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テストで0点とったら怒る?『おやときどきこども』を読んで。

鳥取旅行中、書店「汽水空港」で開催されたワイフのイベントで初めてお会いした鳥羽さんの著書『おやときどきこども』を読んでいる。


鳥羽さんは博多で生徒数約160人の塾を経営しながら、自らも教壇に立っている。その経験から、こんがらがって巨大でカラフルな玉になった毛糸のような、僕らにもお馴染みの親と子のいかんともし難い関係を、丁寧にほぐすように観察したエッセイだ(と思う)。

もともとワイフが「子を持つすべての親に読んでほしい」と激賞していて、僕も今、同じ感想を持っている。本を読んで、こんなに「沁み入る」と感じたのはいつ以来だろうか。凍える夜にやっとたどり着いた宿で出された一杯のスープのようだ。

その言葉の温かさは、「よき親でありたい」と人並みに意識して、「よき」にとらわれていた僕の内面にも届いた気がする。

最近、ドラえもんの漫画にドハマリしてるマイベイベーから、何度か「私が小学校のテストで0点取ったら、どうする?お小遣い減らす?」と聞かれていた。のび太の話だ。


リアルに想像してみると、自分の子どもが0点を取ったら冷静でいられるだろうか?ていうか、小学校にあがる前に0点を許容していいのか?そのせいで勉強しなくなったらどうしよう?でも、テストが なにかも知らない子どもを怖がらせるのも違う気がする。いろんな考えが噴き出してきて、いつも「どうかな〜」と言葉を濁していた。

今日も同じ質問をされた時に、この本のことがふと思い浮かび、思い切って「実はパパも0点をとったことがあるんだ。だからきっと怒れないよ」と伝えた。

実際、僕は高校1年の時に数学のテストで0点を取り、教師から「学年でひとりです」と言われたことがあるのだ。しかも、真面目に取り組み、解答用紙をなんとか埋めようとしての0点という残念さ。

パパも0点をとったことがあると聞いたマイベイベーは表情をパッと明るくして、「ええ!そうなのー!」と驚きながら、楽しそうに笑っていた。気のせいかもしれないけど、少しホッとしているようにも見えた。その顔を見て、なんだか僕の胸のうちもスッと軽くなった。

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