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異世界ボーダーVol.3 早朝のタクシーにて(5/16)

今日も朝イチで羽田空港へ向かうため、4時45分にタクシーを呼んで吉祥寺駅へ。

いつも通り、「なにか不思議な体験したことあります?」と尋ねる。ドライバーは定年退職後に転職してまた3ヶ月ほどしか経っていないそうで、「私はまだないですね」と苦笑い。

「私は」という言葉が引っかかり、「聞いた話はあるんですか?」と食い下がるのは職業病。すると、「ええ」と話し始めた。

青山墓地ってあるじゃないですか。あそこでお客さんを乗せて埼玉方面まで行った人がいたそうで。

でも目的地に着いたら、誰も乗ってなかったらしいんです。ドライブレコーダーを確認したら、確かに誰も乗ってなかったみたいで。ただ、そのドライバーが誰もいない後部座席に向かって話してるところが映っていたそうです。

そのドライバーさんはその後、病んでしまって会社を辞めたと聞きました。だから私は青山墓地のあたりにあまり行かないようにしてるんですよ。ぜんぜん霊感ないんで大丈夫だと思うんですけどね…

あれ?と思った。
乗せたはずのお客さんがいなくて、ドライブレコーダーに誰かと話すドライバーの姿が残されてるという話は、以前に別のドライバーから聞いたことがある。
(詳しくはこちら

タクシー業界あるあるのベタな怖い話なのかな?と感じたけど、前に聞いたのは乗客は女性で行き先は自宅で…などかなり具体的だった。ただ、乗車場所と降車したエリアは話に出なかった。

今回は青山墓地で乗り、埼玉方面という話と、病んで辞めたといつ話が加わった。これ、もしかしたら同じドライバーが経験したことなのかも…と想像すると、ゾワっときた。

また同じ展開の話を聞いたら、こちらから知ってる情報を伝えてみよう。そうしたらもっと具体的な話が聞けるかもしれない。

僕はいつか、病んで退職したドライバーにたどり着くのだろうか。

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