クラウドソーシング・クライシス!(3)
前々回、前回に続き、クラウドソーシングに登録した俺の奮闘記を綴ろうと思う。
今回は、コピペ疑惑をかけられちゃったっていう話だ。興味ある人は読んでみて。
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クラウドソーシング経験者の話によると、タスク(単発案件)よりも、継続案件をねらったほうが良いとのこと。
だけど、継続案件で未払いクライアントに遭遇した俺は、もっぱらタスクで稼ぐ作戦に切り替えた。タスクは簡単なアンケートだけっていうのもあって、ラク。報酬も1円とかだけど。
たまに500円くらいの案件もあるから、必死に何千文字も書いて未払いよか、ずっといいよ。
そんなある日、タスクの高額案件を発見した。なんと、1,000文字で1,000円。マジか! 1文字1円計算じゃないか!
俺の得意ジャンルのスポーツ系だったんで、5件募集されていたそのタスク、全部俺がやるぞって勢いで書いた。
書いて納品、書いて納品、書いて納品……、すっげえ勢いで書けたっていうのもあって、5件、全部俺がこなした。やったぜ! 手数料は引かれるけど、とりあえず1時間ちょっとで5,000円稼げた! 俺にとっては、初めての快挙。
が、翌日。思いがけない結果を突き付けられた。
納品した5件のうち、すべて非承認。「非承認」っていうのは、つまり、承認されなかったってことで、納品はしたけど、「あなたの仕事にお金は払えません」ってことだ。
5,000円ゲットのはずが、まさかのゼロ円。納品物のなにかがクライアント様のお気に召さなかったってことだけど、基本、非承認の理由は聞けないことになっている。
今回の案件の説明のとこにも、「非承認の理由にはお答えできません」って記載されてたしな。
やっぱり高額案件は難しいな……。結構、内容濃く書いたんだけどな……。
おかげでプロフィールに表示される納品記事の承認率も落ちてしまった。
俺はその後、相変わらず安いタスクをこなしながら過ごした。
そしていつものように募集案件を眺めていて、「おっ」と思った。またスポーツジャンルの募集があった。1件だけのタスクの募集で、1,000文字400円で単価は安いけど、前に書いたのを編集して、納品すればいいんじゃないか? どうせ非承認で、1円ももらえてない記事なんだから。
俺は保存してあった記事を、ちょちょちょいっと編集して、そのタスクに応募、納品した。
そして、クライアント様から、メッセージが届いた。
『応募いただいた記事、コピペ記事ですよね? コピー率80%以上です。 言葉の使い方とか、コピーしたとしか思えないのですが』
メッセージに記載されていたURLをクリックする。驚いた。だって、それは……、それは、俺が書いた記事だったから!
いや、もっと正確にいうと、俺が書いて納品したけど承認されず、1円ももらえなかった記事! つ、つまり承認されずに1円ももらえなかったけど、その記事が公開されてるってこと!
「す、すみません、確かに、というか、えーと、URL先の記事も自分が書いた記事でして。でも、承認されなかった記事でして」
俺は必死に説明した。今回のクライアント様はいい人で、事情をわかってくれた。新しく記事を書いて送ってもらえれば承認すると、返事がきた。俺は特急で対応して、記事を送って承認してもらった。よかった。捨てる神あれば拾う神ありだな……、いや、っていうか、5件の記事を非承認しておいて、そのまま使ってる前回のクライアント、一体、どうなってんだ!
そのクライアントは、クラウドソーシングサイトから姿を消していた。記事を公開しているサイトの管理者に連絡をしてみたが、意外な返事がきた。
『確かにクラウドソーシングで募集をかけて書いてもらった記事ですが、あなたが言うクラウドソーシングサイトでは募集していません』
つまり、だ。この返事を信用するなら、俺に記事を書かせたクライアントが、それをそのまま別の案件に納品して報酬をもらったっていうこと。
闇だな……。
とことん真実を追及するってのもありだけど、なんだかな……。
というところで、1回目で登場したネットでバリバリ稼いでいる友人とまた会うことになった。俺のクラウドソーシング奮闘記は、次回で最終回。興味ある人は楽しみにしてて。
※実話じゃないです。フィクションです。
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