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遠隔診療とICT 文:野田啓一

2021年8月29日
文:野田啓一(慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)

遠隔医療とは、情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為全般を指します。
遠隔医療のうち、医師と患者間で診察、診断および処方等の診療をリアルタイムにより行う行為をオンライン診療といいます。

日本のオンライン診療は、可能な限り多くの診療情報を得るために、リアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段を採用することが明示されています。わかり易い例ではテレビ電話を使った診療です。

2020年4月、政府は新型コロナによる院内感染のリスクを回避するため、特別にオンライン診療サービスを解禁しました。

以前は、オンライン診療サービスの利用は初診から認められておらず、対象疾患も高血圧や糖尿病などの慢性疾患に限定されていました。
新型コロナの感染が収束するまでは、この制限が解除され、新型コロナの疑いがある患者を含め、発熱や頭痛などの急性症状のある患者が受診できるようになったのです。

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