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当店の抹茶の選定基準。

当店で扱っている抹茶はまだまだ種類が少ないです。

でも言い方を変えれば、「少数精鋭」!なんです!

これらの抹茶をどうやって選んだのか、ちょっとお話させて下さい。

無農薬抹茶のおいしさ・貴重さ、再発見

これは2018年、12月の暮れのこと。

久しぶりに京都を一人で散策し、ふらりと下賀茂神社に入った時。

たまたま開催されていたマルシェで覗いたブースでふと発見した無農薬抹茶に、私は感動を覚えました。

それまで家でずっと飲んでいたのも無農薬の抹茶だったので、なんとなく安心して飲めていいなと特に疑問を持ったことはなかったのですが、自分の飲んできたもの以外の無農薬抹茶を見つけたのは、その時初めてだったのです。

この出来事をきっかけに、私は無農薬抹茶は実はとても珍しいのでは、ということに気づき始めます。

そして買って帰ったその抹茶が感動的なおいしさだったことをきっかけに、抹茶探しの旅が始まったのです。

お店をはじめよう

「探して手に入れるのが大変なら、自分で店をつくってしまおうか」と心に決めたのは、その後まもないことでした。

ざっと検索をかけたところ、ブランドを超えて無農薬抹茶を専門に取り扱う店はその時点ではありませんでした。

となると、個々で売られているということです。

「無農薬 抹茶」「有機栽培 抹茶」「抹茶 農薬不使用」

何度もキーワードを変えて検索結果の一番下まで丁寧に見ていって、茶園のページも一個一個見て、数日かけて無農薬の抹茶を作っていらっしゃる方をおよそ30件みつけることができました。自分が知っていた二軒以外にこんなにあったのかと驚くと同時に、全国で30件しかないのなら全部一度飲んでみるべきだと思いました。

調べ上げたリストの片っ端から抹茶を取り寄せて毎日試飲し、味の感想・特徴を書き留めました。渋味が強いもの、色が黄色みがかっているもの、驚くほど甘みが残るもの・・・抹茶は苦み・旨味だけでは語れないほど豊かな味わいで、ひとつとして同じ味のものはありませんでした。茶葉にかなり種類があることも、真剣に飲みくらべをしたなかで学べたことです。

実際に今取り扱っているのは、試飲をした中で特に美味しかったものを上から順に選んだものです。

なので心から自信をもって、美味しい抹茶を販売させていただいています!

無農薬抹茶のよさ

一口に無農薬抹茶といっても、一つ一つ味が違うのですが、ひとくくりにしてどうこう、というのは難しいです。

でも飲みくらべをしていて一つ気づいた傾向があります。

それは、「後味に深い甘みがある」ことです。

普通に育てられた抹茶で後味に残るのは「旨味」です。抹茶が高級になればなるほど、旨味が強くなります。

しかし無農薬の抹茶を飲んで感じた甘みに、私はそれ以上の価値を感じました。「茶葉って、こんなに甘かったんだ」とシンプルに驚かされるし、長いものは甘みのロングランが飲み終わってから五分間も続きます。

そして、どっしりとした苦みがなく、軽い飲み口のものが多かったことも印象的でした。

今まで、「抹茶=苦い」という世間的なイメージが当たり前でした。人気のある抹茶スイーツ、抹茶のお菓子、抹茶ラテも全部砂糖の甘みが足されているものです。

でも茶葉の甘みが強い抹茶なら、砂糖を足さなくても、そのままの甘みでおいしいし、その甘み自体が強い価値です。苦みも少ないときたら、無農薬抹茶は世間の抹茶のイメージを覆せる存在なのでは。

その強い可能性を信じて、私はこのお店で、抹茶のイメージを変えよう、と決意できたのです。

抹茶を「飲み物」として味わうことももっと楽しんでもらえる世の中をつくろうと志せたのも、無農薬抹茶だったからこそなのです!

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