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人のこころに残るもの

●今回の記事は2011年の震災と今回の新型コロナウイルスについての内容になります。
苦手な方はお読みにならないようご注意ください。

こんにちは、MaPRE ねねです。
とうとう4/7に非常事態宣言がされました。
(とっくの昔にそうじゃんか〜!という声やいろんなお言葉ありますよね…わかります)
といってもMaPREは今後も通常通り運営していく予定です。
お取引先や加工先がお休みされたりした時は出来る限り電話やネットでやりとりをし、
数が少なくなっても待ってくださっているお客様がいらっしゃる限り、お互い健康に気をつけてやりましょうという状態です。


先日会社を立ち上げたばかりで、きちんと会社としてのインフラも整ってないままこのような事態に突入してしまいました。
気持ちとしてはとんでもない荒波になっちゃったぜ…という感じなのですが、
もともとひとりぼっちで売り上げが全くない月もたくさんあった頃からやってきたのでまあ不安になりすぎても良くありません。
なんとか目の前のことをひとつひとつやるだけですね。
逆にこの期間にジュエリーのデザインのお仕事以外にもやりたいことが見つかるかもしれない。
どんなふうに過ごしていくべきか、ちょっと考え中です。

ジュエリーなどは有事の際にはやはり不要不急の品物に分類されてしまうのですが…果たして本当に、本当にそうなのでしょうか。
私はいままさに9年前の津波の時を思い出しています。


2011年3月11日の東日本大震災の時、とある日本のジュエリー企業でデザインとマーケティングに従事していた私は、
そのあと仙台港の某アウトレットにお店を出すから品を集めて開店準備をしてくれと
東京から仙台に向かいました。
母方の実家が仙台でしたが、港の方にはあまり馴染みがありません。
それでもまるで日本とは思えないような光景が周りには広がり、そこにどどんとまっさらなアウトレットの建物が建っていたのがなんだかCGでとってつけたようで変な心持ちになったのを今でも思い出せます。

なんでこんな時にお店出すのかな、
余震が来たらきっと私ここで死んじゃうな、
ていうか人、来る??そういう状況か??

はたして本当にジュエリーは人の役に立つ仕事なんだろうか、違うことをやった方が人々に貢献できるのでは…
などといっちょまえに悩みながら陳列し、
オープンの日はやってきました。

私の不安なんて全然いらなかった。
開店と同時にアウトレットそのものに人だかりができて、たくさん並べていたジュエリーは
ピアスやパワーストーン系の数千円のもの、
お求めやすい値段のものから何十万の高額品までびっくりするほど売れたのです。
店頭に立っていた私は接客やご提案、お包みなど一通り対応させていただきました。

あまりの賑わいにお客様も楽しそうで、私まで元気をもらいました。
「津波で何もかも全部流されてしまったから、新しく思い出を作るために買いに来たの」
「元気が出るお守りが欲しくて」
「綺麗なものをそばに置いておきたい」
「未来への自分の応援に」
さまざまなお話を伺いました。
母の実家が宮城なんですと話すと、皆さままた色々お話ししてくださって嬉しかったです。
時々はやはり涙が出そうなお話もありましたが、私が涙目になっているのを見て逆に励ましてくださる方もいらしたり。
皆さま各々ジュエリーをお持ちになってお店を出られる時は、次はどうする?お茶でもする?と
明るい笑顔でいらしたのが本当に幸せでした。
ジュエリーの仕事を信じて選んで良かったなと、6月の仙台の風に吹かれて思ったのです。

ジュエリーは確かにその「もの」だけ見れば不要不急の品物です。
ですが、お持ちになる方がジュエリーを通じて見る景色がどんな素敵なものになるのか。
思い出や未来への希望、失ったものや得たものの記憶、大切な人との絆が、ちいさな宝石に込められています。
私が作れるのはその想いを入れる器で、そこに魂や物語を吹き込んでいかれるのはあくまでお客様です。

これから世界がどんなふうになるのか、わたしにはわかりませんが、ジュエリーはなくならないと確信しています。
細々とSNSや文章で、宝石やジュエリーの力を伝え続けていきたいなと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

この事態を受けて不安になっている全ての方に1日でも早い安らぎが訪れますように。
今も不眠不休で患者さんを救っている医療関係の皆様、運送、配送、農業や畜産、私たちの生活を守ってくれている小売店の方々などに心から敬意と謝意を込めて。

MaPRE ねね

MaPRE ねねです。サポート頂けるとすっごい励みになります…!これからも皆さまとジュエリー&宝石たちをつなぐ文章を書けるようにがんばります💎