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共鳴し合う

「他人任せにしない」
「練習から本番のつもりでやる」

校外学習のスローガンの達成率は76%。優勝したのに76%でいいのか。そんなクラスだったのか。そこから文化祭に向けて、どうするか彼ら自身で考えた結果があの2つだった。


壁新聞。題名をどうするのか。レタリングは?記事の内容は?男女関係なくひたすらアイデアを出して、あーでもないこーでもないと言いながら必死に進めていた。
「先生、題名どうしましょう」
「え、そこ決まってないの?んー。かっこいいやつ?」
「あ、○○くんがこの前書いてくれた『覇氣』にする?」
「あー!それだぁ!」
バックに、情熱が花言葉のレンゲツツジを書いた覇氣はとてもかっこいい壁新聞にしてくれた。記事も何度も何度もやり直したけれど、彼らがいい言葉を選び、文章を直してくれるので精度が上がる文章は見ていて楽しかった。濃い2週間をすごしたなぁと思う。

合唱。ピアノを弾ける子が1人もいない。嘘でしょうと言いたくなったが、いないものはいない。降ってもこない。
そこで出たのが「担任が弾く」
15年習っていたのはこのためか。国語科だけどピアノが得意を全生徒の前で見せちゃうか!
生徒の練習を見つつ、自分の練習もするのは難しかった。伴奏になると、外から冷静に聞けないので、どうしてもパートのバランスや言葉の出だしなど細かい部分の指導が上手くできない。しかし、3年生にアドバイスをもらったり、音楽の授業で言われたりしたことを彼らが少しずつ具現化するようになって、当日何とか形になった。賞を取りたいと言いつつも、その完成度には程遠いと誰もが思っていたら、本番で想像以上の力を発揮してしまったらしい。優秀賞を取った。結果発表で担任生徒双方が呆然としていたのはおもしろかったなぁ。

わたしはとても濃い、幸せな時間を過ごせた。
学校が大好きだという気持ちを半年ぶりに思い出せた気がする。
だって、彼らと共鳴し合えたんだから。

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