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かえしますか

「さきほど “しさん” というスーパーの表記に誤りがありました。」

テレビでは「スーパー」という文字テロップが多用されます。

音声だけでなく文字も併用することで、わかりやすく伝えるのが狙いで
「演出」の範疇に入ります。

いわば視聴者への「おもてなし」みたいなものです。

しかし、肝心のスーパーが誤っていては元も子もありません。

先日、ある経済ニュース番組で、「資産」と示すところを「試算」と出たため数分後のスタジオ部分でキャスターが「訂正」を入れました。

こういった「訂正してお詫びします」は、よく見る光景です。
余談ですが、「訂正して」「お詫び」なのか、「お詫びして」「訂正」なのかどっちが正しいのか問題もありますが、個人的には前者かと思います。

で、なぜこういうことが起こるかというと、「スーパー」の運用って、人による手作業だからです。

まず、スーパー原稿を作り、それを人の目でチェックします。さらに入力も人の手です。
あらかじめ作り置きするVTRでは、入れる場所、タイミングを調整して確認できます。

しかし、生放送の場合「ナマ叩き」と言って、リアルタイムで挿し込んでいくこともあります。これも手作業なので、タイミングを間違えたら一大事です。

午前中に生放送している情報番組でのこと。スーパーの間違えの訂正放送を入れたところ その情報が間違っていたため、時間を置いて再度訂正放送を入れるという、とんだミスが起こりました。
視聴者からの「なにやってんだよ~」というツッコミの声が聞こえてきそうです。

こういった、ミスの発覚はチェック時にはスルーしていても、放送を見ていた別のスタッフが気づくことがよくあります。さらに、視聴者からの指摘で発覚することもあります。

視聴者からの指摘で自分のミスが発覚したことがあります。

2008年、ニューヨークシティマラソンを伝えるニュースで、優勝したイギリスのポーラ・ラドクリフ選手を伝えるナレーション原稿に「ダニエル・ラドクリフ」と書いてしまいました。

事前のチェックで誰も気付かず、生放送なのでナレーターさんがナマで原稿を読み上げます。

すると、視聴者から電話で指摘があり間違いが発覚。
当時、2ちゃんねるのテレビ番組スレッドには「ハリーポッター?」という書き込みが散見され、恥ずかしい思いをしたことがあります。

テレビは、ライブと違ってお客さんのリアルな反応を「現場」で感じることができないため、誰が見ているんだろう?という気分になりがちです。

しかし、間違いを指摘されることで、皮肉なことに「ちゃんと見ている人がいるんだ」という実感を覚えます。(もちろん間違ってはいけませんが)

コロナ 禍になって、生活様式に変化が現れる中、特に「つながり」が意識されるようになり、SNSでも生配信コンテンツはさらに伸びています。

最近、つながりを感じることがある出来事です。

去年出版した書籍がメルカリに出品されていました。商品説明欄に「数カ所ドッグイヤー(折り目)があります」との記述。商品写真の一枚は折り目部分のアップでした。

「数カ所の折り目って、どこに付けてくれたんだろう」と気になり思わず購入しました。

すでに発送連絡があったので、今日明日には到着すると思います。

リアルなお客様の反応。

ライブでなくても、こんなコール&レスポンスがあるという新たな楽しみを発見。

メルカリでは、商品を受け取ったら到着連絡をします。

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沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です