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やりたい事をやり抜くために!Marching School トークイベントvol.6「夢に近づくための名刺の使い方、使い倒し方」【後編】

▼前編(山内菜都海、16年の歩み)はこちら

ローカル線の潜在的課題と勉強会

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コロナ禍前でも都市部以外の路線は全部赤字だった。
(画像引用:カオストレインTwitter)

山内:コロナ禍に入り、各鉄道会社さんの売り上げが激減したって、グラフを見たりしてびっくりしていたんです。けどこの表(上)を見てください。これはコロナ禍前の数値です。数字は、100円稼ぐのにいくら費用がかかるかを表していて、青の点線で囲まれた、新幹線と関西都市部の路線以外はほぼすべて赤字なんです。でもこれ、コロナ禍前の数値で、実はコロナ禍になる前からこれが普通だったんですね。

山内:これ国全体の課題なんですけど、私自身もローカル線をどうやって維持していこうっていう課題に興味がありました。だけどコロナ禍からにおいても、1人で悩んでいてもとてつもなく大きな問題で巨大な敵なので、答えが出ないと思い、勉強会を開こうと考えました。私は各鉄道会社さんに1人ずつ、困ったときに連絡できる方々がおられたので、その人達に「一緒に悩みませんか?」と声をかけました。それからリモートワークが始まった2020年5月から彼らと勉強会を行うことになり、5月の1カ月間で計7回行われました。

ローカル線のこれから、人に惹かれる観光をめざして

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ローカル線の課題解決のために行った鉄道会社同士での自主勉強会

山内:するとその勉強会で皆、関係人口案内所の様なことをやりたいって意見に収れんしたんですよね。
  今までだったら地域に美味しいものがあるから、良い風景、絶景があるから来てくださいっていう観光誘客をしていたんです。だけどこれだけZoomで何でもできるようになったコロナ禍前後の私たちの体験として、「絶対に現地に行かないと」って思うのは、会いたい人とその空気を共有する「人の魅力」じゃないか、という話に行きつきました。


関係人口」=移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉

引用:総務省HP

モヤモヤが晴れる勉強会「オンライン関係人口未来ラボ」

オンライン関係人口未来ラボ(画像引用:まるにわ公式HPより)

山内:それで関係人口の案内所的なものを鉄道集団で作ったらいいのではないか、という話をしていた時に、鳥取との繋がりのきっかけとなった「オンライン関係人口未来ラボ」に巻き込まれることになったんです。この勉強会は毎週1回朝7時からミーティングを重ね、80週続いています。
 この朝会のラボで、今まで私がもやっと頭の中で思いついては、出来ないやって捨てていたような妄想を話すと、「それ僕もやりたいと思っていたんです!」って3、2人食いつくんですよ。そういう変な集団で、そこに議題を持ち込むと形になっていくっていうのが分かりました。各地でおもしろいことを活動している方々を繋いで何かやってみたい、とか思いついたら提案して、皆でワイワイしています。

第二のふるさとを探す旅

第二のふるさとを探す旅。
かつて足を運んだ中でここは特に!というところをごひいきに紹介。

山内:こんな感じの交流が、「第二のふるさとを探す旅」につながりました
。会社に率直に「こういうことをやっていいですか?」て言うと、なんで富山県は井波なのか、他の市町は取り上げないのか、とツッコミどころが満載だなと思ったんですよね、なのでとりあえずプライベートで始めようと2021年6月から始めました。かつて私が旅した中で、ごひいきにしたい地域が沢山あったんですよね。それを1か月に1回に絞って年間で12カ所紹介する企画です。毎月第二土曜日の夕方にオンラインでやっています。

地域と関係性づくりの実験

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ネイティブメディアにて掲載されているオンライン旅の一つ(in智頭編)

山内:この活動、宿泊とかは自費でかかりますけどもそもそも自分が好きで旅に出ているだけで、それをオンラインで無料で紹介するだけなので別に何もお金かからないですよ。
 そしてこれをさせて頂いたことで、受け入れる地域側の方々の目の色が変わってきたんですよね。今までであれば車でアテンドしてもらってあちこちアポイントとって、むしろ視察料を払わないといけない立場だったんです。でもそれをこういう風に加工して、「世の中にPRしたいんです!」ってプログラム仕立てにすると向こう側が、「取材してくれてありがとう」みたいな感じの関係性になるんですよね。で今そこにお金は介在していなくて、ギブ&テイクというかゼロ円でやっているんですけど、その関係性が変わったなっていう実験をしているんです。

山内:そしてこれを関係人口ポータルの「ネイティブメディア」さんにお話をしたらすごく共感をいただいて、専用チャンネルにまとめ記事を掲載させて頂いています。オンライン旅の最中にグラフィックレコーディングも描き起こしていただいていまして、これもすごい地域の方に喜んでいただけるんですよね。イラスト(上に表示)は地図仕立てにしていまして、私が紹介したい所は青でマーキングされていたり、どんな所を誰にどんな風に紹介して頂きましたっていうのを描いています。配信したものはYouTubeでアーカイブし、告知は基本フェイスブックでやっています。   

▼ネイティブメディアによる山内さんのまとめ記事はこちら

▼You Tubeでのアーカイブはこちら

▼Facebookでの告知はこちら

プライベートが仕事に繋がってきた!

山内:これを続けていくことで、これが実験台になって、本業の方でも出来るかもしれない、みたいな雰囲気が出てきたんですよ。もしこれを始めた6月に本業でやってもいいですか?って馬鹿正直に言っていたら、今、説得で半年間が終わっていたと思うんですよ。それをとりあえず「勝手にやりま〜す!」ていってやり始めた。そしてアーカイブがたまってきたのを会社に伝えてみると「あ、いいね」って会社の受け止め方が変わってきたんです。

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会社がプレスした新しいライフスタイルの提案。
「関係人口」が必要とされている。

働き方も自分で作る

山内:私今の本業でも、最初は駅ビルを作ったりする部隊にいたんですよね。でも駅ビル作るのって基本京阪神エリアとか都会なんですよ。もっと地方創生にダイレクトに関われる方向はないかと考え、色んな人に相談しているうちに「地域共生部っていう新しい部署ができるよ」ってある人が教えてくれました。それは正に私がやりたいと思っていたことで、色んな方に相談するうちに、子会社から本社に出向という形で今回夢がかないました。

会社の取り組みでも徐々に「関係人口」が重視されるように

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元々やっていたJRの地方活性

山内:JRで既にやっていた地域活性って、山陰であれば「「いいもの探県隊」とか、観光誘客とか地産品開発ばっかりをやっていました。でも今後は「関係人口」が必要だと思うんです。地域のファン作りっていうのは地域にとっても不可欠だし、往復する(関係人口になる)人にとっても、幸せ量が増えると思うんですよね。ただ観光で二泊三日で行ったっていうよりも、マーチングビルにいって予告せずにペンキ塗らされたっていう方が遥かに幸せ量が多いって、私はそう思っているんです。そういう「関係人口というのをこれからはやりましょう」っていう話をしています。

地方移住のお試し暮らし

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地方移住のお試し暮らし

山内:これらは私が今の部署に移る前から黒子のアドバイザーとしてとして関わっていた、社内の関係人口ワークチームで提案したプロジェクトです。「地方移住のおためし暮らし」っていうのは、「都会のサラリーマンを続けながら、コロナ禍でも安心に疎に暮らせる地方部の新しい住まいが出来ますよ」というプロジェクトです。

第二のふるさとを持つマンション

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第二のふるさとを持つマンション

山内:「第二のふるさとを持つマンション」は、大阪都市部のマンション住民の方向けに、月1回気になる「第二のふるさと」を選んで「梅の時期に梅の収穫体験したいです!」とか「漁業体験したいです!」と言ったら行けるというプログラムを作りました。これの実施は22年春からの予定です。

やりたい事をやり抜くために

山内:最初は本業とプライベートとの距離は遠いんですけども、プライベートでこれをライフワークとしてやりたい!ってあがいていているうちに、だんだん会社がこっちにも向いて、本業にも持ち込まれてしまったみたいな体験が、最近徐々に増えてきました。コロナ禍で時代が変わってきたっていうのもありますが、昔はそんなに振り向いてくれなかった「関係人口」という言葉にも、今ではうちの会社のほぼ全員が知っている、聞いたことがあるという風になってきました。
 仕事とライフワークが、だんだんオーバーラッピングしてきて、色々じたばたしてきて良かったなあと思います。

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学生時代からのビジョンの描き方、自分の人生に関してのバイタリティがすごいなと終始感動していました。

自分のやりたい事を貫くための、周りとの巻き込み方とか、自分の経験を会社へ逆輸入できる行動力は、見習いたいなと思いました。

本業と趣味的に始めたものがオーバーラップしてくるっていうのにすごく共感して、今後このようなことはもっとありうるんじゃないかなと思いました。

「夢から覚めなかったかも」「分かっていても目をつむっていたかも」って、今の自分に当てはまるような気がしました。私も自分自身に問いただしたり、本当にやりたい事を考えながら行動できたらいいなと思いました。

副業という意識がそもそもないことに、驚きました。趣味が結局本業に繋がっているような自然な流れは「まずやってみる」といったところから発せられているのかなと思いました。

自分で環境を選んで移り住むのは、所属するコミュニティに関してもきっとそうなんだろうな、と感じたので、私も自分の素直な感じ方に従って、直観も大切にしていきたいなと思いました。

山内:「生き方を話してください」というノンテーマで話すことが新鮮で、自分と違った気づきをコメントで頂いたことが学びになりました。昔に比べて、この会社を一生続けないといけない、と思う人は減ったとは思いますけど、それでもまだまだ日本のサラリーマンはまじめすぎるなあと思うんですね。海外と比較すると例えば南欧の方々って、仕事はとりあえず耐えて早く休憩、バカンス行って、ご飯食べて…って割と本能のままに生きている人が多いんです。だけど日本のサラリーマンは檻に入ったら出てはいけないみたいな(笑)。網目くぐったらいいじゃん、しっぽ出したらいいじゃん、なんかもったいないな、もっとやらかしたらいいのになって私はいつも思っています。
 最初にたまたまそんな先輩に会ったからこそ、クビにならないよりも自分がやりたいことをちゃんと出来る方が大事だと思ってずっとやっています。(笑)

 「第二のふるさとを探す旅」っていうのは、私じゃなくてこの、紹介する地域がほんとにすごいんですよね。こんなにすごい取り組みをしているのに、100人500人しか知らないのがもったいなすぎる!って思う。私が涙したりとか、心が震えるとか、本当に共感した人達や地域を選ばせてもらっているので、皆さんもNativ.チャンネルの記事とか読んで、シェアとかして頂けたら嬉しいです。その投稿を見て〇〇地域ってそんなに面白いんだ、て気づいたり、その地域に出会ったことで人生が変わったって方が1人でも多く増えたらいいなと信じて地道にやっています。ありがとうございました。

まとめ

 大企業で働きながらも自分軸をしっかり持ち、やりたい事を着実にこなしていく山内さん。プライベートで始めたことも今では本業にオーバーラップされていき、楽しんで活動している。そんな山内さんのファンになってしまった人も多かったのではないでしょうか?

最後にみんなで「はい、チーズ!」




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