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ライター17年生の悩み

ライター仲間と話をするのは楽しい。取材の仕方、原稿の書き方、それぞれスタイルがあるし、正解はない。参考にして良いと思うものは取り入れる。

以前、一緒に取材に行った後輩ライターから、イオさんは誘導するような質問しないよね、と言われた。なぜか。こちらが求める予定調和な答えよりも、想像を超える言葉を聞きたいからだ。

ちなみに、ワイフの川内有緒は新田次郎賞、開高健ノンフィクション賞を受賞してるノンフィクション作家で、僕のスタイルとはなにもかも違う。

ワイフは原稿をわーっと書いた後に「削り出す」と表現するけど、僕は冒頭から緻密に「織り上げる」感じ。だから、彫師、織師と呼び合っている笑

ワイフの原稿には「自分」がたくさん登場する。そこも僕の原稿と正反対なところで、その自由奔放さが個性であり、原稿を確実にユニークにしている。

ワイフの近著『バウルを探して』。バウルと呼ばれる謎の吟遊詩人を追って、写真家の相棒とバングラデシュを旅したノンフィクション。ワイフの自由奔放さが存分に表れている傑作!

実は、ずーっと前からワイフのような「書き手の顔が見える原稿」に憧れてきた。でも、どうしたら個性が出せるのか、いまだによくわからない。

僕は編集の仕事もしているから、後輩の書き手に「もっと個性を出していいよ」と言うこともあるけど、ぶっちゃけ、自分も試行錯誤が続いている…笑 

そもそも、僕が得意とする人物に焦点を当ててドラマチックに描く原稿のなかに、僕の個性を出すことが必要なのか不要なのか、どう出したら邪魔にならないのか…

24歳でフリーライターになり、早くも17年。やっぱり答えはなくて、今も悩み続けている。

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