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「 躍動する新入団選手」 VOL.2 宇都宮葵星(きさら) 内野手・背番号38

パイレーツには今シーズン14人の新人選手が入団していますが、例年に増してチームの中軸として活躍し、リーグのタイトル競争を繰り広げている選手も少なくありません。今回はそんなチームを支える新入団選手にスポットを当て、彼らの「今」そして「これから」に迫ります。題して「 躍動する新入団選手」。

「 躍動する新入団選手」 VOL.2

宇都宮葵星(きさら) 内野手・背番号38 成長著しく 可能性可能性 大きく膨らむ

 宇都宮葵星・内野手、6月23日19歳になったばかりの新人選手だ。チームで最も成長著しい若手の1人であり、大きな可能性を感じさせるニューヒーローであるのは言うまでもなさそうだ。
坊っちゃん球場で開催された6月24日の後期開幕戦、パイレーツは徳島ISに4対10と敗れたが、唯一ともいえる収穫が宇都宮選手だった。彼は7回裏、ドミニカ出身の剛腕投手マルティネスが投げた1球目164㌔のストレートを見事にはじき返し2塁打。9回裏には150㌔台の速球が武器の抑えのエースからタイムリーを放ち、気を吐いた。「たまたま出したバットにボールが当たっただけ」と彼は照れるが、観客はボードに電光表示された164㌔のスピード数字以上に、弾き返したそのバッティングにざわめいた。また、彼は翌25日の新居浜市営球場での高知FD戦、味方の安打で2塁から俊足を飛ばし、チョーク本塁を駆け抜けた。塁間もさることながらベースを踏む前後もスピードが落ちず、ダイヤモンドを駆け抜けたその姿は、かのWBCで周東選手が披露した快足を彷彿とさせた。この両日以降、彼は内野の一角を奪取し、スタメンに名を連ねることになる。

 7月29日現在の彼の打撃成績は、22試合に出場し、59打数21安打の打率.356。打席数が少ないながら高打率を記録しており、長打率.407、OPS(出塁率に長打率を足し合わせた数値)は.794。隠れたリーディングヒッターとして、規定打席到達後はリーグの打率上位に名を連ねる可能性がある。盗塁は僅か1つに止まっていて、50m5秒9の俊足を生かすには至っていないが、そのベースランニングの快速振りは恐らく天性のものだろう。弓岡監督は「足が速いのは武器。強みですよ」としたうえで、「宇都宮選手はこれからもやれると思う。やれるからスタメンに起用している」と高く評価する。

 彼は入団後の自分の成長について「最初は高校時代と全然違うまっすぐのスピードに慣れませんでしたが、ようやく対応できるようになりました」と控えめに話す。変化球についても「独立リーグはキレが鋭いです。でも低めのボールも見極められるようになりました。これは成長かもしれないですね」。
 174㎝で64㎏、その体つきは華奢に見える。今後本格的な体作り、筋力増強が求められ、これまでの22試合で4つのエラーを喫している守備強化も不可欠。ライバルチームのマークは今後厳しくなるだろうが、「(NPB入りに向けた)可能性を十分に感じさせる」との評価を急速に引き寄せつつあるのは確かだ。は確かだ。

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