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介護でいちばん大変だと思うこと

前回は89才の母を話題にした流れで、介護について話すことにしました。

介護でたいへんなこと

介護でたいへんなこと。
病院への付き添い、服薬管理、食事の世話、お風呂の介助、排せつ物の処理、迷子になられて探し回る苦労、経済的な負担。

ぜーんぶ、たいへん。

なかでも どれが負担? というと、それは 人それぞれ。


お金の管理と、食事や排せつのお世話、どちらがたいへん?
…と聞かれても、それは状況によります。
というより、やらなければならないことは、介護する側の意思とは関係なく、状況次第で決定してしまいます。

船橋おくすり舎のお客様にも、店主の私の友人にも、介護経験者や、今 介護の真っただ中 という人が何人もいます。
店主に会いにいらっしゃる方の多くが、介護のツラさを語られます。

最初は
お風呂やトイレの介助のたいへんさや、外出先で迷子になってハラハラしたとか、そんな話から始まります。
ですが、そういった話は すぐに終わります。

介護の話の終着点

話が続くのは、その先です。

介護される側と 介護する側の間に、気持ちの距離がある。

あるいは、主に介護を担っている人と、それ以外の人との温度差。

介護を担っているお客様の お話は、最後は必ず そこに向かいます。
介護者の本当のツラさは、そこにあります。

つまり、介護する人にとって いちばんやりきれないのは、自分と 自分以外の人(これには 「介護される人」も 「介護にほとんど手を出さない人」も 含まれます)との間に 良い空気が流れないと感じる時です。

「分かってもらえない」

これはキツいです。

介護する人が 介護される人から罵倒されたり、
あからさまに「信頼できない」といった意味の言葉を言われたり。

あるいは、あまり介護に関与してこない人から、
上から目線のアドバイスをされたり、
逆に 見当違いなお礼の言葉を言われたり。

言っている本人は 100%善意で、良かれと思って言っているので、それで介護者が傷つくなど 想像もできません。


介護者が救われるには

では、どうすれば介護者当人は救われるでしょうか。

おくすり舎店主に話をしているのは、介護している当人であり、
その人を傷つけている人を 私は知りません。
知らない人に対して、私が 直接何かを言うことはできません。

では、介護者当人は、店主に愚痴を聞いてもらって一時的にすっきりして、翌日からは、元の生活に戻るしかないのでしょうか。

それでも いいの、それだけでも、また翌日から頑張れるから
と言われても、店主の私は、もうちょっと、何かしらお役に立ちたいと思っています。

ですが
状況は ひとによって違いますから、「これでOK!」という絶対的な解決方法はありません。


私がただ一つ言えること

ただ一つ 私が言えるのは、
介護する人は どうか、人を巻き込む勇気を持ってほしい、ということです。

介護を担っている人の多くは、おそらく自分から張り切って「やらせて!」と手を挙げたわけではなく、成り行きで「介護者」という立場になってしまったのではないでしょうか。
あるいは 半ば押し付けられ気味に、義務としてやることになった人も少なくないと思います。

その方たちに伺います。
ツラいことが重なっても、「私が我慢すれば」と思って、歯を食いしばってやり遂げてしまっていませんか。
その上、周りを気遣って、
「このくらい大したことない」みたいなポーズまでとっていませんか。

あなたたちは とてつもなく我慢強い人たちです。

今、もし、介護でツラい思いをしている方が これを聞いていたら、
・周りを気遣うことを 止めてください
そして、
・周りのだれかに「これ、やってくれないかな」と 具体的にお願いする
ことをお勧めします。

周りの人たちにも、何かしら手伝いたいと思っている人はいます。
ただ 「少しは手を貸して!」と言っても、その人たちは何をしたらよいのか分かりません。
ですが、「〇〇をやってほしい」と言えば、頭の中に「○○をしている自分」が想像できます。
そうやって、周りの人を介護に参加するように仕向けると、空気は変わってきます。


「長男の嫁」の呪縛

今から10年以上前、私は義理の両親の介護を経験しました。
といっても、同居してお世話したわけではありません…というと、
“なーんだ、介護してないんだ”
と言われることも よくありますが、

一緒に住んでいなくても、お世話をすべきことは いっぱいありました。
離れていながら お金の管理やいろいろな手続き関係も引き受けたし、
仕事を休んで通院に付き添うこともたびたびでした。

「長男の嫁」という立場で自分を縛り付けた私は、全てのことを引き受けて、挙句に「誰も分かってくれない」と傷ついていました。
表情も体もこわばり、浅い呼吸しかできなかったことを思い出します。

あの頃の私に声を掛けられるとしたら、
「あの人に これをやってもらいなさい」
「この人に こんな役割を振ってみなさい」
と言ってやりたいと思います。

その当時の私は、周りの傍観者たちに 何をどう頼めばよいのか分かりませんでした。
今なら、どう話しかけて どんなふうに仕事を割り振りすればよいか、分かります。
今、もし、当時の私と同じ状況にある方がこれを聞いていたら、是非 私に会いに来てくださいね。
やり方を詳しく伝授いたします。

それと、今回は 主に介護を担う人と その周辺の人との関係についてだけお話ししましたが、
介護する人とされる人との関係についても、お話しできることはたくさんあります。

船橋おくすり舎店主に 会いに来てください!




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