フランス・スイスを巡って

モスクワで2時間遅延して、もう諦めていた香港での乗り換えが奇跡的に成功し
無事に日本に帰国しました。

色々あったけど、今回、私が心から感じた旅の楽しさを伝えたくて、最後に。

逐一報告をしていたけど、
11日間、きっと壮絶な旅をしていたように思われていると思います。

実際、毎日が精一杯で

宿にドライヤーがなくて髪を自然乾燥させていたけど、後半はその時間も惜しくて、びちょびちょの髪で街に繰り出していたし

日本では毎日しっかりアイロンで伸ばしている前髪は、癖っ毛でくるくるだし

毎日化粧も落とさずに寝落ちして、肌は荒れるし
すっぴんで日焼け止めも塗らず、紫外線をたっぷり浴びたし

寒いのに長ズボンを一本しか持っていかなかったから、毎日同じ服を着ていたし

靴も歩きやすいスニーカーとサンダルで
全然おしゃれなんてしてないし

重い荷物を毎日背負って肩凝りがひどいし

一人旅だから自分の写真なんてほとんどないし

旅してる自分の姿は本当にボロボロで人に見せられたもんじゃなくて

普通の24歳がしているキラキラした旅行とはかけ離れているけど、

いい思い出はそれ以上にたくさんあったなぁと。

ずっと憧れてたフランスの蚤の市は、想像以上に可愛くて楽しくてずっとわくわくしていたし

アヴィニヨンで見たローヌ川は思った以上に広くて光っていたし

ニースの夕焼けは、絵の具で塗ったような鮮やかなパステル色だったし

スイスでみた景色は勝手にイメージしていたとおりで、だだっ広い牧場で羊や牛が芝を食べていた。

車に乗せてくれた知らないフランス人には
ニースの街を車で一周してもらって、「良いとこでしょ?」と誇らしげに言われて

ニースで一番安いゲストハウスには、何故かアルゼンチン人がたくさんいて、
アルゼンチンの3人と私で夜遅くまでシェアスペースで語り合い、夜中に「フレッシュな空気吸いにいこう!」と外にでて、階段に座ってさらに語り合ったり

コロンビア人のゲイの子とビーチでお昼寝しながら、コロンビアでの階級制と、ゲイとしての生きずらさを聞いて衝撃を受けたり

スイスでは観光客は絶対行けないような
、山奥の、周りに何もない牧場にある小屋のレストランで本場のチーズフォンデュをご馳走になったし

一年前、熱海で出会って、今回家に泊めてくれたジョナサンはスイスの家庭料理と伝統的なお酒の飲み方を教えてくれた。

色々な人に助けられて、優しくしてもらって、綺麗な景色を見ながら
なんだかんだ毎日無事に楽しく生きてました。

フランスやスイスには
公園や、湖畔や、川岸や広場やビーチなど、ゆっくり出来る場所がたくさんあって、みんな、特に何もせずにくつろいで過ごしていた。

私はせっかちで、休日も家にいないし、スケジュールが詰まってないと落ち着かないし
ゆっくりするとかぼーっとするとかできない性格だったけど、

行く先々で、特に何もせずに、好きな人と好きな場所で幸せに過ごす人達を見ていると、ゆっくりしてる時間は無駄じゃないし、むしろ凄く贅沢な時間の使い方なんだと気付いた。
たまに、東京にいるときの癖で
早歩きでみんなを抜かしながら街を歩いていると、ふと「私は何を急いでるんだ?」と我に帰ることが何度かあった。

日本にいると気付かない大切なことにたくさん気付けた、本当に本当にいい旅だった。

"旅は
その旅がいくらひどくても、
その思い出は素晴らしいものになる。"

旅中、ずっと読んでいた、よしもとばななの「人生の旅を行く」の、表紙を開いた1ページ目の言葉が、
帰国した今、一番染みています。

この11日間で経験した嫌なことなんてすぐに忘れて、むしろいい思い出になって
次、旅をするときに何も活かされず同じように毎日ハラハラドキドキしているんだろうなぁ。

若いうちにしか出来ない旅を、
今のうちにたくさん経験したい。

そんな感じの旅でした。終わり。

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