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砕けた言い回しに利用されがちな「承知」

職場の新人さんで、よく「承知ですー!」と言う人がいる。
たまになら気にならないのかもしれないが、ことあるごとに「承知ですー!」を使われ、私は少しフラストレーションが溜まっている。
「なぜ、承知「しました」でなく敢えて承知「です」なのだろう?」という些細な疑問が、その言葉が飛び出す度に浮かび上がるのだ。よくよく考えると別に「承知です」も変じゃないのかもしれないけど、日常的に圧倒的大多数が「承知しました」と使う。彼女が事あるごとに「承知です」と言うから、会話が終わる度に私はその違和感にまとわりつかれる。

今思い返すと、以前にも同じような新人がいた。彼女に関しては自分と同い年だったこともあり、返事が毎回「承知の助〜」だった。
初めて耳にした時は「今時承知の助とは!」「出会って早々に承知の助かい!」と、いろんな意味で衝撃だった。案の定私の他にも気になっている人はいたようで、
「あの子いつも承知の助って言ってるよね?笑」と若干話題になっていた。しかし今思うと、「承知の助」の方が「承知です」よりも、礼儀感は無いが気持ち悪さはない。承知の助は承知の助としてある意味成り立っている。


「了解です!」はよく聞く。よくよく考えると「了解です」はいいのに「承知です」が気に食わないなんて、承知の助も不服に違いない。
しかも「了解」は目上の人が下の人に使う言葉であって、上司に対して言うのは本当は適切でないらしい。よって、新人が使うのは「承知」の方が正しい。
それでも、「承知です」はなんか嫌なのだ。
なんとなく、「承知」という単語にはフラットさを感じる。誰にでも使えるオールマイティな雰囲気を纏う承知。
「承知しました」では少し堅苦しく思うだろうという無意識の感覚が、「承知」に短めの「です」や「の助」をつけてしまうのかもしれない。

話は逸れるが、私は年々こうした細かいことが気になる性格になりつつある。昔は日本語の端々に気が行くことなどなかった。年々、人生経験を積んで堂々とした人間になるどころか、逆に小心者でめんどくさいやつになっていってる気がしてならない。
そんな自分が今ハマっているのは火曜ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」だ。岡田将生が演じる慎森(しんしん)いう男が、めちゃくちゃ細かい。自分が気になったことは相手の気持ちお構いなしに口に出し、周囲に不快感を与えるのだ。例えば職場で旅行に行った人からお土産をもらった時に「お土産って必要ですか?買わなきゃ他の観光スポットに行けたのでは」と言ってその場の空気を悪くする、といった具合だ。
でも私は彼の細かさが気持ち良い。その上岡田将生のビジュアルが異常に良いので見ていてとにかく痛快(笑)
細かさとはあまり関係ないが、私のお気に入りの台詞はこちら。
「僕吹奏楽やってたんだ」
慎森「え、楽器は何ですか?ヌンチャクとか?w」
ドラマの台詞でお茶を吹き出したのは久しぶりである。ヌンチャクってw息を吐くように相手を小馬鹿にするところとかも大好きすぎるのだ。
初めは適当に見てたこのドラマ、今や週一の楽しみである。
新人の「承知」について考えていたのに気づいたら大豆田とわ子に行き着いてしまった。それでは。

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