諦めるのではなく、列車を降りる。

長い間続けてきたことがあるのって、誇らしいし、
羨ましがられることも多い。

わたしは7歳からダンスを始めて、11歳で初めてミュージカルの舞台に出演して、気付いたら27歳になっていた。ミュージカル俳優歴は16年。数字だけ見ると結構スゴイ。

中学生の時はブロードウェイ俳優になると思ってたし、
日本でもメインの役とかできるようになったらな〜って思ってた。

でもわたしは舞台以外の世界にも興味のあることがたくさんあって、特にここ数年はフェミニズムや気候変動のことを考えない日はない。

環境にも恵まれて、勉強も大好きな子どもだった。
色んな国に行ったり文化に触れて、視野も広い方だと思う。

自分がこれほど長く舞台での表現を続けてこられたのは安心安全の毎日をあたえてくれる両親のおかげだし、毎日に笑顔を与えてくれる妹たちのおかげ。わたしの一番のファン(4人もいる)でいてくれてありがとう。

大手芸能事務所に入ってみたり、その後にスカウトされて何回か所属フラグたったりもした。「売れたい」「有名になりたい」「たくさん舞台に出たい」と言うモチベーションだったらその波にスムーズに乗れたのかもしれないけど、なんかそれは違った。わたしのやりたいことじゃないなってはっきり分かっていた。

大きいミュージカルのオーディションも受けてはみるんだけど会場の空気と自分の存在がまるで混ざり合わないという体験は数え切れないほどした。

海外に行ってやればいいんじゃないかと色んな人に言われたこともあるし今も言われたりするけど、なんか場所変えても芸能界って本質は同じなんじゃ?と思ったりしてるし、素直に今はそこに注力するパワーはない。

なんかこれだけ読んでるとモチベ低いやる気ない人間みたいだけど、そんなことはなくて。尊敬できる人、信頼できる人にもたくさん出会えたのがこの世界にいた一番のギフトだと思っている!表現者である以前に素敵な人間たちにたくさん出会った。そういう人たちと何かを創ることは喜びだしこれからもわたしの生活に欠かせないと思う。

そもそも夢ってずっと同じでなくてもいいから、
夢を諦めたのではなく、長いこと乗っていた列車を降りるってことだな。
または別の列車に乗り換える。
でもたまにはホームでぼーっと考え事したりうたた寝してもいいな。
すぐに次の列車を探さなきゃいけないわけじゃないし。
ホームでまた誰かと出会うかもしれないし。
また同じ列車に少し乗ってみることもあるかもしれない。
何が起こるか分からないから、
あーだこーだ悩んで、でも結局自分が大切にしたいことは
はじめっから決まってたのかもって気づいて
その繰り返しなんだろな。

2022年、日本オリジナルミュージカルに4作品、ホテルでのギグが2回、コンサートは3回、大学卒業したての自分、コロナ到来の年の自分には想像もできないくらいたくさんのステージを踏みました。
イライラしたりモヤモヤすることばっかりだけど、同じくらいワクワクしたりキラキラすることもあるから今日もおやすみなさいが言える。

まぁこんな感じで年々己の色が濃くカラフルになっていくもんですから、2023年は何も舞台の仕事は決まっていません。列車降りようって思い始めた頃から完全に引き寄せの力が弱まったとも思う。
悔しがるわりに自分に甘甘なので、来年はそれに乗じて「焦らない」でいこう。ここに記しておいてもすぐ忘れて生き急いでしまうのだろうけど。
そうなったら海にさんぽしにいくわ。
遠く先の波に乗ってまた別の列車がやってくるかも。

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