げんまい

マーチングが好きです。特に歩行の技術を研究しています。

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最近の記事

読んで学ぶMM入門24〜スタイルよりも大事な○○〜

MMには必ずバンド特有のスタイルが存在します。 例えばストレートレッグは脚をピンと伸ばして歩くことを約束とするスタイルです。 ただ私は、スタイルは最後のオマケくらいにしか考えていません。 運動するために大事なことは、いかに物へエネルギーを伝えるかということです。 歩行の場合は身体全体を移動させることが目的なわけですから、地面を利用してエネルギーの反発を得ます。 MMの場合は楽器を演奏するために、なるべく身体に衝撃が伝わらないように、効率よくエネルギーを処理することが求めら

    • 読んで学ぶMM入門23〜形を探る〜

      トレーニングには2種類あります。 ①力の最大値を高めるトレーニング ②力の効率を上げるトレーニング ①で筋肉を強くしてゴリゴリマッチョになったとしても、自分より小さい人が自分より重いバーベルを上げることはよくあることです。 なぜそのようなことが起こるのかというと、筋肉が力を発揮するために一番効率の良い形になっていないからです。 たとえば俗に「力こぶ」と言われる上腕二頭筋は、ひじの角度が90度くらいの時に一番力を発揮します。伸ばしきったときや曲げきったときはあまり力が強く

      • 読んで学ぶMM入門22〜対応力〜

        MM練習にはいろんなルーティンがありますね。 8の字、斜め、サークル、直線を行ったり来たり... より練習を実践的なものにするのであれば、毎日違うことをやって色んな動きのバリエーションを身体に経験させることが大切です。 反復練習はマーチングには不可欠ですが、これは「習得するまで」の話。極限まで突き詰めるのが大事なんだという考え方もありますが、ずっと直線のルーティンをやっていても、曲線のルーティンは上手くなりません。 何かを練習するということは、「練習したことが上手くなる」と

        • 読んで学ぶMM入門21〜タッチ&ゴー〜

          タッチ&ゴーとは、進んでいる方向と真逆にディレクションチェンジするときのテクニックです。 具体的には、ディレクションチェンジ直前の1歩を着いたら一旦動きを止めて、次は着いた足から動き始めます。 ...5,6,7,⑧,1,②,3,4... この流れでは、⑧で右足が止まり(タッチ)、1で右足を上げて、②で右足が地面に着きます。 ここまでの流れはマーチングをやっている方なら大体わかると思いますので、ここではタッチ&ゴーの動きのポイントを書いていきます。 一番大切なポイントは、

        読んで学ぶMM入門24〜スタイルよりも大事な○○〜

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        • 読んで学ぶMM入門
          24本

        記事

          読んで学ぶMM入門20〜足のケア〜

          マーチングでは歩く・走るといった運動がメインとなるので、特に足を酷使します。 足は身体の土台。体重の全てを一身に受けているので、足のコンディションが悪くなると上半身まで影響が及びます。 ひどい時は足底筋膜炎(足の裏の痛み)を起こす場合もあります。 そうなる前に、しっかりとケアをしておきましょう。 まずは足の指が動くかチェック。グーチョキパーを作れますか?パーのとき指と指の間は広がりますか? 大抵の人は足裏の筋肉がガチガチで動かしづらくなったり、つりそうになっているはず。 こ

          読んで学ぶMM入門20〜足のケア〜

          読んで学ぶMM入門19〜筋トレ〜

          筋トレとは、筋肉に負荷をかけることで成長を促すトレーニングのこと。 筋肉が大きくなれば、そのぶん力も強くなります。力が強くなれば、できることも増えてきます。 ...というように簡単にいけば苦労はしないのですが、あまり成果が見えないのが実際のところ。 なぜなら、筋力が向上するのは確かですがそれは本ッ当に少しずつだから。 それに、トレーニングジムの重りを挙げるように単純な運動ならまだしも、私たちがやるのはさまざまな要素が絡み合った運動。単に筋力を向上させるだけを考えるよりもずっ

          読んで学ぶMM入門19〜筋トレ〜

          読んで学ぶMM入門18〜時間を作る〜

          マーチングの練習はとにかくやることが多い。 放課後2時間だけの部活、週に一度しか練習しない一般バンド、それぞれが都合と事情を抱えて練習時間を決めています。 そんな短い練習時間の中で準備運動、アップ、MM、楽器、アンサンブル、ドリル、ランスルー、などなどたくさんのタスクをこなすマーチングでは、今やるべきことを吟味して選別する必要があります。 とは言え上を目指せば目指すほど、やりたい練習や効果的なトレーニングがたくさん積み上がって、全部大事!となってしまいます。 気持ちはすご

          読んで学ぶMM入門18〜時間を作る〜

          読んで学ぶMM入門17〜感覚と力み〜

          感覚(sense)とは、情報を受け取る能力。機械で言えばセンサーのこと。 人間のセンサーにはたくさんの種類があります。 ・視覚→映像 ・聴覚→音 ・嗅覚→匂い ・味覚→味 ・平衡感覚→身体の傾き ・触覚→皮膚の感覚、質感 ・体性感覚→筋肉や関節が動く感覚 よく5感と言われますが、細かくわければ6つもしくは7つの感覚があります。 ここで注目したいのが、体性感覚の筋肉や関節が動く感覚です。 この感覚は身体の中で完結するもので、映像や匂い、触れる物、重力といった対外的・相対的

          読んで学ぶMM入門17〜感覚と力み〜

          読んで学ぶMM入門16〜インナーマッスル〜

          インナーマッスルを鍛えるのが良い! とはいうものの、インナーマッスルとはなんなのかをよく知る人は多くありません。 トレーニングの際は、鍛える目標がどういったものなのかを理解して、的確に行う必要があります。 人間の身体には大きく分けて[アウターマッスル]と[インナーマッスル]の2つがあります。 アウターマッスルは大きな力が発揮できて、おおざっぱに動くことが得意な筋肉です。ですが、持久力が無く疲れやすい性質も持っています。 イメージとして、身体の表面近くに存在することが多

          読んで学ぶMM入門16〜インナーマッスル〜

          読んで学ぶMM入門15〜違和感〜

          新しいことを始めると、必ず違和感があります。 いつもと違う叩き方、吹き方のアプローチ。 新しい振り付けやテクニック。 今までと違うことをしているので、微妙な差が気になってしっくりこないわけです。 その違和感は身体や感覚が変わっている真っ最中であることを示しています。新しい練習を始めるときは、この違和感をまずは受け入れてみること。そうして継続していくことで、だんだんと違和感はなくなっていき、自分のものとなります。 ただ、これは単なる「過程」。 一概に違和感が良いものというわ

          読んで学ぶMM入門15〜違和感〜

          読んで学ぶMM入門14〜軽いステップ〜

          大きな歩幅や速い足運びで歩くとき、ステップが力強く感じると大きな力が出ているように思えますが、実は重さを感じないくらい軽いステップの方がパフォーマンスが高いのです。 力強いステップを感じるということは、足でしっかりと地面を蹴っているということ。高いジャンプをする時には強く地面を蹴って身体を押し上げるのが正解ですが、歩く場合は少し違います。 歩行に力強さを感じるとき、身体は一歩一歩がジャンプのように少し沈み込むような動きが起きています。 これは、力を発揮するタイミングがズレ

          読んで学ぶMM入門14〜軽いステップ〜

          読んで学ぶMM入門13〜ディレクションチェンジ〜

          前後左右に歩けたら、それを組み合わせる練習もしてみましょう。 MMでの方向転換のことをディレクションチェンジといいます。 ディレクションチェンジをするとき、図形の角(かど)を意識して極力小回りにすることで見た目の効果がより良く現れますが、角を意識しすぎるあまり置いた足で地面を強く蹴ってしまうことがしばしばあります。 物理的には、「作用反作用の法則」というように反発力を使うこと自体は間違っていませんが、地面から返ってきた力は脚に強いダメージを与えます。それを何十回、何百回と

          読んで学ぶMM入門13〜ディレクションチェンジ〜

          読んで学ぶMM入門12〜スライド〜

          横方向に歩くスライドというテクニックには、ホーンセクション用とバッテリーセクション用の2種類があります。 ホーンセクションは身体をひねって腰を進行方向に向け、フォワードかバックワードで歩きます。 基本的な歩き方のルールはフォワードやバックワードと同じなのですが、身体をひねることで左右のバランスが崩れやすいため注意が必要です。 ポイントとしては、身体の縦軸をずらさずに、おへその上からひねること。 ひねる時に軸がずれてしまうと、重心のバランスが崩れ、歩きにくくなってしまいます

          読んで学ぶMM入門12〜スライド〜

          読んで学ぶMM入門11〜走る感覚〜

          ゆっくりのテンポでは自然に歩くようにしますが、速いテンポになってくると脚の運びもスピードアップしなければならないため、自然な歩行とはかけ離れてきます。そのため、歩く感覚に固執すると重心よりも脚が先に出るため、無駄な脚の力が多くなってしまいます。 人にもよりますが、およそ160bpmを上回ったら歩く感覚から徐々に走る感覚へとシフトしていきましょう。 具体的には、重心はより前へと倒し、足の接地時間を短くしていきます。重心を大きく前へと傾けることで、足の着地が上半身の真下に近づき

          読んで学ぶMM入門11〜走る感覚〜

          読んで学ぶMM入門10〜ローリング〜

          フォワードではかかとから着地して足指から抜けていきますが、この一連の流れをローリングと言います。 このローリングを滑らかに行えるとエネルギーのロスが少なくなり、疲れにくい歩行になっていきます。 よくあるイメージのくい違いですが、ローリングと言っても足の形そのものが丸くなるのではありません(靴底の形は少し変わりますが、あくまでサポートです)。 フォワードのローリングは、実は2回の回転運動が起こっているのです。 1回目はかかとが着地して足の裏全体が地面に着くまで。かかとの丸み

          読んで学ぶMM入門10〜ローリング〜

          読んで学ぶMM入門9〜バックワード〜

          フロアドリルでは後ろへ歩くこともあります。その時に使うテクニックがバックワードです。 人間の身体は後ろ向きに歩くように設計されていないので、マーチング初心者にとってはかなり恐怖心を伴います。初めて練習するときは地面に起伏の無い広い場所で行うことをおすすめします。2人以上で安全確認をしながらすると良いでしょう。 さて、バックワードで一番大切なことは、かかとに体重をかけないことです。 つまりかかとは地面から常に離れた状態になります。 かかとに乗って歩くと、重心のバランスが保てな

          読んで学ぶMM入門9〜バックワード〜