見出し画像

【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/11/17】FXサンデーレポートvol.14

今週のドル円相場は、高値更新が期待されていたものの109.290台でストップし、それ以降下落相場の雰囲気に転じました。110円台がささやかれている中で、木曜深夜には短期ロング勢の損切りが損切りを呼んだ急落する場面もあり、下値は108.230台まで拡大しました。

金曜日には108.850台まで価格を戻していますが、109円台復帰までとはいきませんでした。米中通商協議の材料も「好感できる発言」と「不信感漂うニュース」がどちらも出ており、なんとも言えない状況ですね。

今週の下落によって「相場の雰囲気が変わってきた」と個人的には考えています。先週までは強気の上昇相場でしたが、そろそろ調整局面(下落相場)に入りそうな予感がしています。

それでは、2019年11月17日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。

月足:11月2週目は上ひげを拡大して終了

月足レベルでは下の図のように、エリオット波動理論で分類される「トライアングル」が完成していると考えています。「トライアングル」が完成しているので、今後は「月足レベルの上昇トレンド」が形成されていくことをメインシナリオとして考えています。

このメインシナリオを仮定して日足以下の分析・予想をしていきます。

画像1

先週までの注目ポイントとしては「109.500を越えるか」「110円台にタッチするか」でしたが、今週の下落によって雰囲気は変わったように感じます。

109円台に乗せられるものの、109.500以上はまだまだ頭が重いようですね。109円台に「しっかり」価格を乗せられていませんので、一旦は110円台への夢は薄れた形になります。

週明けは「再び109円台に戻すのか」vs. 「108円~107円後半まで価格を戻すのか」が注目ポイントと考えています。

日足:調整局面の雰囲気が漂ってきた(日足以下のメインを下落シナリオに変更)

以下で述べる下落シナリオは、「下落」と言っても月足や週足でみれば押目になるような調整局面レベルの話です。「月足レベルの上昇トレンド」自体の見方は変わっていません。

先週のレポートでは「インパルスシナリオ(強気相場の継続)」を1つのシナリオとして述べましたが、今週の下落を経てこのシナリオは否定されたと考えています。109円台を保持できず、108円前半まで下落が押したため。

メインシナリオは「日足レベルの推進1波(ダイアゴナル)完成→修正2波の形成」を考えています。

画像2

白線のような波形カウントとチャネルラインを引くことで「ダイアゴナル」系の波形であると捉えることが可能です。このダイアゴナルは副次波が5-3-5-3-5波動である想定です。

5波まで完成しているので次の局面は修正2波を伴った下落が予想できます。

また、1~5波を副次波と捉えて緑線のように結ぶと、大きな推進1波として考えることができます。これを上昇トレンドに対する「リーディングダイアゴナル」であると考えています。


フィボナッチから予測できる下落の値幅の目安は以下の3つです。

・107.750ライン:108円を割ってしまうが、4波終点付近で耐える。移動平均線期間75でサポートされる。

・107.100ライン:ファンダメンタルが少々悪化するとあり得る。A波終点付近で耐えると綺麗な逆三尊が期待できる。

・106.500ライン:米中通商協議に関するファンダメンタルが相当悪くなるとここまで下落する可能性は否めない。

個人的には「107.500くらいまでなら直近ではあり得そう、それ以上下落するとちょっと驚く」といった感覚です。


また一応、サブシナリオとして「3波動ダイアゴナル未完成→4~5波形成へ」を考えています。週明けに109円台にしっかりと戻してくるとこちらのシナリオに切り替える必要が出てきそうです。

画像3

「3波動ダイアゴナル」とは副次波の構成が3-3-3-3-3である「ダイアゴナル」のことです。副次波が3波動であることを前提にすると日足では上の画像のようにカウントすることができます。

現在が4波目を形成中であり、以降で5波目を作りに上昇することが予想で着ます。ダイアゴナルの5波目はチャネルラインを越えたり越えなかったりします。上値の目安は以下の通りです。

・直近高値(109.490)以下:米中通商協議の進展期待があるものの材料が弱い、売り圧力が強い場合

・高値更新109.500以上110円以下:米中通商協議の進展期待がそこそこ強く、109.500以上のストップロスをヒット

・110円ラインにタッチ:米中通商協議の進展期待や株価、金利など好条件が揃っていると挑戦しそう(現時点では考えにくい)


メインは下落目線ですが、シナリオに固執しないように気をつけなければなりません。上昇したときのシナリオも考えて値動きを注視することが大切です。

シナリオA:ダイアゴナル完成からの下落を考える

ダイアゴナルの5波目の副次波①~⑤に関して、⑤がフェイラーしていることを仮定して波形カウントをしています。(フェイラーとは、直近高値(安値)を更新できなかったこと)

現在は修正A波を形成し始めていると考えることができ、週末金曜の上昇は下落に対する調整の反発となります。

画像4

週明けからは上昇を引き継いだとしても、⑤の高値を超えることなく再び下落方向へ動きを強めていくことが予想できます。

現時点では修正A波が5波動なのか3波動になるかは判断が付きません。よって、日足レベルの修正2波は「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」のいずれになるかは予想不可能です。

直近の下値目安は前回の下値108.230~108.000あたりです。ダイアゴナル4波の下値である107.900を割り込むと下落シナリオの優位性はより高くなります。また、下落の勢いが強ければフィボナッチ161.8%(107.500)
修正A波が5波動になる場合は107.100まで下落幅が考えれます。

以下、1時間足で直近の下落のシナリオを想定してみます。A波が5波動か3波動か不明ですが、便宜上a,b,cカウントしています。

画像8

上のようにb波を「ジグザグ」と捉えた場合、週明けからは5波動でc波を形成して下落すると考えられます。移動平均線期間200に頭を抑えられる形になります。

また、以下の2通りのように108円台で揉み合う相場も考えられます。b波が「フラット」や「トライアングル」を形成する可能性です。思うように下値108.230を割らず、高値をしっかりと更新しない場合は2つのシナリオを想定しても良いかもしれません。

画像9

画像10

シナリオB:ダイアゴナル未完成の4~5波の上昇を考える

3波動ダイアゴナルを想定して波形カウントをすると以下の4時間足チャートのようになります。ダイアゴナル3波目が完成しており、4波目が現在形成中と考えられます。

週明けは4波完成後、5波目で上昇していくシナリオが予想できます。

画像10

次の下落する副次波c波が107.900を割ると、下値を更新することに繋がるのでこのシナリオは怪しくなると考えています。108円台で留まることが重要になります。

画像9

また、そもそもダイアゴナル3波のカウントの解釈を変えてみると、以下のような上昇シナリオも想定できます。

既に4波の副次波a~cが完成していると考えられ、金曜の上昇の始まりであるとも捉えることができます。このようであれば、週明けから109円台での高値更新に挑戦する可能性が考えられます。

画像10

まとめ

今回は波形カウントの解釈が難しく様々な可能性が考えられるため、分析・予想も複雑になってしまったと感じます。上も下も見える難しい相場です。

個人的には下落局面の始まり(ダイアゴナル完成)をメインシナリオとして週明けからトレードしていきたいと思います。もちろん、上値更新に警戒しつつですが。

また、米中通商協議の期待・不透明感の材料の上下を左右される相場が続いているので、引き続き突発的な上昇・下落には注意していきましょう。


以上、2019年11月17日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

週明けからも頑張っていきましょう!!

本記事で、少しでも「おもしろい!」「なるほど!」「わかる!」と思っていただけたら嬉しいです。 よろしければ、サポートをお願いいたします。これからのコンテンツ発信の励みになります!