「ガラスの手」#シロクマ文芸部
「ガラスの手」を持つ一族のあたし。誰にも知られることなく、古代メソポタミアの血を絶やすことなく、受け継いできました。
あたしの名前は玻璃、相棒は牝猫のマール。魔法使いの相棒がフクロウのように、あたしたちガラスの手を持つ一族の相棒は、昔から猫と決まっていました。
ほんとうは従順な犬の方がいいんだけどね。でもまあ、昔からのしきたりには従うのは、後世に生まれた者の務めです。
ところで、どうしてあたしたちが「ガラスの手」を持つ一族と呼ばれるのか。
確か、漫画にガラスの仮面とい