをとるということは時に痛みを伴うことを忘れてはならない。そんな教訓となった出来事だった。


おわりに

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思い返せば、ハロウィーンより少し前からのこの1ヶ月は、とったリスクがことごとく裏目に出るような出来事が多かった。怒り、失望、悲しみなどの負の感情と向き合うことも多かった。けれど、太陽がさそり座からいて座に移動する今、それは全て変化のために必要な試練だったように思う。

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現に、この一ヶ月で世界のとらえ方というか、対自分、対人、対世界の考え方がゆっくりと変容していったように思う。「自分には変えられない」と思っていたことが、実は変えられることに気づいたり、「行き止まりに来てしまった」と思ったら、実はすぐそばに抜け道があったり。

ずっと地面を歩いていたのに、高いところに行って自分がいた場所を俯瞰(ふかん)したら、実は見えている世界は可能性のほんの一部でしかないことに気づけた、そんな感じ。ないない、って足りないところにばかり目が向いていたけど、実は自分の未来を選択していける自由や可能性に気づけた、そんな期間だったかもしれない。

とても地味で、ワクワクしない1ヶ月だったかもしれないけど、それは次につながる伏線だったのかも。最近、遅ればせながら「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観たのだけど、最初のかなり長い尺をとってシンジが塞ぎこんでいる描写があって。あれって人によれば「あんなに長い尺いる?」って思うかもしれないけど、あれがあったから後半の説得力が増すわけで。私が過ごしたこの1ヶ月を形容するなら、まさに「吹っ切れる前のシンジ」だったのかもしれない。

おまけ

最近読んだ面白い記事

『What I’ve Learned From Dating Every Sign of the Zodiac』

牡牛座女性が、異なった星座の男性とデートした経験をまとめたVOGUE掲載の記事。(英語)

最後までお読みいただきありがとうございました。

2021年11月21日
カナダ(バンクーバー)より

Mari

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