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「文法を教える」ために教える。

前回の続きですが、残念ながら、どうすればいいのか、私自身模索中です。少なくとも今年1年で気づいたことだけは羅列します。

一般に日本語教師養成講座は、「理論(座学)」と「実習」の2つからなります。そして、私が担当しているのは「理論」の方です。確かに、理論ですから、その分野の内容を伝えればそれでいいと言われればそんな気もします。

でも、母語話者をはじめ日本語が分かる人を相手にした仕組みを学んだだけでは、「実習」に移ったときに、教科書を目の前に立ち尽くすことになるだろうと思いました。養成講座では日本語文法の仕組みとして、動詞の活用は「ローマ字で書いたときに【行かないーikanai】は【ない―nai】の直前の子音がaだからⅠグループですね」とか「動詞のテ形には継起などの機能があります」と確かに教えます。そして、受講生のみなさんはふんふんなるほどそうなのかとなります(ことを心から祈っています)。

そこで、じゃあ学習者にはどのように説明したらいいでしょうか?と投げかけると、苦笑いとともに「え?学習者にその説明をするの?それは分からないでしょう?」という心の声が聞こえてきます。学習者の母語が多様な場合は、直接法といって、日本語を日本語で教えるやり方をとりますが、文法等を学習者が分かる言語を使って指導することは前提としません。ですから、初級の学習者に子音がどうとか説明しても混乱を招くので、別の方法を取ります。

ということは、知識の「使い方」や「伝え方」も(メインではないにしろ)織り交ぜていかないと、なかなか「理論」で学んだことが「実習」につながらないのではないのでしょうか。私自身が振り返っても、いつどこで見聞きしたのか思い出すことはできませんでした…。ありますよね、テ形の歌とか。

そうなると、養成講座で行う授業のやり方そのものを工夫しなければなりません。さて、どうしたものか。