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読んで学ぶMM入門24〜スタイルよりも大事な○○〜

MMには必ずバンド特有のスタイルが存在します。
例えばストレートレッグは脚をピンと伸ばして歩くことを約束とするスタイルです。
ただ私は、スタイルは最後のオマケくらいにしか考えていません。

運動するために大事なことは、いかに物へエネルギーを伝えるかということです。
歩行の場合は身体全体を移動させることが目的なわけですから、地面を利用してエネルギーの反発を得ます。

MMの場合は楽器を演奏するために、なるべく身体に衝撃が伝わらないように、効率よくエネルギーを処理することが求められますね。

問題なのは、ここでスタイルを優先的に習得すると、スタイルという狭い枠の中でしか効率よいエネルギー処理を探せなくなるということです。

初心者がいきなりストレートレッグで歩こうとしても、ほとんどの人が衝撃を吸収できません。衝撃を吸収するためにどうすればいいのかわからないからです。

脚を伸ばすこと自体は単純ですが、単純であるがゆえに、融通は効きません。スタイルに囚われた状態で効率を上げようとしても、身体の自由を奪っているのですぐに壁にぶち当たってしまうのです。

逆に、衝撃を吸収しながら歩くという行為はとても曖昧かつ繊細なこと。ですが、やり方は無限と言ってもいいくらいたくさんあります。
足を地面に着くときに優しく置いたり、股関節や膝や足首をバランスよく使ってみたり、上半身でやわらげてみたり。

脚を伸ばすのは身体の中で完結しますが、衝撃の吸収は地面の状態や楽器の重さ、歩くテンポなどにも影響を受けます。
目的はハッキリしていますが、達成するプロセスは「これさえやればいい!」というようには決まっていないのです。

この場合のパフォーマンスの高さは、練習のバリエーションや経験値によるところが大きいのです。

なら、「衝撃をやわらげる」というバリエーションの中に「脚を伸ばす」というスタイルが内包されているとすれば?

環境や条件によって脚の力の入れ具合を変えてみたり、同じストレートレッグでも幅がでませんか?

最終的には揃えることが求められるマーチングですが、そのために大事なのはスタイルの徹底ではなく、もっと根本的に「ラクに動くにはどうすればいいか」を考えることなんですね。

「ちゃんとやってるのに上手くならない...」という人はこれを機に考え方から見直してみてはいかがでしょうか。

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