経費に参入できるもの、できないもの〜法人の会計処理〜
法人税等、法人にかかる税金は、
基本的に「収入から必要経費を引いた利益」を
基に算出されます。
その上で、必要経費に関しては、
何を計上していいかわからない、
という人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな法人の経費について
解説していきます。
どのような費用が経費になるか、
十分に理解し、今後の決算に備えましょう。
経費は会社に支出
そもそも経費とは何なのか、
という部分について説明します。
一般的に世間で経費(必要経費)と
呼ばれているものは、
法人の経理処理における「損金」に含まれます。
基本的には、
その年度内で発生した費用のみを
経費として扱うことができます。
中には経費計上が制限されていたり、
条件がつけられているものもあるため、
経費の種類・内容を把握しておくことは重要です。
法人で扱われる経費の種類
経費は大きく分けて、
経営者のプライベートと一体化しているものと
そうでないものに分けることができます。
■家賃や水道光熱費
自宅を事務所として利用している場合、
家賃や水道代、光熱費などの一部を経費として
扱うことができます。
家賃は
「自宅内で事業に使用しているスペースの面積」や、「自宅で仕事した平均時間」などから
経費分の金額を計算することが可能です。
応接間を設けるなどして、
生活用のスペースと事業用のスペースを明確に区分
しておかないと、
税務署への説明が難しくなってしまうので
注意しましょう。
また、社長含め役員の住んでいる賃貸物件を、
会社名義で法人として契約することで、
少なくとも家賃の50%を会社の経費として
計上することが可能です。
※ガスや水道は事業に関連して利用することは少ないので、経費にすることは難しいでしょう。
■消耗品費
事務用品や社用車のガソリンなど、
消耗品にかかった経費が該当します。
基本的に価格が10万円以内、
または使用可能期間が1年未満であれば経費として
計上が可能ですが、
中小企業の場合は、
使用可能期間が1年以上であっても、
30万円未満の資産までは経費にすることが
可能です。
■接待交際費
接待交際費には、
取引先等に対する接待費用や贈答品の代金が
含まれます。
実は接待交際費は
基本的に損金として扱われません。
しかし、
一定の条件を満たせば損金に算入できます。
■自動車等
自動車は、
社用車として法人名義で購入することで、
会社の経費として扱うことができます。
社用車の購入費用は、
減価償却費に含まれるため、
経費計上におけるルールが少々複雑です。
その他の経費
基本的に事業に関連した出費は
経費に落とし込むことが可能です。
代表的なものとしては、
書籍等の資料や商品の配送にかかった費用、
サービスを利用した際の手数料などが
挙げられます。
■一部の税金
一部の税金は経費として扱うことができます。
経費として扱うことのできる税金には、
・事業税
・固定資産税
・消費税
・自動車税
・不動産取得税
・登録免許税
・印紙税
などがあります。
■旅費交通費や通信費
旅費交通費には、
出張の際に発生する電車賃等の移動費、
宿泊代などが該当します。
SuicaやPASMOに代表される
電子マネーを使用した場合も、
履歴との照合が取れれば経費計上が可能です。
個人用と事業用を分けておくと、
申告の際にスムーズに証明できるでしょう。
通信費には、
電話代や請求書送付の際にかかる切手代、
インターネットのプロバイダ料などが該当します。
こちらも可能なら、
個人用と事業用に分けて持っておくと、
税務署への説明がしやすいです。
また、
出張に関する法人特有の制度として、
出張手当というものがあります。
出張手当は、
会社としても出張する当人としてもメリットが
大きいので、多くの会社で導入されています。
■寄附金
会社が寄付した寄付金の内、
国又は地方公共団体に対する寄附金は、
財務大臣が指定した寄附金
については経費計上が可能です。
しかし、
特定公益増進法人に対する寄附金
一般の寄附金については、
経費にできる金額に上限が設けられているため、
注意が必要です。
■損害保険料等
損害保険料や地震保険料、
自動車保険料などが該当します。
※国民健康保険料や国民献金保険料は該当しません
■修繕費
店舗や社用車、
製造装置等の機械を修理する際にかかる費用が
該当します。
あくまで修繕にかかる費用であり、
機能の改善やアップグレードにかかる費用は
減価償却費として扱われます。
■従業員に対する支払い
従業員に対する給与や賃金、
賞与の支払いや、福利厚生費などが該当します。
退職金やまかない等の食事、
制服などを支給した場合も、
この項目の経費として扱うことが可能です。
ただし、
社長や役員に支払われる給与や賞与については
例外で、原則経費として認められません。
役員の給与金額を大きく設定することで、
必要以上に経費を多くすることが出来るからです。
※ただし、
従業員と同じように毎月給与を受け取っており、
なおかつこの金額が妥当なものであれば、
役員の給与であっても経費計上することが可能
福利厚生費については、
役員や従業員の健康保険料や介護保険料、
厚生年金保険料、労災保険料、雇用保険料などの
うち、会社側で支払っている分が該当します。
近年、
福利厚生の拡充は外部へのアピールポイント
として重視されている部分でもありますので、
経費計上できることを覚えておくと良いでしょう。
■外注工賃
会社の営業に必要な名刺や封筒、
ロゴのデザインなどを外注して作成してもらった
場合の工賃等が該当します。
会社のサイトの構築費や、
意外なものだと会社名や商品名についても、
外注であれば経費計上が可能です。
まとめ
しっかりと損金参入できるものはする。
そうすることで、賢い経営ができるでしょう。
これは、お金にがめついとかではなく、
しっかりとお金を守っていく上では大切なことです。
生き残っている会社、売上が伸びている会社は
すでにやっています。
それを知っているか、知っていないか
だけの差になります。
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