日本のパクチーブームを作った男が届ける異次元パクチーを体感せよ。稀人マルシェ2023
シソやパクチーといった香草が大嫌い、それは僕だ。
でも、「7年間ずっと満席のまま閉店」した伝説のパクチー専門店のオーナーが、千葉の田舎に「パクチー銀行」を作ったと知り、そのオーナーと「パクチー銀行」という謎の存在への興味が勝って、取材に行った。もちろん、香草嫌いという情報は伏せて。
7年間満席だったのは、東京・経堂にあった日本初のパクチー専門店「パクチーハウス東京」。そのオーナーが、佐谷恭さんだ。
「パクチーハウス東京」はファンの多い店だったから、聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか? そうそう、今回の稀人マルシェに参加してくれたヒヨリブロートの塚本さんも、行ったことがあるとメッセージをくれた。
「初めてパクチーを食べたのは、カンボジアです。大きく育ちきった太いパクチーを鍋で煮る料理があって、ぜんぜん噛み切れないし、とんでもなく強烈な味がしました。なんでこんなの食べるんだろうと思っていたんですが、その後、旅先のあちこちでパクチーを食べたらすごく爽やかなやさしい味わいで、ビックリしたんですよね。最初のインパクトと味のギャップでパクチーにはまりました」
パクチーの魅力にとりつかれた佐谷さんは、ライブドアの報道部門で働いていた2005年、日本パクチー狂会を設立し、まだ珍しい食材だったパクチーの普及に努めてきた。翌年、子どもができたのを機に独立を決め、飲食店で働いた経験もないのに「飲食店をやろう!」と思い立った男は、周りからの「あり得ない」という声を無視して、2007年11月、日本発のパクチー専門店「パクチーハウス東京」をオープンした。
「パクチーハウス東京」は、パクチー尽くしの料理と「交流する飲食店」というコンセプトで人気店となり、2011年5月から7年間、予約でずっと満席に。それまでほぼ無名の食材だったパクチーをメジャーに引き上げたのは、パクチーハウス東京だと言われている。
2018年3月、「僕がチャレンジし続ける背中を子どもに見せたい」と連日満員の店を閉じた佐谷さんは、「無店舗展開」と称して日本各地でパクチーハウスのポップアップを開催。その際、千葉の鋸南町に縁が生まれて、2021年1月1日、駅前の元銀行の建物を改装し、パクチー銀行をオープンした。
佐谷さんは今、週末にパクチー銀行を開いてお客さんにパクチー料理を提供しつつ、無店舗展開も積極的に続けている。僕がパクチー銀行まで取材に行った日は、地元で獲れた猪をパクチーと絡める「猪パク」(890円)を作ってもらった。
僕は子どもの頃から一貫して、匂いの強い草が大嫌い。パクチーももちろん、避けてきた。しかし、さすがにパクチーハウスの取材に来て、パクチー料理を食べずに帰るわけにはいかない。意を決して「猪パク」を口に含んでみたら……「あれ、うまい!」。濃厚な猪肉に、パクチーの爽やかで瑞々しい香味がマリアージュ。僕が想像していた臭みや苦みがまるでなくて、パクパク食べてしまった。
その理由を、佐谷さんが教えてくれた。
「うちのパクチーは、農家さんから直接仕入れてますから。スーパーで売られているパクチーは、大量生産のうえに採ってから何日も経っているでしょう。農家さんが味にこだわって作る新鮮なパクチーとはまったく別物ですよ」
そうか!農作物は収穫されてから店頭に並ぶまでの間に数社の取引を経ているから、必然的に日数が経ってしまう。農家さんから直接仕入れれば、最速で即日着。採れたての魚の刺身がおいしいように、パクチー狂会会長がその味を認めたフレッシュなパクチーもまた絶品なのだ。
マルシェの参考にするため、近所のスーパーで見かけたパクチーの写真を佐谷さんに送ったら、「買ってみてください。当日のパクチーとの味の違いがわかります」と返信があった。
もちろん、今回の稀人マルシェでは、パクチー狂会会長が太鼓判を押す千葉の農家さんから取り寄せたフレッシュパクチーが届きます。
香草嫌いの僕が「う、うまい!」と唸った異次元パクチーはいかがでしょう? そうそう、明日21日には、佐谷さんが山小屋に来てくれます。パクチー狂会会長に会うチャンス!
稀人マルシェ2023
12/21:15時~20時
12/22:15時~20時
12/23:12時~20時
参加者一覧は「こちら」をクリック!
僕がプレジデントオンラインで書いた佐谷さんの記事はこちら!
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