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読んで学ぶMM入門17〜感覚と力み〜

感覚(sense)とは、情報を受け取る能力。機械で言えばセンサーのこと。
人間のセンサーにはたくさんの種類があります。

・視覚→映像
・聴覚→音
・嗅覚→匂い
・味覚→味
・平衡感覚→身体の傾き
・触覚→皮膚の感覚、質感
・体性感覚→筋肉や関節が動く感覚

よく5感と言われますが、細かくわければ6つもしくは7つの感覚があります。

ここで注目したいのが、体性感覚の筋肉や関節が動く感覚です。
この感覚は身体の中で完結するもので、映像や匂い、触れる物、重力といった対外的・相対的なものがありません。

ゆえに体性感覚は他の感覚とは性質が異なり、これは「力みの感覚」と言い換えることができます。
この力みが強くなるほど、他の感覚がにぶくなってしまうのです。

さて話は変わりますが、大事な本番前には誰しも緊張しますね。
緊張していると視野がせまくなったり、今まで聴こえていた音が聴き分けられなくなったりします。すると、人は受け取りづらくなった感覚の代わりに筋肉に力を入れて体性感覚を感じることで安心しようとします。

これが、緊張による力みの正体の一つです。

この力みを取り除くには、逆に視覚や聴覚、嗅覚などに訴えます。
具体的には、本番会場や舞台の上などで客席を見渡したり、空気の匂いを感じたりすると、力みを緩和させることができます。
また、本番前に好きな映像を見たり好きな匂いを嗅ぐことでリラックスすることもおすすめです。

筋トレなどを日常的に行っていると、力みの感覚が優位になりやすくなるため、技術的な練習やドリルなどの流れが大事な練習では邪魔になることもあります。
対外的なセンサーを意識的に優位にすることで身体をリラックス状態に戻すことも、大事な練習のひとつですね。

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