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【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/11/24】FXサンデーレポートvol.15

今週のドル円相場は米中通商協議の材料や発言に振り回され、小幅に上下するレンジ相場が主となりましたね。
109円台に再び戻ったのもつかの間、上下を繰り返しながら安値を108.270台までつけており、その後はじり高で推移して108.600前後を行き来したまま今週は終わりました。

米中通商協議のニュースや発言も決定的なものはなく、ここ2週間ほどは109円と108円のレンジとなって方向感がない相場が続いています。

エリオット波動理論で相場をざっくり捉えるのならば、現在「方向感がない」ということは「トレンドではない→推進波ではない」、つまり「調整局面→修正波である」と判断することができます。(日足~4時間足レベル)

そろそろどちらかにトレンドが出て欲しいなぁという思いです。
それでは、2019年11月24日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。

月足:11月3週目は2週目とほぼ変わらず終了

月足レベルでは「トライアングル」A~E波が完成していると考えられます。そのため、今後は「月足レベルの上昇トレンド」が作られていくのではないかと考えられます。月足では上昇トレンド形成がメインシナリオとします。

このメインシナリオを前提として、日足以下の分析・予想をしていきます。

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先週の終値は108.800台でしたが、今週は大きく下回ることも上回ることもなく終値は108.600台でした。

最近の相場は、109円台に入ると何かしらの悪材料によって108円台に押し返され続けている印象です。かといって、108円前半は買い勢力も入ってくるので堅くなっているイメージもあります。
下がるにも上がるにも「きっかけ待ち」なのだろうなと考えています。

週明けは「109円台方向に上がるのか」vs.「108円台を割に行くのか」vs.「レンジ相場がいつまで続くのか」が注目ポイントですね。

調整局面なのは明らか、問題はダイアゴナルが完成か未完成か

これまでのトレンド(上昇)に対する下落や長いレンジが続いていることから、相場は調整局面にあるのは明らかだと考えます。
問題は、その調整が「上昇ダイアゴナルに対する修正波」なのか「ダイアゴナル中の副次波」なのかです。

どちらなのか確信が持てないので2通りのシナリオを想定しており、先週のレポートに引き続いて「ダイアゴナル完成説」と「ダイアゴナル未完成説」を考えていきます。

・Aシナリオ:「日足レベルのダイアゴナルは完成している」
・Bシナリオ:「日足レベルのダイアゴナルはまだ未完成である」


先週はAシナリオがメインシナリオとしましたが、今週の値動きを見るかぎりAもBも五分五分の可能性を持っていると考えを改めます。

Aシナリオ:日足ダイアゴナルが完成しているなら日足レベルの調整下落

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Aシナリオでは、上図のような波形カウントをしてダイアゴナルが完成していると捉えます。ダイアゴナルの副次波は5-3-5-3-5構成を想定しています。

現在のレンジ相場が修正2波の副次b波中であると考えるのであれば、さらなる下落(副次c波)が今後形成されることが予想できます。
また、現時点では移動平均線期間(25)がレジスタンスとして働いていることも確認でき、期間(200)もレジスタンスとして機能する可能性を持っています。つまり、現時点では上値が重たい状態であることが予想されます。

このまま上値が重い場合、下落の目安は以下の4つのポイントです。

・108.000前後で下げ止まる:期間(75)のサポート
・107.750ライン:ダイアゴナルのフィボナッチ61.8%
・107.100ライン:ダイアゴナルのフィボナッチ50%
・106.500ライン:ダイアゴナルのフィボナッチ38.2%

個人的には現時点では107.750までは全然あり得る範囲内であると考えています。
一方で107.500以下を攻めるにはそれ相応のファンダメンタル要素(マイナス材料)が必要であると考えます。「米中通商協議が破綻しかけている」とかなると106.500まであり得ますが、現時点では考えにくいファンダメンタルだと考えています。

4時間足でもうすこし細かく見てみます。
現時点で副次b波であると想定できますが、週明け引き続き108~109円で揉み合うことも、すんなりと108.000を割に行くことも考えられます。以下はその一例です。

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副次b波がさらに揉み合うのであれば、上図①のようなフラット系を形成することも視野に入ります。上値上限は109.050~108.950になり、ちょうどこのラインが日足の移動平均線期間(200)にぶつかる価格にもなってきます。

副次b波が完成した後、副次c波を形成することになります。直近安値の108.230を割ると108.000割れが期待できるでしょう。

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副次波bが上図②のように既に完成していると考えるのであれば、週明けは副次c波を完成させに下落していくでしょう。

①同様に直近安値の108.230を割るかどうかがまずは争点となります。

Bシナリオ:日足ダイアゴナルが未完成なら再び109円台の上値が期待できる

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Bシナリオでは上図のような波形カウントをしてダイアゴナルは形成中であると考えます。副次波は3-3-3-3-3構成であると想定します。

今週までの下落およびレンジが修正4波であると考えるのであれば、週明けから推進5波の形成が期待できます。まずは期間(25)線をブレイクしてレジサポ転換できるかに注目です。さらに、「期間(200)線をブレイクする」=「109円台へ復帰」、期間(200)のレジサポ転換が実現すると直近高値109.480越えも意識されます。

以上の値動きはこれもまた「米中通商協議」に関するニュースに左右されるでしょう。現時点で下値108.250~400ラインも堅そうに見えるので「進展期待」を思わせる材料・発言が出れば、徐々に上値を伸ばす可能性もあると考えます。

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4時間足で上値候補を考えていきます。上値候補は大きく分けて3つあります。
ダイアゴナルの推進5波終点はチャネルライン上限を越えたり、上値を更新できなかったりとランダム性が大きいので状況に応じて上値目標を設定しておくことが吉です。

・109.250ライン:推進5波フェイラーとなり終了。ファンダメンタル材料が良くとも市場の反応が薄い場合。
・109.500ライン:前回の高値109.480が意識され、逆張りの売りが予想される。109.300~500にOPバリアもたびたび観測されている。
・110.000ライン:ファンダメンタルにおいてかなりの好材料が出た場合、売りのロスカットを巻き込んだ上昇が考えられる。

ちなみに、前回109.480を目指したときは109.500にストップ買いと同時にOPバリアが観測されていました。次回上値を伸ばすときにも、このOPバリアがあれば109.500ラインは上値が重い状態になりそうです。(売りと買いの攻防戦が繰り広げられるラインになるので)

1時間足:直近のレンジ相場を分析(シナリオ選択のトリガー)

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直近のレンジ相場の上値と下値に水平線を引いてみました。
赤点線が大きなレンジ、黄色点線が小さなレンジのそれぞれ上限下限になります。

・大きなレンジ:上値は109.000、下値は108.250
・小さなレンジ:上値は108.750、下値は108.500

現在はレンジの中心にいるので、週明けからどちらに偏るかに注目です。

・白矢印のようにレンジ下限108.250を割れば、シナリオAの優位性が上がります。
・緑矢印のようにレンジ上限109.000を越えれば、シナリオBの優位性が上がります。
・しばらくオレンジ矢印のように横ばいの相場が続いて、
黄色点線のレンジ内での推移も考えれます。(きっかけとなる材料が出るまで)

まとめ

現時点でAシナリオもBシナリオもあり得るので、予想・分析とトレード判断が難しい相場と感じます。上も下も見えてしまいます。

週明けはレンジをどちらにブレイクするかが注目ポイントですね。
米中通商協議に関するニュースと発言に注意しながらトレード判断をしていきたいところです。

上昇シナリオ、下落シナリオともに戦略を立てることで柔軟に状況に対応できます。分析・予想の醍醐味ですね。


以上、2019年11月24日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

週明けからも頑張っていきましょう!!

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