いよいよデビューする若武者!後期隠し玉の期待も高まる!
VOL32 投手 佐山蒼空(さやま・そら)背番号24 新入団
今季、一番最後に登場する新入団選手であり、チームで一番若い。入団直後にクリーニング手術の必要性が浮上し、4月上旬に手術を受けた。術後はすこぶる順調で、チームに復帰して投球練習を進めていて、7月末の初登板を目指しピッチを上げている。
男4人と女2人の6人兄弟の長男だ。スポーツ一家で、父親は高校まで野球をやり、蒼空選手の弟3人も野球、長女は陸上、母親は卓球で、まだ1歳の「末っ子も将来はきっとスポーツ選手でしょう」とニッコリ。因みに6兄弟はみんな名前の頭文字にSがついており、「父の好みです」と言って笑う。
小学2年から軟式野球を始め、中学は学外のクラブチームで硬式をやり、静岡の強豪校・静清高に野球留学。入学後は背番号8を背負い、センターとして出場しながら主にリリーフ投手としてマウンドに立つ2刀流として活躍、高2の夏は県大会準優勝の立役者になった。当時、俊足で守備範囲が広く、野手として5割前後の打率を残し、投手としては昨年夏に最速147㌔をマークした。そんな高い素質にNPBのスカウトが注目し、視察に訪れてもいた。だが、卒業を控えた昨年秋のドラフトで彼の名は呼ばれなかった。彼は挫折を味わうも「小さい頃からの夢のNPBに行きたい」との気持ちは変わらなかった。いや、むしろ強くなった。彼は中学時代のクラブ関係者や恩師に相談し、将来に向けた野球選手としての可能性を投手の道に求めるとともに、パイレーツでNPB入りを追求することにした。
投げることが楽しくて仕方ない
彼はそうした強い意志を携え入団した。それだけにクリーニング手術は「正直ショックで不安がありました」と本音を吐露する。同手術は関節内にある遊離体を取り除く、野球選手にはいわばつきもののような手術で、重篤なものではない。彼の場合も同様で、4月上旬に松山市内で行い、2泊3日の入院で無事完了した。その後は、チームに合流し、ウォーキング、可動域を広げるトレーニング、軽いランニングなど別メニューで順次練習を進め、キャッチボールを経て、現在は8割程度の力で投げているという。「心配は何もなく非常に順調にきています。今はとにかく投げることが楽しい。めちゃめちゃ楽しいんです」と、一時の不安と焦りから解放され、むしろ高ぶる気持ちを抑えながらボールを握っている。今後は7月上旬頃から捕手を座らせてブルペンで投げ、7月末を目処にいよいよ実戦登板の見通しだ。
優勝と指名目指し仕切り直しだ!
右のスリークォーターで、フォームはオーソドックス。ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットを組み合わせて打ち取り、落ち着いたマウンド捌きで、制球は悪くない。得意のスライダーはスピードにより2種類を使い分け、チェンジアップにも自信を持つ。その雄姿は7月末まで待たねばならないが、当面は中継ぎで起用され、状況次第で先発も予想されそうで、後期パイレーツの投の隠し玉にとの期待も高まっている。
ようやく実戦に臨むことについて彼は「自分にとって仕切り直しです。投手陣の一翼としてチームの勝利に貢献し、優勝に繋げたいです」と素直に意欲を表していて、「夢だったNPBからドラフト指名されるように頑張ります」と、溌溂とした眼差しと清々しい口調で答えた。
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