THE観光地デエト
日本人も外国人も集う
THE観光地の最寄駅での集合となった。
私は、午前に用事を済ませ
足早に集合場所へ向かう。
5分前に着くと彼は既に到着していた。
指定の場所で無事に彼と会うことができた。
さぁて、ランチは何を食べましょうか。
私は事前に数件調べていた。
ノープランだった彼は、
私の提案に乗ってくれた。
とりあえず最寄りのお店を覗いた。
一軒目はすごく感じのよいお店だったが、
食べたいセットが売り切れで
別のお店も見てみることにした。
もう一軒のお店へと歩き始めた。
THE観光地を歩くと、まるで彼と旅行に
来ているような気分になる。
彼と一緒に旅行ができたら…
どんなに楽しいんだろうか。
モヤモヤっと妄想をし、
羨ましさで胸がチクリとなった。
お目当てのお店に到着するまでに
何軒か気になるお店はあったが、
定休日だったり…
美味しそうだけど、
うーんちょっと今の気分ではなかったり…
やはり初志貫徹に、お目当てのお店を
目指すことにした。
到着すると、行列ができていた。
超がつくほどの人気店。
美味しいに違いない!
私のグルメアンテナはピカイチだ。
が、しかし!!!!!
彼は並ぶのが大嫌い。
行列で有名な夢の国なんてもってのほか、
行くのも嫌で家族とも行っていない。ほど。
そんな彼を連れてきてしまったのだ。
さぁて。どうしようか。
彼の行列嫌いは知っていたが、私は
並んでみましょうか♡
と、おねだりをしてみた。
2人で話していたら待つのも
あっという間かもしれませんよ♡
と提案をしてみた。
彼の返事は、
いいですよ。えっちゃんが言うのなら。
え?!いいんですか?ほんとに?!
ワガママきいてくれて
ありがとうございます♡
えっちゃんはワガママですね~。
えっちゃんのワガママならききますよ。
まさかの彼が折れて並んでくれることに。
まさか彼が頑張ってくれるとは。
こんなことはありえない。
彼にとっては生まれて初めての行列だ。
申し訳ないやら嬉しいやら。
我々はちょこんと行列の一番後ろに並んだ。
たとえたとえ、長い行列であっても
彼と一緒に居られることに喜びを感じ
笑顔がこぼれ喜ぶ私。
そんな私を微笑み見つめる彼。
見つめ合い続けるふたり。
見つめ合うとふたりの距離が
ぐっと近くなる。
磁石のように引っ付きあうふたり。
行列の一番後ろで静かにキスをした。
互いに会いたくて会いたくてたまらなく
我慢できなかったのだ。
私もそうだが、彼もそうなんだ、と。
どうやら彼もまだ私のことが好きらしい。
そう確信した瞬間だった。