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オープンリレーションシップ実践

要約

情熱的な人たちに向けて複数人のパートナーを持つオープンリレーションシップという関係性をおすすめする記事です。

オープンリレーションシップとは

オープンリレーションシップとは、お互いのパートナーを一対一で限定せず、話し合いと信頼関係をもとに排他的でない関係性を築いている状態・考え方のことです。浮気や二股とは違い、全員の合意があるということがポイントです。

なぜ私がオープンリレーションシップを始めたのか

私は2020年の2月からオープンリレーションシップを実践しています。パートナーである荒井めいさんは、色々な人を愛することができる類まれなる才能を持っており、その魅力に惹かれていた点と、複数人の友達とゆるい家族関係を作りたいなと思っていたことが、オープンリレーションシップにいたるきっかけとなりました。めいさんに対しては、性愛的な好意を抱く前から、家族的な観点から愛しており、セックスのありなしに関わらず家族になりたいなと思っていました。結婚による一般的な夫婦関係を望むものではなく、独特の家族観を求めていたこともあり、養子縁組という関係性に可能性を見出し、五月に養子縁組を組みました。インタビューされた記事がこちらになります。


現状、オープンリレーションシップをすることになって以来、私はめいさん以外にパートナーがいたことはなく、めいさんには私を含めた二人のパートナーがいます。

一般的(と思われている)恋愛への思い

一般的な恋愛関係というものは他者を排除した一対一の関係であり、関係に求めるもの全てを一人の人間に対して要求することになります。これは良くも悪くも一人に依存した状態であり、相手が要求に答えられない場合などに、食い違いが生じることがあります。私はあまり連絡を頻繁に取るタイプではなく、出不精のため遠出をすることを億劫に思ってしまうことがあります。これを無理に相手に合わせてしまうと、自分の中で負担と不満が溜まっていき「わざわざやってあげているんだぞ」という押し付けの気持ちが出てきてしまうことがあります。かといって相手に我慢を押し付けるのも不憫であり、一般的な回答としては「何とかそこをごまかしながらやっていく」というものだとは思いますが、いっそお互いが我慢するぐらいなら一人に依存せずに複数人に依存する、という選択肢も考えられます。
また、恋愛関係における馴れによってなあなあになってしまう問題もあります。経験上、長期間の関係性を築くと、自分と相手との境目があいまいになっていき、相手に失礼な振る舞いをしてしまうことがあります。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉がありますが、仲が良いからといって相手に対する尊敬と信頼を常に保つ努力をすべきだと思います。さらに、長い時間を一緒に過ごすと、お互いの考えがお互いの仲を巡り始め、相手の話すことが大体分かってきて、付き合っていく中での経験性が乏しくなっていきます。一方オープンリレーションシップでは他者からの影響を受けることで、お互いがどんどん別の人間に変化していき、経験を活性化させることができます。

実践にかかる諸問題

嫉妬

オープンリレーションシップを実践していく中で様々な出来事が発生します。まず大きなトピックとして嫉妬の問題があります。私の場合、めいさんが他の人とデートをしていると(主にTwitterで判明します)、今でこそ少し動悸がするだけで済んでいますが、はじめのころは感情が暴れてどうにかなってしまいそうでした。オープンリレーションシップを実践していく中で、嫉妬という感情が悪いものでも良いものでもなく、ただただ沸き起こってくるものだという感覚になりました。嫉妬というのは個人的、肉体的、社会的な様々な思いの複合体です。自分と他の人を比較されたらどうしよう、他の人が自分より魅力的でおもしろかったらどうしよう、飽きられたらどうしよう、他の人とデートをするということは自分のことは愛していないのだろうか、自分には見せない顔を相手に見せているんだろうか、セックスはどんな感じでするんだろうか、次合うときはどんな顔をして会えばいいんだろう、デート相手はどんな感じなんだろう、どんな話をしているんだろう、友達が少ないことが悔しくなってきた、それでもまあ自分の方がおもしろいだろう、などなど。嫉妬という感情の中に潜む色々な思いを見つめることで、自分のことを理解するきっかけになります。例えば「他の人とデートをするということは自分のことは愛していないのだろうか」ということについて考えてみましょう。論理的に言ってこれは間違っています。「三人の子供を持つ親は、必ず誰か一人の子供しか愛していない」ということがありえないように、愛は一人にしか向けられない排他的なものではないからです。ここで、この沸き起こってきた考えをただ否定することはしてはいけません。理性的に考えれば間違っているはずなのに、沸き起こってくるこの思いを、まずはただただ見つめることが大事です。すると「恋愛関係は一対一で行うのが普通であり、好きでなくなったから浮気をする」というような社会的に構築された考えが、自分の身体の中に染み込んでいたことが分かってきます。その考えが、正しいのか間違っているのかはここでは関係なく、自分が無意識に考えていたことが意識の中に上がってきたことによって、その考えを採用するのか棄却するのか、明確な意図を持って選択することができるようになるというこが大事です。意識せずに考えていたことと意識して考えていることでは考えの解像度が数段階異なります。無論、いつまで考えてもモヤモヤした気持ちが何なのか分からないまま残り続けることもあります。感覚的な数値で言うと、20%~30%ぐらいは自分でも分からない感情です。世の中の全てのことが分かるわけではないように、自分の身体や気持ちが全て分かるわけではありません。そのモヤモヤを放置したり、抗ってみたりを繰り返しながら自分を少しづつ理解していくことが大切です。

デートスケジュール

次にスケジュールの問題です。愛は排他的ではなく無限大ですが、デートの時間は排他的です(複数人でデートするという案も考えられますが...)。私はめいさんとは規則的に週に一回、休日の日に会うということをしていて、それ以外の日は空いています。現状めいさんのパートナーは二人のため、金曜日の夜からのデートと、土曜日の夜からのデートでうまく割り振られていますが、めいさんのパートナーが三人になった時や、私に別のパートナーができた場合など、関係する人数が増えていった時に、スケジュールがバッティングすることが考えられます。実際はどうなるのかは分かりませんが、Googleカレンダーなどを使った予約制のようなものになるかもしれないなと予想をしています。

オープンリレーションシップはおすすめか

もしもあなたが、頭が良くて、他者に対して誠意を持つことができ、情熱的で様々なことに関心を持っているならば、絶対にオープンリレーションシップをおすすめします。オープンリレーションシップによって巻き起こる色々な感情は、独特の質を持っていて、他では味わうことができない愉悦の体験です。目まぐるしく変化していく自分の考えや感情は、怖くもあり、ワクワクすること必至です。一人としか付き合ってはいけない、という常識を破壊することで人間関係の可能性が圧倒的に広がります。オープンリレーションシップは開けた視座であり、清潔で透明な風なのです。愛することは状態ではなく行動です。惰性で愛さないでください、思考停止をしないでください、次の瞬間変化している愛に必死で掴みかかってください。みなさんのことを応援しています。

余談

めいさんが、私ではないもう一人のパートナーとのデートを描いたエッセイを紹介します。直近のことなので、私はまだ感情がざわざわしてうまく読むことができていません...。いやまじで。

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