中継ぎとして半数の試合に登板!ケア徹底し安定感高まる!
VOL25 投手 泊広哉(とまり・ひろや)背番号43 2年目
このほど全日程を終えた前期、泊選手は中継ぎとしてチーム2番目で全試合の半分にあたる18試合に登板した。投手陣に故障者が目立つなかチームを献身的に支えており、後期に向けてもこの2年目投手の奮闘に期待が高まっている。
1年目の教訓2年目に生かす
入団1年目の昨年、22試合に登板(23イニング)し勝ち負けなしの防御率5.09、奪三振10・与四球18だった。「1年間戦い続けることの大変さや独立リーグのことが何も分からないまま」全力で毎日練習し、全力で実戦に臨んだという。小柄ながらリーチを目一杯使ったスリークォーターのカットボールやスイーパーを武器に、前期後半まで好投を見せていた。だが、徐々に調子を落とした。右肘を故障したのだ。「自分は元々肩や肘に負担がかかりやすいフォームなんです」と苦笑するが、酷使したことは否めない。診断は疲労が原因とみられる右肘の神経痛だった。そのため後期の登板はごく限定的に終わった。「独立リーグは厳しい場所」、それこそが彼が1年目に味わった現実だった。
1年目の教訓からオフは体のケアに努めた。シーズン終了後は、宇和島近郊の山間部でユズ収穫の農作業に精を出し、同市内のジムで専門的な指導を受けた。余分な体脂肪を減らして筋肉量を増やした。その甲斐あって肘は回復し2年目を迎えたが、公式戦突入後も体のケアにことさら注力している。ケアを重ねコンディションを整えて登板し、投げた後は再びケアに努め、チームが提携する整骨院、メディカルトレーナーの指導を丹念に受ける。時には宇和島のジムに行き、フォームのチェックも受ける、そんな日常が繰り返されている。
男気溢れ1日2回登板も
今年前期は、18試合に登板し0勝1敗で防御率3.92、奪三振9・被本塁打2・与四球15。防御率は終盤まで2点台をキープしていたが、6月5日の香川OG戦で打たれた3ランが響いた。登板数は20試合の羽野選手と土居選手に次ぐ多さで、全試合の半数超をも占める。その背景には、適切なケアによる自身のコンディションの良さもさることながら、「前期は故障者が多かった」とするチームの投手事情があり、「少しでも(自分が)投げて乗り越えないといけない」と奮起。5月10日の徳島IS戦Wヘッダー(今治市営球場)は、「任されるのなら行きます」と首脳陣に訴え、2試合ともマウンドに上がり0点に抑えた。決して好ましい登板とは言えないだろうが、投手としての彼を支えている大きな因子の1つが、この男気なのかも知れない。
ピッチングスタイルは昨年と大きく変わっていないが、「自分の今年のテーマはまっすぐです。まっすぐがストライクゾーンやキャッチャーのサイン通りにしっかりと投げ込めると、他の持ち球のスライダー、カット、チェンジアップ等が生きます」と強く話す。8回のセットアッパー、最終回のクローザーに繋ぐ中継ぎという現行の役割に誇りを持ちながらも「欲を言えば勝ちパターンで投げていきたい。いかに勝利を最終回にまで繋いでいくか、そんな達成感にやりがいを感じます」と泊選手。場内アナウンスを背に駆け足でマウンドに上がり、「テンポよく打者を3人で斬ることは嬉しい」と、野球少年のように声を弾ませる。