「仕事の問題地図」を読んでみた

おはようございます。今日もよい一日をともに過ごしましょう〇

著者は沢渡 あまね(さわたり・あまね)さん
1975年生まれ。あまねキャリア工房 代表(フリーランス)兼 株式会社なないろのはな 取締役。作家、業務プロセス/オフィスコミュニケーション改善士。日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社を経て2014年秋より現業。経験職種は、ITと広報(情報システム部門/ネットワークソリューション事業部門/インターナルコミュニケーション)。現役時代、残業だらけのシステム運用チームを定時帰りの職場に変えた経験あり。趣味はダムめぐり。とのことです。

個人的によかったポイントをリマインドします。
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【計画できないのは?】
①「勘で何とかなるだろう」と思ってる
②計画の標準形がない
③やるべきことがわかってない

計画化のポイント4つ
①構造化してみる

階層

※ポイントは漏れなくダブりなくチェックすること
・①「AとA以外」で考えてみる
例)「男性と女性」「日本と海外」「管理職と非管理職」
・②計算式にあてはめてみる
例)「総売上げ=単価×売上」→「単価」と「売上」の観点
例)「サービスの価値=有用性×保証」→「有用性」と「保証」の観点
・③プロセスの各段階に当てはめてみる
例)「構想」と「設計」と「試作」と「製造」と「販売」「開発」と「運用」
※大事なのが1人で悩まずに、とっとと他人に構造図を見せて相談すること

②計画表を書いてまわりに相談する
下手でもいいから、計画を表にしてみる。
縦に「何を」横に「いつまでにやる」を記すだけでもOK。
「何を」は最初につくった構造図で洗い出せている。
・項目の「抜け」「漏れ」がないかチェックする
・そのテーマに関する知識・経験が自組織にあるのかないのか判断する


③「未知」か「既知」かを皆で判断する
「そのテーマは自組織にとって『未知』か『既知』か?」
既知であれば、アタリをつけて過去のデータを探す、あるいは担当者に聞きに行く。そうすれば以前考えた観点や活動項目を流用できる。
未知であれば、外から知識や経験を仕入れるしかない。講演を聞きに行く、研修を受ける。外注する。

④情報共有の旗振り役を置く
情報共有の旗振り役は「管理職」が行う。
・ひと仕事終わったら、振り返り会をやる
→その知識をドキュメント化して、所定のフォルダに格納する
・社外や社内の講演会や勉強会に積極的に参加する
→そこで得た知識を、定例のチームミーティングで話す
・毎日イントラネットをチェックする
→他部署の面白そうなニュースを見つけたら、メールで全員に共有する

【進捗報告がなく遅延するのはなぜか?】
上司は部下に指示した仕事を部下が自主的に報告してくれると思い、
部下は上司から聞かれたら報告すればいいと思っているから。
つまり基本的な「報連相」ができていないから
▼改善方法▼
①コミュニケーション計画をつくる
・いつ、定例の進捗報告をするか?
・問題が発生した場合の報告手段とメンバーは?
・変更が発生する場合、だれに、どのように相談をするか?変更を協議するフローは?
②フォロー役を設ける
進捗を確認してフォローする役を、だれかにやってもらう。これは、進捗の共有漏れを防ぐ効果大。

【チームに一体感がないのはなぜか?】
①意識がバラバラ
②一部の人だけ突っ走っている
③仕事の終わりが見えない
④低モチベーション
▼改善策▼
3つのケジメをつける
①目的を共有する
・その仕事は、何のためにやるのか?
・だれに、どんな価値をもたらすのか?
・私たちが取り組む意味は?
・完了状態は?

上記項目をチームメンバー全員がわかっている状態をつくる。
管理職、リーダーは仕事の目的を設定する。目的は生き物であり、途中で変化する。なので、リーダーは目的を定期的に上位者と確認し、メンバーに共有する。
②終わりを見せる
「いつ終わるのか?」を示す。それが、組織と人との信頼関係をい指示するためにはとても重要。
③役割と期待を明確に
自分の役割は何か?この仕事では、自分に何が期待されているのか?これが曖昧だと、人は適切に行動することができない。

【モチベーションが低くなるのはなぜか?】
低モチベーション・やらされた感をもたらす原因群は3つのゾーンに分けられる。
①信頼・愛着ゾーン
▶お互いを知らない
・チームメンバー同時、お互いがお互いを知らないと
→助け合わない(というより、助けようがない)状態が生まれる。
・リーダーがメンバーのことを知らないと
→仕事と人のアンマッチ、すなわち、不適材不適所の人材配置が生まれる。
▶情報が与えられていない
重要情報を与える=相手を信頼する証。裏を返せば、人は情報を与えられないと、相手から大切に思われていないと感じるようになる。

②過剰期待ゾーン

▶イノベーションかぶれ
経営者やリーダーが、社員やメンバーの能力を過大評価している。その結果、過剰な期待をかけすぎている。それがモチベーションの低下を招いている可能性もある。いちいち「イノベーションはあるのか?」と部下に因縁をつけていると、組織は思考停止に陥る。地道な業務改善や、ちょっとした工夫こそ評価してあげるべき。
▶適切な教育が施されない
ろくな教育を施さずに、高い成果だけ求める。それ、ムシっが良すぎやしませんか?無理に社員がけで頑張らせようとせず、きちんと予算をとり、外注して専門家の力を借りさせるなり、外部の研修や講演会を聴講させるなりしましょう。

③あいまいゾーン
▶役割・責任が不明
各々の役割や責任があいまいな状態は、メンバーのモチベーションを大きく下げる。
役割・責任が曖昧な状態は、時にメンバーを思考停止に陥らせる。
部下やメンバーへの丸投げも要注意。逆に「俺って便利屋か?」と思い、リーダーへの不信感を募らせる人も少なくない。役割・責任は明確に!

③その先の未来が見えない
「このプロジェクトが終わった後、自分はどう成長しているのか?」
「この仕事を通じて、どんなスキルが身につくのか?」
「この仕事が終わったら、次はどんな仕事が待っているのか?」
先が見えない、それにより不安を感じ、モチベーションを下げる人もいる。

▼モチベーション低下の打開策▼
◎「知る場を設ける」こと

・人を知る
・製品を知る
・会社(組織)を知る

この3つは、組織への愛着や帰属意識を醸成するのに欠かせない要素。とりわけ、「人を知る」取組は、どんな職場でも大事。社員同士、メンバー同士、お互いが知る場を設ける。リーダーには率先して取り組んで頂きたい。
・いつもの定例会議。最後の10分は各メンバーの取組を発表する時間にする
・週1回は、チームメンバーで昼食を一緒にとる
・ほかのチームと合同で勉強会をする
こんなちょっとした取組でも、2~3ヶ月も続ければ、職場の雰囲気がだいぶ変わってくる。自然と会話が生まれるようになる。そこで働くモチベーションが上がる。
人は知れば好きになり、好きになれば主体的に行動するようになる生き物。
知る→好きになる→行動する。この循環がさりげなく生まれる仕組みを作りたいですね。
・情報共有の順序にも気配りを
情報を相手に対し先出しにすることで、相手にプレミア感をもたせる。ちょっとした工夫が、メンバーのモチベーションを向上させる。
・知るための時間とお金を惜しまない
社員に「イノベーション」「主体性」を求めたいならば、そのための知識習得やレベルアップに時間やお金を惜しまないようにする。
・外部研修や講演を受けさせる
・他社との勉強会に参加する
・外部のコンサルタントに参画してもらう

【期限に終わらないのはなぜか?】
期限を守れなくする4つの原因群
①柔軟性がない
▶変更に対応できない
計画とは生きものです。仕事の大きい小さいに関わらず、何かの変更は発生する。むしろ、当初の計画どおりコトが運ぶことは稀。ある程度の変更は想定して、対応できるようにしておきたい。
▶横入りに対応できない
突発オーダー、トラブル、クレーム、問い合わせ、様々な横入が行く手を阻む。
②計画・管理が甘い
▶見積もりが甘い
なんのリスクも見積もらない楽観的な計画は「計画」ではない。
▼楽観的な計画ができあがる理由
・メンバーの知識のなさ、仕事に対する意識の低さ
・リーダーの現場に対する無知さ
・勘頼みの仕事のやり方(=作業工数や期間を見積もれない)
▶フォローが甘い
誰かが進捗管理をすれば、「し忘れ」「やり漏れ」を防げるが、管理する人が抜け落ちている。
③知識・スキルがない
仕事の進め方を知らない。あるいは、手の抜き方を知らない。仕事を進めるための能力がない。このような無知やスキル不足も、仕事を遅らせる大きな要因になる。
④過度な自責意識
自分の仕事を、何としても自分だけでやろうとする。課題や悩みを1人で抱え込む。その背景には次の要因が絡み合っている。
・「やばい!」「ヘルプ!」と言えない
・「だれかに頼るのはよくないことだ」「まわりに迷惑をかけていはいけない」
・「これくらい、自分でなんとかしなければ」
・自分で何とかできなかったら評価が下がる

期限を遅らせる4つの要因
①柔軟性がない
②見積もりが甘い
③知識・スキルがない
④過度な自責意識
▼これらの対処方法▼
・変更をコントロールする(変更管理)
しかるべき有識者や関係者を呼んで検討会を行い、変更の目的やリスクを評価し、変更する/しないの判断をし、さらには変更計画をきちんと合意する。
・安心して「忘れられる」環境を作る(インシデント管理)
①まず最初に:インシデント管理簿を作成する
②「横入り」発生:インシデント管理簿に概要を記入する(個人で)
③「横入り」発生:対応方針や優先度を決める(チームで)
④週一回程度:インシデント確認会を実施し、進捗を確認する(チームで)

・「横入り」は翌日以降の対応とする
・「横入り作業に対応する時間」を毎日1時間設定しておき、その時間でまとめて対応することとする
・最優先業務をあらかじめ決めておき、それ以外の「横入り」の優先度は下げる
・「横入り」が入った都度、最優先業務の遅延日数を算出し、依頼者と合意してから進める

定期的にインシデント管理簿をチーム全員で確認し、担当者が忘れていたら誰かが指摘できるようにするーこの仕組みこそ重要。

バッファを設けて計画をつくる
バッファは、予定所要時間の1~2割が妥当を言われている。
・3時間で終わりそうな仕事なら、完了予定時刻を3時間30分後とする(バッファ=30分)
・1週間(5稼働日)で終わりそうな仕事なら、完了予定日を1週間と1日後にする(バッファ=1日)
・1ヶ月(20稼働日)で終わりそうな仕事なら、完了予定日を1ヶ月と2日後にする(バッファ=2日)

コミュニケーションする「場」を作る
・メンバー同士、お互いに何に困っているかを知り、手を差し伸べれるようにする。
・上司や先輩のやり方を知る、学ぶ。
・チーム内や社内に、経験や知識がないかを知る(なければ、外を見る)
そのためにコミュニケーションの場をつくる。

意見しやすい空気をつくる4つのポイント
☑役割・責任をとにかく明確に
自分はなにをすべきか?何を期待されているのか?それがわからないのに、意見なんて持ちようがありません。
どういう視点で問題意識を持ったらいいのか?意見や提案する権利があるのか?そこに気づいてもらうことが、とても大事。

☑意見が出るような仕込みをする
・意見照会する旨を事前に周知する
・フォーマットを配って、どんな視点で、どんな意見をすればいいのか、メンバーがイメージしやすいようにする(具体的な例を添えて!)
・テーマに関連する参考記事を配布して、読んでおいてもらうようにする
・ファシリテータを置く

☑戦略的離席
・そこにあなたがいるからかもしれない。
・リーダーの影響力がありすぎて誰も何も言わない。
・自分は離席し、メンバーだけで意見交換をさせ、後日出てきた意見をメンバーから報告してもらう。

☑オフタイムコミュニケーション
・会議の場ではなかなか本音で伝えにくいもの、オフのコミュニケーション、これが大事。

相手を動かすストーリーに不可欠な8つのポイント
①その仕事を進める目的は何か?
②終わった後に、どんな世界が待っているのか?
③だれに、どんなメリットがあるのか?相手のメリットは?
④やらないと、どんなことが起こるのか?
⑤なぜ、いまそれをやるのか?
⑥なぜ、あなた(たち)がそれをやるのか?
⑦なぜ、その相手に協力してもらいたいのか?
⑧その相に、どうふるまってもらいたのか?
「人は説得しようとすると抵抗する。しかし、納得すると自ら動く」

失敗から学ばない組織にある2つの特徴
①立ち止まらない・振り返らない
②過去の失敗の情報が共有されない

失敗を組織の学びに帰る3つのポイント
①必ず振り返りをする
▶たった30分でも構いません。メンバーが文章を作るのがしんどそうであれば、リーダーがヒアリングして下記残してください。
②失敗の共有を促す制度を作る
▶あるIT企業では、各部門と社員の人事評価に「対外貢献ポイント」という項目を設けている。仕事を通じて得たノウハウや失敗事例を共有した場合、加点評価される。同社では社員が自ら進んで失敗情報を共有しています。
         





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