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「 躍動する新入団選手」 VOL.6

マンダリンパイレーツには今シーズン14人の新人選手が入団していますが、例年に増してチームの中軸として活躍し、リーグのタイトル競争を繰り広げている選手も少なくありません。今回はそんなチームを支える新入団選手にスポットを当て、彼らの「今」、そして「これから」に迫ります。題して「 躍動する新入団選手」。

半数近くの試合に登板 中継ぎで献身的に支える
投手 立本颯(たちもと・はやて) 背番号13

 パイレーツは8月13日現在、前期と後期合わせて53試合を終えている。そのうち半数近くの24試合マウンドに上がっているのが1年目の立本投手であり、中継ぎとして献身的にチームを支えている。自他ともに認める「クセのある左のサイドスロー」だ。MAX140㌔のストレートの他、得意のチェンジアップは球速の変化から数種類あり、スライダーも同様。クロス気味に腕が遅れて出てくるフォームで、左打者には出所が分かりづらく、右打者には食い込んでくる。かつて阪神で活躍したJ・ウィリアムス投手を彷彿とさせるイメージであり、独特の球筋が持ち味だ。
パイレーツ入団後は一時期肩を故障し、そのケアのため自身の開幕は5月中旬と出遅れた。5月中旬からの実働開始というなかで、チーム最多の羽野選手(26試合)に次ぐ24試合に登板しており、現在1勝0敗、防御率2.45、6ホールドという好成績を上げている。

「振り返ると結構投げていますね」とやや自嘲気味に苦笑しながらも、「僕は毎試合投げるつもりで試合に臨んでいます」と胸を張る。「肩も勿論ですが、体調は全然問題ありません。全部いくつもりで準備しています」と話す。役割は中継ぎであり、言うまでもなく先発からバトンを受けて抑えに繋ぎ勝利を掴み取る大事な役目だ。時には崩れかけた試合を整え直す役割も担っていて、勝ち試合だけでなく負け試合にも投入される。緊迫した場面は多く、失点を防ぎながらも「大事なところで打たれてしまった試合が幾つかあり、悔しさもあります」。その1つとして彼の心に残るのが7月8日の香川OG戦(志度)で、2番手でマウンドに上がり、2アウト満塁から死球を与えた。「自責点は付かなかったですが、ゼロで抑えないといかん場面でしたから結構悔しかったです」。

 「以前3連戦で3つ連続で投げたこともありました」という。中継ぎは肉体もさることながら精神のタフさがあってこそ務まる。だが、いくらタフであっても負担過多、酷使は避けねばならない。そのため彼は「練習時には投げ込みを抑え気味にし、ブルペンに入る回数も少ないと思います。キャッチボールの球数を減らしていて、その分試合で投げられるようにする調整を心掛けています」。また、大学では春と秋が公式戦シーズンであり、夏場はいわばオフ。彼にとり8月は初めての経験であり、猛暑がまだまだ続くなかでマウンドに上りチームの勝利に繋げるか――そのために持ち前の根性むき出しのがむしゃらさを前面に打ち出しながらも、もう1つの持ち味である緩急を生かしながら冷静にクセ球を駆使するピッチングで、チームに貴重な勝ち星を手繰り寄せていく。

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